ヴァリーの肖像 エゴン・シーレの肖像画

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エゴン・シーレがワールブルガ・ノイツィルと出会ったのは1911年のこと。当時シーレは21歳、ノイツィルは17歳だった。ノイツィルはもともとクリムトの妾のような存在だったらしい。以後1915年までの4年間、シーレの恋人兼モデルとして一緒に過ごした。シーレは彼女をヴァリーと呼んだ。ヴァリーは数多くのポルノグラフィックな作品のモデルを務めている。

「ヴァリーの肖像(Wally)」と題されたこの絵は、ヴァリーの顔を大アップにした胸像画である。構図や色づかいは、「ほおずきのある自画像」によく似ている。小道具の小枝は、やはりほおずきだと思われる。

ヴァリーはシーレに捨てられたあと看護婦としての資格をとり、第一次大戦中ダルマチアの前線で仕事をした。そして2017年の12月に猩紅熱で死んだ。シーレのほうは、その翌年にスペイン風邪で死ぬ。

(1912年 カンバスに油彩 32.7×39.8㎝ ウィーン、レオポルト美術館)






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