「カーニバルの夕べ(Un soir de carnival)」と題したこの作品は、現存するルソーの作品のうちもっとも古いものである。ルソーはこれを1886年の第二回アンデパンダン展に出品した。ルソーの画家としてのデビューは、その前年1885年のサロンへの応募だったのだが、これは落選となって公衆の目に触れることはなかった。その同じ年(1885年)に始まったアンデパンダン展は、会費さえ払えば誰でも出展できたので、これが公衆の目に触れたルソーの初めての作品になったわけだ。もっともその時には、全くといってよいほど反響はなかった。日曜画家の殴り書きと受け取られたのである。
「画家のアトリエ(L'Atelier du peintre)」は、「オルナンの埋葬」と並んでクールベの最高傑作というべき作品。かれはこれを、1855年のパリ万博に出展したいと思ったが、拒絶されたので、当時彼のパトロンであった画商のブリュイアスの協力を得て、万博会場近くに独自のパヴィリオンをたて、そこで個展を催したのであった。これは、絵画史上初の個展といわれている。
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