米誌TIMEのカバーを飾る岸田首相

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米誌TIMEがカバー写真に日本の岸田首相を採用し、その政治スタイルを分析しているというので、早速電子版に当たってみた。すると当該のカバー写真に添えて、次のような文章が書かれている。「岸田首相は数十年来の平和主義を捨て、日本を真の軍事大国に変えようとしている」。随分ショッキングな言い方である。まるで岸田首相のもとに、日本が好戦的な軍事国家に変容しているかのような書き方である。

本文に当たってみると、そんなに大それたことは書かれていないので、多少肩透かしを食った感じになる。岸田首相が目指しているのは、軍国主義ではなく、富国主義だというようなことが書かれている。衰退しつつある日本を立ち直らせ、かつての栄光を取り戻すことが自分の使命だと岸田は考えている、といったような書き方だ。

岸田の唯一のトレードマークである「核なき世界」については、広島出身で、核廃絶運動に長年たずさわり、そのことでノーベル平和賞を受賞したサーローさんを引き合いに出している。そのサーローさんは、「岸田さんは核なき世界の実現が自分の最優先課題だといっていますが、実際には私たちをだましている」といって、岸田に警戒感を抱いているというが、けだし素直な反応だと思う。岸田のやっていることは、その言葉とは裏腹に、核の拡散につながるようなことばかりである。

TIMEがこの時期に岸田首相を取り上げたのは、まもなく開催されるG7の議長という立場に着目したからであろう。そのG7も存在意義を問われているとTIMEは言う。世界の分断が深まる傾向のなかで、G7が先進国の仲良しクラブにとどまるならば、世界にとっての存在意義はなくなるのではないか、という指摘である。岸田首相にそれをただすだけの能力があるかわからぬが、唯一アジアの国として、先進国以外の思いを代弁することくらいはできるのではないか。欧米の使い走りのような行動を続けていては、誰からも尊敬されることはないだろう。

なお、かつてライバル誌のNEWSWEEKが小泉純一郎を特集したとき、日本のエクセレントな大学を卒業した秀才だと紹介していたものだが、ここでは岸田を、大学受験(Law school entrance exam)に三回失敗した凡才(Average student)、とわざわざ書いている。






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