プーチンを裁いてブッシュ(子)とネタニヤフを裁かないのは片手落ち

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国際刑事裁判所なるものが、ロシアの大統領プーチンを、戦争犯罪容疑で国際指名手配したそうだ。小生も、プーチンは裁かれるに値することをやっていると考えるので、かれを訴追する動きに異議はない。だが、いまの国際情勢を踏まえれば、この訴追には象徴的な意味しかなく、プーチンが現実に裁かれる可能性はほとんどないと言われている。それでもプーチンを裁こうとするのは、世界の指導者に対する警告の意味合いがあるからだという。プーチンと同じようなことをすれば、誰でも、たとえアメリカ合衆国の大統領であっても、訴追される危険があることを知らしめることで、抑制的な効果を期待するというのである。

もしそうだとしたら、裁かれるべき人間は他にもいる。たとえばアメリカの元大統領ブッシュ(子)とイスラエルの首相ネタニヤフだ。ブッシュ(子)は、ありもしないことを口実にイラクを侵略し、大勢の無垢の人を殺した。また、ネタニヤフは、パレスチナ人に対してジェノサイドというべき、きわめて犯罪的なことをしてきた。これらの人間が、プーチンより罪が軽いということはない。だから、プーチンが訴追されるならば、かれらもまた訴追されるべきである。

国際刑事裁判所なるものが、どれほど国際社会の信頼を集めているかは、かなりな疑問がある。アメリカはこの裁判所の締約に加盟していない。自国民が戦争裁判で裁かれることを恐れたからだという。そんなわけで、今回の訴追手続きも、国際社会全体の支持を得ているとは言い難いようだ。それならばいっそう、この手続きは、国際的な正義の理念に沿ったものでなければならぬだろう。でななければ、国際社会の一部の勢力が、プーチンを懲らしめるというケチな意図から、かれを訴追したと見られても仕方がないだろう。

重ねて言うが、こういう問題は、正義に基づいたものでなければならない。深刻な分断に引き裂かれた今の世界で、プーチンだけを訴追して、ブッシュ(子)とネタニヤフは無罪放免にするというのは、明らかに片手落ちであり、ダブル・スタンダードであって、正義に反している。





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