籠釣瓶花街酔醒 十八世中村勘三郎十三回忌追善公演から

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2024年2月に歌舞伎座で行われた十八世中村勘三郎十三回忌追善公演から、勘三郎の二人の息子勘九郎・七之助兄弟が共演した「籠釣瓶花街酔醒」の舞台をNHKが中継放送したのを見た。勘三郎の当たり役だった籠釣瓶の佐野次郎座衛門を勘九郎が演じ、花魁八つ橋を七之助が演じた。ほかに片岡仁左衛門、尾上松録などが共演した。


田舎者の俄成金が、吉原の花魁に惚れるものの、花魁は他の男に義理だてして俄成金次郎座衛門を袖にするといった筋書きで、たいしてインパクトのある芝居ではない。そういう芝居では、役者の力量がものをいう。この芝居では、勘九郎があばた面をさげながら粋がってみせるところが見せ場になるが、なにせ次郎座衛門は浅はかな俄成金とあって、押し出しにかける。そこを花魁役の七之助が芝居を締める役目を引き受ける。といった具合で、この芝居は花魁を前に押し出したものだ。

片岡仁左衛門が、花魁の思いを寄せる男を演じている。こちらは、さすがに粋な雰囲気を感じさせる。次郎左衛門と比較すると、こちらのほうが格段と男が上である。






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