陸游の七言律詩「九月三日、舟を湖中に泛ぶるの作」(壺齋散人注)
兒童隨笑放翁狂 兒童隨って笑ふ 放翁狂すと
又向湖邊上野航 又湖邊に向って 野航に上る
魚市人家滿斜日 魚市の人家 斜日滿ち
菊花天氣近新霜 菊花 天氣 新霜近し
重重紅樹秋山晚 重重たる紅樹 秋山晚れ
獵獵青帘社酒香 獵獵たる青帘 社酒香し
鄰曲莫辭同一醉 鄰曲 辭する莫かれ 同(とも)に一醉するを
十年客裡過重陽 十年 客裡 重陽を過ごす
陸游の七言律詩「九月三日、舟を湖中に泛ぶるの作」(壺齋散人注)
兒童隨笑放翁狂 兒童隨って笑ふ 放翁狂すと
又向湖邊上野航 又湖邊に向って 野航に上る
魚市人家滿斜日 魚市の人家 斜日滿ち
菊花天氣近新霜 菊花 天氣 新霜近し
重重紅樹秋山晚 重重たる紅樹 秋山晚れ
獵獵青帘社酒香 獵獵たる青帘 社酒香し
鄰曲莫辭同一醉 鄰曲 辭する莫かれ 同(とも)に一醉するを
十年客裡過重陽 十年 客裡 重陽を過ごす
陸游の五言絶句「楚城」(壺齋散人注)
江上荒城猿鳥悲 江上の荒城 猿鳥悲し
隔江便是屈原祠 江を隔つれば 便ち是れ屈原の祠
一千五百年間事 一千五百年間の事
只有灘聲似舊時 只だ灘聲の舊時に似たる有り
陸游の七言古詩「浣花の女」(壺齋散人注)
江頭女兒雙髻丫 江頭の女兒は雙髻丫(きつあ)
常隨阿母供桑麻 常に阿母に隨って桑麻に供す
當戶夜織聲咿啞 戶に當って夜織れば 聲咿啞たり
地爐豆秸煎土茶 地爐の豆秸 土茶を煎る
長成嫁與東西家 長成すれば嫁與す 東西の家
柴門相對不上車 柴門相ひ對して 車に上らず
青裙竹笥何所嗟 青裙 竹笥 何の嗟する所ぞ
插髻燁燁牽牛花 髻に插すは 燁燁たる牽牛花
城中妖姝臉如霞 城中の妖姝 臉(かほ)霞の如し
爭嫁官人慕高華 爭ひて官人に嫁し 高華を慕ふ
青驪一出天之涯 青驪 一たび天之涯を出づれば
年年傷春抱琵琶 年年 春を傷みて 琵琶を抱く
陸游の七言律詩「春愁」(壺齋散人注)
春愁茫茫塞天地 春愁 茫茫として 天地を塞ぎ
我行未到愁先至 我が行 未だ到らざるに 愁ひ先づ至る
滿眼如雲忽復生 滿眼 雲の如く 忽ち復た生じ
尋人似瘧何由避 人を尋ぬること 瘧に似たり 何に由ってか避けん
客來勧我飛觥籌 客來りて 我に勧む 觥籌を飛ばせと
我笑謂客君罷休 我笑って 客に謂ふ 君罷めよ休めよ
醉自醉倒愁自愁 醉へば自づから醉倒するも 愁ひは自づから愁ふ
愁與酒如風馬牛 愁ひと酒とは 風馬牛の如しと
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