エッフェル塔をぶっ壊して安っぽい高層ビルを建てるようなもの:神宮再開発

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東京の明治神宮再開発に伴い、大量の樹木が伐採されることがわかって、大騒ぎになっている。この地域は、東京の中でも景観のすぐれたところで、都心のオアシスとして、都民はもとより東京を訪れる人々に親しまれてきた。それを一気に伐採して、高層ビルをたてようというのだから、人々が反発するのは無理もない。たとえていえば、パリのエッフェル塔をぶっ壊して、安っぽい高層ビルを建てるようなものだ。

この問題をめぐっては、樹木の保存を求める団体が、小池都知事に再考をうながしたほか、高名な人々も反対している。世界的な音楽家として知られる坂本龍一も、反対の意を表明した手紙を小池都知事に送付したそうだ。ところが小池知事は無視を決め込み、周辺には、私ではなく事業者の明治神宮と施工者の三井不動産に文句を言えと開き直っているという。

たしかに実際の事業者は民間であって、都ではないが、しかし再開発を許可したのは都であり、それもボーナス付きで許可していると聞く。都は無関係ではなく、計画に強い影響を及ぼせる立場にある。だから都の責任者である小池都知事が、反対の声を無視しているというのは、事実上、事業者の金儲けに手を貸しながら、都民はじめ神宮の緑を愛する人たちの希望を踏みにじることにほかならない。

このまま再開発が進み、樹木が伐採されるようなことになれば、小池都知事は、都知事でありながら、東京都の緑の破壊者として振舞ったとの汚名を蒙ることになろう。




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