セーラーカラーをつけたアリ・ルドンの肖像:ルドンの肖像画

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「セーラーカラーをつけたアリ・ルドンの肖像(Portrait d'Arï Redon au col marin)」は、ルドンの次男アリをモデルにした作品、ルドンは、長男のジャンを1886年になくし、深い悲しみにとらわれたのだったが、1889年に、50歳を前にして次男を得た。この子を得たことで、一時衰えた創作意欲が復活したという。

この肖像を描いたとき、アリは8歳だった。セーラー服用のカラーをつけた姿で、横顔を見せている。その穏やかな表情は女の子のようである。ルドンはこの年代のアリの肖像をほかにも描いている。

ブルーを主体にした寒色系の背景から、血の気を帯びた暖かいアリの表情が浮かび上がってみえる。そのアリは、画面の右側に配置され、左側の空間に顔を向けている。このように人物を画面のはじに描くやり方は、ナビ派が意識的に採用したものだ。

画面左下に見える塊のようなものの中には、男の背中のようなものが見える。

(1889年 厚紙に油彩 41.8×22.2㎝ パリ、オルセー美術館)






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