最近アメリカはロシアに対して厳しい制裁をかけているが、トランプはプーチンとの個人的友好関係の維持に熱心なようだ。3月20日には、ホットラインを通じてプーチンと親しく対談し、その中で、なるべく早くプーチンをホワイトハウスに招待したいと言った。プーチンもそれに応えて、トランプをクレムリンに招待したいと言ったそうだ(RIAノーヴォスチ通信による)。
世界情勢を読む
習近平政権が中国憲法を改正して国家主席の任期を無期限としたことに対して、アメリカのトランプ大統領が早速エールを送って祝福した。これで習近平は中国の終身支配者になることができて、おめでとうというわけだ。そのエールの言葉は例によってツイッターでつぶやかれたが、それはトランプの本音だろうと多くの人が思っている。
大統領選を直近に控えたプーチンが、自国民と世界向けの演説を行い、その中で軍事力の強化を訴えた。その主な内容は、欧米のディフェンス・システムを突破する能力を持つ核弾道ミサイルの開発に注力するというものだ。このミサイルはアメリカからの迎撃をかわして、世界中の標的を確実に攻撃できる。また、ロシアに対しては無論、ロシアの同盟国への攻撃には、ロシアは断固として反撃する。世界中の国々、とくにアメリカはロシアのこの決意を厳粛に受けとめた方が良い。プーチンはそう言って、ロシアの軍事力の充実を誇った。
トランプ登場の陰にはアメリカの福音主義者たちの圧倒的な支持がある。福音主義者というのは聖書に書いてあることこそが真実であり、それに反することは虚偽であると主張するばかりか、本気でそう信じている人たちである。アメリカ人の四分の一がこうした福音主義者であるとされるが、社会が安定している時にはあまり政治化することはない。ところが社会が不安定になったり、人々の不満が高まったりすると、一気に政治化する。その政治化の動きがトランプ登場の大きな引き金となったわけだ。
トランプ政権が「フェイクニュース賞」なるものを発表した。一位は日ごろトランプを舌鋒鋭く批判している経済学者のポール・クルーグマンで、彼にコラムを提供しているニューヨークタイムズ始め、トランプに批判的な報道をしているメディアが顔をそろえた。「安定した天才」を自負する大統領からこのような賞をもらった人々はどのような気持ちだろうか。
韓国の主導で南北会談が催され、両国の融和ムードが演出される中で、アメリカのトランプ大統領はこれを歓迎するかのような反応を見せているが、アメリカ国内にはこの動きを苦々しく見ている者が多いようだ。彼らに共通しているのは、この融和によって北朝鮮への圧力に向けた国際的な包囲網が崩れ、その結果北朝鮮に核ミサイル開発への時間的な余裕を与えることで、アメリカの安全保障が著しく損なわれる恐れだ。彼らはこの恐れを理由にして、北朝鮮がアメリカを標的にした核ミサイルを完成させる前に、北を先制攻撃すべきだと主張している。ニューズウィークの日本版に寄せられたエドワード・ルトワック署名の記事などはその代表的なものだ。
先日FOXニュースのブライトバート化について言及したが、ブライトバート化することによってFOXニュースは、なりふりかまわずトランプを擁護しているとの印象が強まっているのは事実のようだ。そればかりではない、FOXニュースのおかげでトランプは、政治的な危機を幾分やわらげられてもいる。もしFOXニュースが大々的にトランプを擁護しなかったら、トランプは今頃倒れていただろう。そこが同じ大統領のスキャンダルでもニクソンとは違う事情が働いている。言葉を換えれば、もしニクソンの時代にFOXニュースのようなものがあったら、ニクソンは生き延びたかもしれない。
FOXニュースといえばもともと保守的なスタンスをとっていて、オバマ時代には政権に対して批判的だったが、トランプが政権をとるや、俄然トランプ寄りの姿勢を明確にしてきた。トランプの方では、CNNなど自分に批判的なメディアに対しては「フェイク・ニュース」と言って攻撃する一方、FOXニュースについては親和的な態度を示し、ニュースソースも優先的に提供しているといった具合で、蜜月状態が生じている。最近ではその蜜月状態が、腐れ縁のべったり関係にまで昇華し、とくにデジタル部門を中心に、トランプさまさまの報道を垂れ流している。そのさまが、あのブライトバートも顔負けだというので、FOXニュースのブライトバート化が方々で云々されるようになっているらしい。
メキシコでは、ギャングのボスが警官の首に懸賞金をかけたというので、ちょっとした騒ぎになっているという。懸賞主はメキシコの有力な麻薬マフィア、ハリスコ新世代カルテルのボス、ヴァルデスだ。ヴァルデスは、地元警察の幹部カペラの首に100.000ペソ(約5.000ドル)の懸賞金をかけたそうだ。メキシコでは、私的な恨みを晴らすために懸賞金をかけることがよくあり、その懸賞金は有効に使われるケースが多いそうだから、今回も懸賞金をかけられたカペラの首はほぼ間違いなくはねられるだろうともっぱらの噂だ。
米上院のアラバマにおける補欠選挙で、民主党の候補者ダグ・ジョーンズが共和党のロイ・ムーアを破り、民主党に四半世紀ぶりに上院の議席をもたらした。アラバマと言えば、先の大統領選において、トランプがヒラリーに28ポイントの差を付け、圧倒的な勝利を収めた州であり、アメリカの中でも最も共和党の基盤が強いと言われる。そこで民主党が勝ったことの意味は大きい。というより共和党の負けた意味は大きいと言うべきだろう。というのもこの選挙は、共和党のオウンゴールのようなものだったからだ。
膨大な数の犠牲者を出したラス・ヴェガスの銃乱射事件が、アメリカにおける銃規制のあり方についての議論を活発化させたが、どうやら今回も尻切れトンボの幕切れとなって、銃規制が本格的に進む見込みはないようだ。何しろ今回の事件は、今年に入って以来複数の死者を出したマス・シューティングとしては273番目の事件だというのに、ということは毎日のようにアメリカのどこかで銃乱射事件が起きていると言うのに、それを規制しようという議論が一向に本格化しないのは、我々日本人の目には異様に見える。
あたりかまわず気に入らない連中と衝突を繰り返しているトランプが、今度はスポーツ選手と深刻な対立を起こしているというので、芸能ネタとしてはちょっとした話題になっているようだ。きっかけはいつもの通りツイッターでの発言。最近彼が観戦したNFLの試合で、一部選手がNational Anthemの際にKneelingをしているのはけしからん、そんな奴は首にしてしまえと書いたところ、NFL はおろかスポーツ界の有力選手から次々とブーイングが沸き起こったというのだ。
平昌オリンピックの開催が近づいているが、朝鮮半島情勢が俄かにきな臭くなったことを受けて、参加をためらう国が出てきた。フランス、オーストリアが、このままでは不参加の可能性が高いことを示唆し、ドイツも参加の可否を検討するといっている。今後もこうした動きに追随する動きが広がることが予想される。場合によっては、開催国の韓国自体が、開催をあきらめることもありうるといった異常事態だ。
昨夜(日本時間の9月21日)、トランプが初の国連演説のなかで金正恩を「ロケットマン」と揶揄したことに対して、ニューヨーク入りした北朝鮮の大使が反撃し、そのトランプを「吠える犬」だと罵倒した。この様子を取り上げたNHKの報道番組(ニュースウォッチ9)は、さっそく犬を抱いたトランプを画面に登場させて、「ワンワン」と鳴かせてみたものだ。これにはさすがの筆者も驚いた。NHKはちょっとやりすぎではないのかと。これでは安倍政権のこわい人たちから大目玉を食っても仕方がない。
ドナルド・トランプが初の国連演説で北朝鮮を激しく攻撃し、完全破壊を辞さないと述べたことで世界を震撼させた。北朝鮮を完全に破壊するとは、どういうことか。2400万の北朝鮮人を皆殺しにすることだろうか。多くの人がそう危惧したと思う。アメリカは1600発以上の核弾道を持っていると言われるから、それらをすべて北朝鮮に打ち込めば、たしかに北朝鮮は人っ子一人生き残らない焦土と化し、完全破壊されると思う。またトランプならそれをやりかねないと思っている人が多いだろう。
アメリカの歴史をテーマに数々のドキュメンタリー映画を作成してきたケン・バーンズが、ベトナム戦争をテーマにした長編のドキュメンタリー映画「ベトナム」を制作した。その公開に先立って、試写会がワシントンのケネディ・センター・オペラ・ハウスで催され、ジョン・マケインやジョン・ケリーといった、ベトナム・ヴェテランの政治家も参加した。
アメリカにとって今年は巨大ハリケーンの当たり年だ。すでにハーヴィーがテクサスに甚大な被害を及ぼし、イルマがフロリダを直撃した。フロリダには、ドナルド・トランプをはじめ、地球温暖化を拒絶する大物たちの別荘が集まっている。そこで彼らは、自分の別荘に影響を及ぼしているハリケーンが、地球温暖化の影響によるものだとの言説が広がることに憂慮を示している。ハリケーンが、地球温暖化の影響だとしたら、日ごろの自分たちの主張にとって、非常に都合が悪いからだ。
アウン・サン・スーチーからノーベル平和賞のはく奪を求める運動が、国際的な広がりを見せているそうだ。英紙ガーディアンの記事によれば、アウン・サン・スーチーからノーベル平和賞のはく奪を求める陳情活動が、ノーベル賞財団に向けて為されている。その理由は、ノーベル賞財団は、自らが付与した平和賞に、受賞した人間が値し続けているかどうか、確認する責任がある。そして、当該の人物が、受賞の意義を著しく逸脱した場合には、それを取り消す必要がある。アウン・サン・スーチーの場合には、まさにこの取り消し事由に該当する。何故なら彼女は、ロヒンギャの人々を相手に行われている虐待に目をつぶっているばかりか、政府軍への攻撃を理由に、ロヒンギャ全体があたかもテロリストの集団であるかのようなことを言っている、というのである。
上のイラストは、ジャパンタイムズのWEB版から引用した。現在の米朝関係の特徴をよくあらわしている。トランプのほうでは、腰の二丁拳銃に両手をかけながら、相手に向かって、「武器を捨てろ、もう一度言う、武器を捨てろ」と叫び、言われた金正恩のほうは、ソウルに原爆を落とすふりをしている。
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