
「優等賞の授与(La distribution des priz)」と題されたこの作品は、「人生の幸福(Les beaux jours de la vie)」シリーズの一点。幸福そうな表情をした父娘を描いたものだ。父親が抱えているのは、娘が優等賞の副賞としてもらった本である。それをうれしそうに抱えた父親のとなりで、娘が得意げな表情をしている。
1833年に、義務教育制度が確立され、各自治体に公立小学校が整備されることとなった。1840年代になると、中等学校も普及するようになる。その場合、中等学校を公立で運営するのか、私立で運営するのかという議論がなされたが、そうした議論を乗り越えて、教育の普及がすすんでいた。
この絵は、フランスにおける教育熱の高まりをテーマにしたものである。それにしても、娘の表情が子供らしくない。
(1843年12月 リトグラフ 16.8㎝)
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