ドガは、1870年代末から80年代にかけて、踊り子群像のほか、風俗画風の作品を多く手掛けるようになる。町で憂さ晴らしをする女たち、仕事ちゅうの女たち、そして湯浴みなどの日常生活の一コマを、スナップショット風に切り取った構図で描いた。「帽子店(Chez la modiste)」と題されたこの作品は、女性用の帽子店で品定めをする女たちを描いている。
「ダンスのレッスン(La Leçon de danse)」と題されたこの絵は、ダンスのレッスンの合間に一休みする少女たちを描いている。右手前の二人の少女は、脚の筋肉をほぐしたり、緊張をゆるめるために放心したりしている。画面中央で立っている少女は、和風の扇子を扇いで汗を沈めているのだろう。一方、画面の背景部分では、まさにレッスンに励んでいる少女たちが描かれている。
フェルナンド・サーカスは、1875年に結成されたサーカス。ユニークな建築物が人気を集めたという。ドガはその近代的な建築が気に入って、それを見るためにも足しげく通ったという。「フェルナンド・サーカスのララ嬢(Mademoiselle La La au cirque Fernando)」と題されたこの絵は、建築空間を表現しながら、それに女曲芸師の躍動的な姿を組み合わせたものである。
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