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サミュエル・バトラーの著作「ヒューディブラス」へのホガースの挿絵第八点目は、「ヒューディブラス、シドロフェルと従者ウェイカムを倒す(Hudibras beats Sidrophel and his Man Whacum)」と題する。挿絵第六点目で出てきた女に関心をもったヒューディブラスが、占星師のシドロフェルの所へ赴き、自分の恋が成就するかどうか占ってもらう。ところがシドロフェルは、ヒューディブラスの過去のスキャンダルを暴くなどして、かえって怒らしてしまう。

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サミュエル・バトラーの「ヒューディブラス」へのホガースの挿絵第七作目は「ヒューディブラス、スキミントンと出会う(Hudibras Encounters the Skimmington)」と題する。スキミントンとは、18世紀のイングランドやスコットランドに広く見られた風習で、主として口うるさい女房や不実な亭主をこらしめるための意味合いを持った儀式である。

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サミュエル・バトラー「ヒューディブラス」へのホガースの挿絵第六は、「苦悩のヒューディブラス( Hudibras in Tribulation)」と題する。庶民によって迫害されるヒューディブラスと従者ラルフを描いている。かれらは、暴動を起こした庶民の仲間によって、窮屈なところに閉じ込められる。その二人を、庶民があざ笑うのである。

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サミュエル・バトラー「ヒューディブラス」へのホガースの挿絵シリーズ第五作は「トルーラにやっつけられるヒューディブラス(Hudibras Vanquish'd by Trulla)」と題される。民衆の暴動を鎮圧して首謀者のタルゴを監獄に幽閉して勝利を味わったのもつかの間、ヒューディブラスは手痛い反撃を受ける。暴動に加わっていた女房トルーラが、仲間を伴ってヒューディブラスに襲い掛かり、さんざんやっつけるのである。

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サミュエル・バトラー「ヒューディブラス」へのホガースの挿絵四点目は、「勝ち誇るヒューディブラス(Hudibras Triumphant)」と題され、暴動を鎮圧して勝利したヒューディブラスの得意げな表情を描く。

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ウィリアム・ホガースの「ヒューディブラス」への挿絵シリーズ第三作は「ヒューディブラスの最初の冒険( Hudibras's First Adventure)」と題する。冒険とは、ヒューディブラスが、地方で騒ぎを引き起こした暴徒たちに対峙することとなり、かれらの首領を倒して、暴動の鎮圧に一役果たそうとしたことをいう。

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「サー・ヒューディブラス 移ろいゆく価値(Sr. Hudibras, his passing Worth)と題したこの版画は、「ヒューディブラス」シリーズ12点のうちの第2点目の作品。ヒューディブラスの、聖十字軍というべき遍歴への出発をモチーフにしている。トランペットが鳴り響く中、ヒューディブラスが従者ラルフを従えて、十字軍の遍歴へと旅立つシーンをイメージしたものだが、サミュエル・バトラーの原作にはそのような記述はないので、これはホガース自身のアイデアだとされている。

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ウィリアム・ホガースの版画作家としての最初の本格的な作品は、サミュエル・バトラーの風刺詩「ヒューディブラス」への挿絵である。この風刺詩が出版されたのは1662年、ホガースがそれに挿絵を加えたのは1725年のことであるから、重版に挿絵をつけたということになり、したがってこの風刺詩が長い間ベストセラーであったことを物語っている。ベストセラーに挿絵をつけるのであるから、ホガースとしては、成功のチャンスだと受け取る理由があったわけである。

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「花咲くあんずの木(L'Amandier en fleur)」と題されたこの絵は、ボナールの絶筆といわれる作品。ボナールがル・カネの家で死んだのは1947年1月23日だが、その数日前に、甥のシャルルに命じて、画面の左下の緑の草を黄色に塗り替えさせたという。

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「サーカスの馬(Le cheval de cirque)」と題されたこの作品は、完成したのは1945年だが、1936年ごろに制作に取り掛かったというから、実に十年をかけたわけである。おそらく当初の作品に満足できず、大幅に描き変えたのだろうと思われる。この絵には、晩年のボナールの雰囲気がよく出ているからである。

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ボナールの晩年の風景画は、次第に抽象的になっていく。そのことは前にも指摘したが、「コート・ダジュールの風景(Paysage de la Côte d'Azur)」と題されたこの絵は、抽象化の度合いが一段進んだもの。コートダジュールの海は青一色で表現され、前景の樹木群は、それぞれ色の塊として表現されている。そこに調和が指摘できるとすれば、それは青とグリーンを主体にして、寒色系でまとめられていることであろう。

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最晩年のボナールは、果物をモチーフにした静物画を多く手掛けた。いづれも鮮やかな色彩が持ち味である。果物は、バスケットや皿にもられており、それ自体をむき出しにさらけだすようなことはない。「果物籠と皿(Corbeille et assiette de fruits sur la nappe à carreaux rouges)」と題されたこの絵は、ボナール最晩年の静物画を代表するものである。

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ボナール晩年の絵画、とくに風景画は次第に抽象的になっていった。具象的な形にとらわれず、それらしく見えればよいといった姿勢が見て取れるようになる。「庭(Le jardin)」と題したこの絵は、そうした抽象的な風景画の代表的なもの。

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「田舎の食堂(La Salle à manger à la campagne)」と題されたこの絵は、1930年の作品「庭に面した食堂」と同じ場面を、やや視線を下げて描いたものである。前作から5年後のものだ。とはいえ、屋外の景色がかなり変わっており、またマルタの位置が左手から右手に入違っている。画面も縦長から横長になっている。

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「庭に面した食堂(La Salle à manger sur le jardin)」と題されたこの絵も、ル・カネの家の室内から屋外の庭園を見下ろした構図。例によって、室内の様子も丁寧に描かれている。手前のテーブルには、食事の支度がなされているが、これが朝食であることは、この絵の別名が「朝食の部屋(Salle du déjeuner)」であることから明らかである。

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「犬のいる扉窓(La Porte-fenêtre au chien )」と題されたこの絵も、ル・カネの家の室内の眺めである。室内から扉窓ごしに屋外を臨んだ構図。扉は半開きになっており、その傍らに犬がいる。犬は台のようなものに乗っているが、それが何かは、よくわからない。例によってフォルムが明確でないからだ。

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ボナールは1912年に、南仏カンヌの郊外「ル・カネ」に家を買い、1947年に死ぬまでそこに住んだ。カンヌ湾から二キロほど奥まったところにあり、遠くに海を一望できた。その美しい眺めをボナールは愛し、たびたびそれをモチーフにした絵を制作した。「窓(Fenêtre)」と題されたこの絵は、ル・カネでの制作の最も早い時期のものである。

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ボナールは1912年に南仏のヴェルノンに小さな家を買って以来、そこをアトリエ代わりにして多くの作品を手掛けた。その大部分は、内妻のマルトをモデルに、周囲の美しい自然を描いたものだ。「ヴェルノンのテラスのマルト(Marthe sur la terrasse à Vernon)」と題されたこの絵もその一つ。

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ボナールは、1909年以来毎年南仏を訪れ、明るい日の光を浴びた風景を描き続けた。「コート・ダジュール(Côte d'Azur)」と題されたこの絵は、そうしたものの一つ。南仏の海岸「コート・ダジュール」の風景をモチーフにしている。

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「いちごの皿(Assiette de fraises)」と題されたこの絵も、ボナール壮年期の静物画を代表する作品の一つ。皿の上に無造作に盛られたいちごの塊をモチーフにしている。構図が単純なだけに、色彩への配慮が行き届いている。

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