「ニースのカジノ(Casino a Nice)」と題されたこの絵も「ニースの桟橋」におけると同じカジノをモチーフにしている。デュフィはこのカジノの眺めがよほど気に入ったと見えて、実に沢山の作品を描いている。リトグラフも作っている。
前作よりもずっと単純化された構図と、色彩の鮮やかさが特徴である。とくにブルーを効果的に使っている。画面の大部分がブルーである。そのブルーを下地にして、建物や樹木がそこに貼りついているような描き方だ。遠近法もなければ、当然立体感もない。ひたすらに平面的である。
このカジノは桟橋に面している。画面右手にその桟橋らしいものが見える。
(1927年 カンバスに油彩 51×60㎝ プライベート・コレクション)
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