ブレイクの挿絵

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ダンテとヴィルジリオを迎えた天使は、ダンテの額に剣をあて、Pの文字を七つ記す。その後、金銀二つの鍵を使って煉獄の門を開け、彼ら二人を導き入れるのである。

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ダンテとヴィルジリオは煉獄の門に向かって進む。門の前には三段の階段があり、その上に天使が坐している。天使はダンテらを誰何し、彼らが天の淑女(ベアトリーチェ)の計らいによってここまで来たことを知るや、煉獄の門に導くべく、彼らを進ましむ。

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眠るダンテは、一羽の鷲が富んできて、彼をかかえて大空を飛ぶ夢を見る。目覚めると脇にはヴィルジリオがいて、ダンテが寝ていた時におきたことを語る。聖ルチーアが眠れるダンテを抱き、煉獄の入り口まで運んでくれたというのだ。

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煉獄山の麓を行くダンテとヴィルジリオの前に一人の亡霊が現れる。ヴィルジリオの故郷マントゥアの人ソルデッロの霊であった。ソルデッロはヴィルジリオと出会ったことを大いに喜び、彼ら二人を案内することを引き受ける。だが、煉獄山では夜歩くことはかなわぬ故といって、さる山ふところの緑地に二人を連れてゆく。そこで二人は、身分の高い人々の亡霊たちが集まっているのを見た。

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ダンテとヴィルジリオが煉獄山の台地を上ってゆくと、大勢の亡霊と出会う。彼らは、臨終に際してからくも悔悛した者たちの霊なのであった。彼らは、ダンテが亡霊とは違って、生きた人間であることを知ると、是非とも自分たちの願いをかなえたいと迫ってきた。その願いとは、生きて再び地上に戻ったなら、自分の愛する者たちを訪ねて、自分のために祈って欲しいというものだった。

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前図に引き続き、煉獄山の台地を描く。左手に小さく見えるのがダンテとヴィルジリオ。第四曲の様子を描いたものと言える。

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煉獄山の麓にいるダンテとヴィルジリオは、いよいよ山を登ることとなる。山は大きく二つの部分からなり、上層は七つの大罪に応じた罪人が悔い改めるために配置されている。その下の部分は、上層への取りつきとなっているが、これは二つの台地の層からなっている。この台地の層を上りつめると、ペテロの門があって、これをダンテらは潜って煉獄山の本体へとアクセスする。

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ダンテとヴィルジリオが汀に佇んでいると、西の水平線の彼方から何かが勢いよく近づいてくる。よく見るとそれは、地上の死者たちの霊を煉獄へ運ぶための船だった。その船は天使が操縦しているが、彼は櫂で船を漕ぐのではなく、自分の羽をはばたかせて船を進めるのだった。それ故、船はすさまじい速さで進むわけなのである。

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ヴィルジリオは小カトーの指示に従い、煉獄山の麓の海辺へとダンテを誘い、そこでダンテの顔を水で浄めさせた後、イグサの茎を抜いてダンテの腰に巻きつける。この時、二人は地獄を出て以来初めて太陽の上るところを見る。

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ダンテとヴィルジリオは、地獄を潜り抜けた後に、地球の反対側に出た。そこには煉獄の山が聳えていて、それを上ると天国に通じると言われている。二人は、この煉獄の山を上り、ついには天国へ到るべく、新たな旅を始めるのである。

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ダンテとヴィルジリオはついに地獄の最低部に下りてくる。そこは氷に封じ込められた空間で、夥しい亡霊たちがさまざまな格好のままで氷漬けにされている。その真ん中に一人の巨人が立って、亡霊たちを見張ったり、あるいは悪霊を口に咥えて責苦を与えている。その巨人こそは、あらゆる悪魔を従える大王ルチフェルだ。

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ウゴリーノはダンテらに向かって、自分が投獄中にどんなにつらい目にあったか、夢の内容に事寄せて語る。その夢のなかでのウゴリーノは、四人の子どもたちとともに飢えており、子どもたちから自分らの肉を食うようにと勧められていた。躊躇しているうちに、こどもらは一人ずつ死んでゆき、そのたびにウゴリーノは身を裂かれるような辛い思いをする。

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もつれあいながらも、他人の頭にかじりついていた男がダンテに気づいて声をかけ自分の名を名乗る。彼はピサの執政官を勤めていたが、「ピサを敵に売り渡した罪」で投獄され、獄死した。彼が死後地獄のもっとも深い部分に落されたのは、祖国への裏切りの罪によるものだったのだ。

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亡霊がダンテの問いかけに答えないので、ダンテは珍しく怒ってその亡霊の髪を引っ張った。それでも亡霊は自分の名を名乗らない。だが他の亡霊がそのものの名を告げた。その者こそは、ボッカといって、ダンテの故郷フィレンツェを裏切った男だった。

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ダンテらが氷の海を進んで行くと、ダンテがある者の頭を蹴った。蹴られた者がダンテをののしると、ダンテはその者に名を名乗れという。しかしその者は断固として名乗らない。ダンテはめずらしくイライラする。

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ダンテとヴィルジリオは、アンテオの手に助けられて、ついに地獄の底の底である第九の圏に下りてきた。ここは全宇宙の底でもある。そこで彼らはまず、夥しい数の亡者が、氷の中に閉ざされて震えているのを見る。その中の二人に、ダンテは興味を抱く。すると傍らの別の亡者が、彼らの名を教えてくれた。彼らはマンゴーナ伯アルベルティの息子たちで、互いに血を流し合って争ったかどでここに落されてきたのだった。

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ダンテらがさらに進んで行くと、これまでにみたどの巨人よりも巨大な者にあう。彼はほかの者たちとは異なり、戒めを受けてもおらず、また下半身を埋められてもいない。全身裸のままである。ギリシャ神話にでてくる勇者であり、ポセイドンとガイアの間に生まれた巨人だ。名をアンタイオス(アンテオ)という。

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ダンテらが前に進んで行くと、ずぬけて猛々しい巨人が、鎖で戒められた姿のまま、上半身を現していた。ヴィルジリオが、彼の名はエピアルテスと言い、ゼウス{ジョーヴェ}に逆らった罪で戒められ、その後地獄に落されてきたと説明する。

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井戸に突き刺さったものの中で特に目立つものがいた。創世記に出て来る巨人ニムロデ(ネムブロット)である。ニムロデは、人間界にわけのわからぬ言葉を持ち込み、それ以来人間は共通の言葉を失ったとされる。それ故、彼は罪深いとされるのだ。

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ダンテとヴィルジリオが第九の嚢の底に近づくと、なにやら塔のようなものが見えた。しかしそれは塔ではなく、おぞましい物なのだとヴィルジリオが予告する。彼らがずっと底の方へと下ってゆくと、そこは井戸の底のようになっていて、そこには下半身を埋没され、上半身だけを出した巨人たちが、底に突き刺さるように立ち並んでいたのであった。

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