ブレイクの挿絵

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第九嚢でうごめいている亡霊の中に、悪鬼に苛まれているものがあった。ダンテの知人でフィレンツェ人のカポッキオである。二体の悪鬼が、カポッキオに襲い掛かり苛んでいる。二体の悪鬼の名は、ジャンニ・スキッキとミルラ。彼らは生前の悪行により豚の姿に変えられ、地獄に落ちてきたものに襲い掛かる使命を与えられているらしい。

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ダンテは第九嚢に自分の縁者がいることに気が付き、その者に会いたがるが、ヴィルジリオに制止される。ダンテが他の者に気を取られているうちに、その者は行き過ぎてしまったし、ここにいつまでも長居するわけにはいかないと言って。

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マホメットが去った後、両腕の先を切り取られた者が現れる。彼はモスカと言って、トスカーナ人の間に不和をもたらした咎でここに落されたという。続いて自分の首を高く抱え上げた者が現れる。こちらはベルトラム・ダル・ボルニオと言って、父と子を互いに仲たがいさせた咎でここに落されてきた。

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第八の嚢では、ユリシーズとディオゲネスを包んだ炎に続いて、グイド・ダ・モンテフェルロの魂魄を包んだ炎が現れ、ダンテらに向かって言葉をかける。グイドは、ロマーニャの出身者にして、ダンテが隣のフィレンツェ人だと知り、故郷がいまどうなっているか聞かせて欲しいと頼む。それに応えてダンテは、ロマーニャ地方の街々の現在の様子を話して聞かせる。(以上第廿七曲)

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ダンテとヴィルジリオは険しい岩を登り、次の橋の閘門をわたって第八の嚢に踏みこむ。すると、嚢の地底に沿って、巨大な炎の玉が過ぎてゆくのが見える。その一つにダンテらは目を留める。その炎の玉の中には、ギリシャの英雄ユリシーズとディオゲネスが包まれていたのである。

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引き続き、蛇に襲われたブオーゾが、変身させられる。なお、三人目の亡者はプッチョだと分かったが、彼は他の二人のように変身させられることはなかった。

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フッチが立ち去った後に、その場には他の二人の亡者が残ったが、彼らに今度はトカゲと蛇が襲い掛かった。とりわけその一人に襲い掛かった蛇は、相手に絡みつき、フッチと同じように変身させてしまう。この変身させられたものは、ブオーゾと言った。

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引き続き、ブルネレスキが蛇に巻きつけられ、蛇と一体化したあとで、全く異形のものへと変わってゆく様が語られる。

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三人の亡者のうちの一人に、六本脚の蛇が巻き付き、その体を締め付けるうちに、亡者と蛇とは一体化して、まるでひとつの生き物のような観を呈する。それを見た他の二人の亡者は、驚愕の叫び声を上げる。彼らの発する言葉によって、蛇に締め上げられた亡者はブルネレスキだとわかる。(アーニエルはブルネレスキのこと)

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フッチが逃げ去った後、それを追いかけるように一体のケンタウロスが現れる。そのケンタウロスはカクスという名で、自らおかした悪行のために、他のケンタウロスの仲間からはずれて単独行動をしているのだと、ヴィルジリオが言う。

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傲岸不遜なフッチは、両手を高く上げ、指を突きだして神を侮辱する仕草をする。そこへすかさず蛇たちが呵責を加える。一匹の蛇は首に巻きつき、もう一匹が両腕に巻き付いて、彼を締め上げる。そのためフッチは貧乏ゆすりをすることもできない。

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蛇に苛まれる盗賊のうちにひときわ目を引く者がいる。よく見ていると、その盗賊は蛇のために火で焼かれて灰になるのであるが、そのたびにもとの姿に復活する。するとまた蛇のために焼かれて再び灰になり、その後また復活する。この有様が永遠に続くことで、この亡霊は永遠の責苦にさらされるのだ。地獄に来てもなお、終りのない責苦、これこそ本当の地獄なのであろう。

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これは、前の絵に続いて、第七の嚢における光景を描いたもの。蛇がいっそうリアルに描かれている分だけ、亡霊たちの苦悩の深さが伝わって来る。

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二人が声のする方向、すなわち第七の嚢へ向かってゆくと、そこにはおぞましい光景が展開していた。夥しい数の蛇が、これもまた夥しい亡霊たちに巻き付いて、かれらを責めさいなんでいる。これらの亡霊たちは、生前盗賊を働いたために、ここへ落されてきたものたちの亡霊だったのだ。その亡霊たちの、苦しむさまを見たダンテは、大いに驚く。

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彼らが頂上と思ったところは、まだ第七の嚢ではなかった。そこで更に先へ進んで行くと、はるか下の方から、不気味なうめき声のようなものが聞えてくる。これこそが、第七の嚢に落されたものどもの声なのであろう。ふたりはその声のする方向へ、更に進んで行く。

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第六の嚢から第七の嚢に通じる道は、けわしい岩場を登っていかねばならなかった。二人はその難路を、息を切らしながら登ってゆく。ヴィルジリオが音頭をとって、ときにはダンテを抱きかかえながら。

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ダンテとヴィルジリオが第六の嚢に入ると、そこにはフードをまぶかくかぶり、白い僧服を着た者たちが大勢行進していた。これらの者たちは、生前に行った偽善行為のためにここに落されてきたものたちである。彼らの服は、内側が金属でできているために、重すぎて、なかなか前へ進むことができない。そんな彼らを次々と追い抜きながら、ダンテとヴィルジリオは進んで行く。

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ダンテとヴィルジリオの二人は、悪鬼が仲間内で争っているすきに逃げ出したはよいが、彼らの逃げたことに気付いた悪鬼たちが、すぐに後を追ってきた。その気配を感じたダンテは恐怖に囚われる。さすがのヴィルジリオも、身に危険の迫るのを感じるが、ダンテを抱きかかえるようにして先を急ぎ、第六の嚢に通じる場所を通りぬける。すると悪鬼たちは、その先までは追いかけてこなかった。

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ナヴァールラ人に逃げられて怒った悪鬼たちは、大いに騒ぎだす。逃げた者を追いかけようとして、瀝青のために羽を損なったり、仲間同士で喧嘩を始めるのである。その騒ぎの中で、ダンテとヴィルジリオは第六の嚢を目指して進んで行く。

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ダンテたちは、プールに浮かんでいる一人の男の亡霊を見る。ヴィルジリオの問いに対して、ナヴァール生まれのものだと答えたその男は、生前職務の権限を悪用して汚職を行った咎で、ここに落されたのだと語る。その亡霊に向って、悪鬼たちが責苦を与えようとして身構えるが、頭目が悪鬼らを制止して、ヴィルジリオが亡霊に語りかけるのを許す。

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