インド女のいる室内 ラウル・デュフィの世界

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1928年から1930年にかけてデュフィは、インド人女性をモチーフにした一連の絵を描いた。1926年にモロッコを旅した際に、サルタンの後宮にいる女性たちをみて、そのエキゾチズムにひかれたのである。サルタンの後宮の女性たちが本当にインド女性だったかどうか、たしかではない。デュフィが彼女らのエキゾチックな雰囲気に、インドを感じたのかもしれない。

この絵(「インド女のいる室内」 Interiour avec femme indienne)の中のインド女は、壁を青く塗った部屋の中で、青い椅子に腰かけた姿でポーズをとっている。それはデュフィがこの女の絵のシリーズのために、わざわざ自分の部屋をそのように仕立てたのだそうだ。

インド女はかなりけばけばしい服装をしている。それ以上に、部屋自体がけばけばしい印象を与える。これはデュフィの美的趣味をあらわしているのだそうだ。

(1930年 カンバスに油彩 81×100㎝ コペンハーゲン、デンマーク国立美術館)





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