Jアラートを出されても避難する場所がない

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昨日(4月13日)、北朝鮮がICBMと見られるミサイルを発射したことに伴い、日本政府はJアラートを発し、特に北海道の人びと対象に、避難するように呼びかけた。北海道の地上に落下する可能性があるとの理由からだ。結局、そのミサイルは日本に落下することはなかった。そのことで、政府の(Jアラート発出の)措置を批判する動きはないようだ。たしかに、少しでも可能性がある場合には、国民に向かって危険性を知らせることには相応の理由があると思う。だが問題はある。政府が避難するよう呼びかけても、一部の人たちを除いては、そもそも非難できるが場所がないというのが、厳然たる事実である。

ここでは、日本が直面している安全保障上の問題を論じる意図はない。ここで言いたいのは、国民に向かって、準戦争状態を前提にして、敵の攻撃から逃れよと言いながら、その逃れるべき避難場所が全く用意できていない現実を、政府がどう考えているか、ということだ。今般、避難できたのは、札幌の地下鉄など地下施設にアクセスできる少数の人たちだけであり、多くの人々は、避難するように求められても、その場所がなくて、途方に暮れたのではないか。

これでは、避難できる幸運に恵まれた人だけとりあえず避難してもらい、その幸運に恵まれなかった人々は、成り行きに任せて欲しいといっているようなものだ。場合によっては、お前たちが死んでも政府は知らん、ということになる。

これが、責任ある政府のとるべき態度であろうか。先日は、これはあまり言いたいことではないが、有事の際に第一線に立つべき師団の幹部がそろって消えてしまうという、実に不可解な事態が発生した。どうも今の日本は、根本的に脆弱な基盤の上に立っているようにしか見えない。




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