ラ・ヴィ・アン・ローズ ラウル・デュフィの世界

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「ラ・ヴィ・アン・ローズ(la vie en rose)」のタイトルで知られるこの絵は、画面下部に「1901 30 ans ou la vie en rose Raoul Dufy 1931」という署名があるところから、1901年に着手され、30年を経たのち、1931年に完成したと読める。1901年は、デュフィが24歳のときであるから、かれの青春時代である。その青春時代に構想された作品を、かれは「ラ・ヴィ・アン・ローズ(バラ色の人生)」と命名したわけである。

24歳のデュフィの人生がばら色だったかどうか、それはわからない。かれは21歳で兵役につき、23歳で奨学金をもらってパリの国立美術学校に入った。24歳のときには、サロン・デ・ザルティスト・フランセ展に画家として初めて出品した。画家を目指し始めた青年として、自分の前途がばら色に見えたということはありうる。

「バラ色の人生」といえば、エディット・ピアフが歌ったシャンソンが思い浮かぶ。ピアフがそれを歌ったのは1948年のこと。彼女自身が歌詞を書いたのであるが、無論デュフィのことは意識していなかった。

(1931年 カンバスに油彩 98×128㎝ パリ、市立近代美術館)





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