ガザにおけるイスラエル国家のジェノサイドをめぐって、バイデンの言動ぶりの混乱が目立つ。イスラエルの自衛権を支持すると言う一方で、一般市民の安全を保障せねばならぬと言っている。ネタニヤフは、そんなバイデンの言うことを無視して、パレスチナ人の虐殺を楽しんでいるかのようである。バイデンがイスラエルを見放すことはないとタカをくくっているからだろう。バイデンが言っていることには、イスラエルにとって都合の悪いこともあるが、大局的にはイスラエルを支持してくれる。そう確信しているからこそ、安心してジェノサイドを進めているのだろう。
国際社会の目には、バイデンの言動は二枚舌にうつる。一方ではガザの虐殺を非難する仕草を見せながら、もう一方では、パレスチナ人を虐殺するために必要な武器をイスラエルに提供している。殺人兵器を提供しながら、人道に反することはするなというわけである。こういうのを二枚舌と言わないで、何を二枚舌というのか。
バイデンの本音は、ハマスに捕虜になっているアメリカ人を見捨てるわけにはいかない、かといってイスラエルを見捨てるわけにもいかない。この二律背反的な要請に対して、なんとか恰好をつけるためには二枚舌を使わざるをえない、ということだろう。もっともバイデン本人に二枚舌を使っているという自覚があるようには見えない。
バイデンが二枚舌をスムーズに使えるよう下ならしをしているのはブリンケンだ。ブリンケンはユダヤ人同士のよしみで、ネタニヤフとはツーカーの仲である。そのかれらが共同して、イスラエルにとって都合のよい政策を推進している。国際社会には停戦にむけての努力をしていると見せかけながら、それとは正反対の行動をとる。バイデンが停戦の実現性を強調するたびに、ネタニヤフはそれとは真逆な言動をして、バイデンの顔をつぶしている。
普通の人間なら、顔をつぶされていい気はしないだろう。だがバイデンには、顔をつぶされているとの自覚はない。ブリンケンとネタニヤフはそこにつけこんで、事実上バイデンの望みに反した政策を強行しているように見える。バイデンがボケていることを最大限利用しているのである。バイデンのボケぶりは、ここにきて拍車がかかっているようである。ネタニヤフがヒズボラの最高指導者を殺害した行為を支持した。停戦を云々しながら、紛争の拡大を招くような行為だ。そんなバイデンは、いまや国際社会の目には、完璧な意味でのレームダックに見える。
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