レガッタとは、ヨットやボートなど人力で走らす船のレースのこと。カウズは、ル・アーヴルからドーヴァー海峡を隔てた対岸のイギリスの港町。そこでレガッタが毎年開かれていた。デュフィはたびたび海峡をわたってカウズを訪れ、そこでのレガッタの様子を描いている。この作品「カウズのレガッタ(Régates à Cowes)」は、その代表的なもの。
画面のいたるところにヨットが見えるから、これはヨットのレガッタなのであろう。画面左手にフランスの国旗が翻っているのが見えるが、これはご愛敬だろう。雑然としながらも祝祭的な雰囲気も感じさせる。実際のレースも祝祭的だったのであろう。
同じような構図の絵を何点か描いている。その中でこの作品がもっとも迫力を感じさせる。
(1934年 カンバスに油彩 81.6×100.3㎝ ワシントン、ナショナル・ギャラリー)
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