画家の妻の肖像 シーレの肖像画

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シーレは1915年6月に結婚した。相手はウィーンのヒーツィンガー通りのかれのアトリエの向かい側に住んでいた中産階級の娘エディット・ハルムスだった。エディットにはアデーレという妹がいて、かれは姉妹の両方と深い付き合いをしたようだが。姉のエディットを妻に選んだ。そのことでワリーとの関係は終わった。
「画家の妻の肖像(Bildnis der Frau des Künstlers)」と題されたこの絵は、結婚直後に描かれた。結婚してすぐ兵役についたシーレは、病気のため一時休暇を得て帰宅した8月にこの絵を制作したのだった。

ワリーのセクシュアリティと比較すると、この絵の中のエディットは性的な要素を全く感じさせない。無垢な乙女といった感じである。シーレはそこに惚れこんだのかもしれない。エディットは、結婚して三年後に、妊娠六か月の身で、スペイン風邪にかかって死んだ。シーレもその三日後にやはりスペイン風邪で死んだ。

(1915年 カンバスに油彩 180×110㎝ ハーグ市立美術館)





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