世界情勢を読む

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あたりかまわず気に入らない連中と衝突を繰り返しているトランプが、今度はスポーツ選手と深刻な対立を起こしているというので、芸能ネタとしてはちょっとした話題になっているようだ。きっかけはいつもの通りツイッターでの発言。最近彼が観戦したNFLの試合で、一部選手がNational Anthemの際にKneelingをしているのはけしからん、そんな奴は首にしてしまえと書いたところ、NFL はおろかスポーツ界の有力選手から次々とブーイングが沸き起こったというのだ。

平昌オリンピックの開催が近づいているが、朝鮮半島情勢が俄かにきな臭くなったことを受けて、参加をためらう国が出てきた。フランス、オーストリアが、このままでは不参加の可能性が高いことを示唆し、ドイツも参加の可否を検討するといっている。今後もこうした動きに追随する動きが広がることが予想される。場合によっては、開催国の韓国自体が、開催をあきらめることもありうるといった異常事態だ。

昨夜(日本時間の9月21日)、トランプが初の国連演説のなかで金正恩を「ロケットマン」と揶揄したことに対して、ニューヨーク入りした北朝鮮の大使が反撃し、そのトランプを「吠える犬」だと罵倒した。この様子を取り上げたNHKの報道番組(ニュースウォッチ9)は、さっそく犬を抱いたトランプを画面に登場させて、「ワンワン」と鳴かせてみたものだ。これにはさすがの筆者も驚いた。NHKはちょっとやりすぎではないのかと。これでは安倍政権のこわい人たちから大目玉を食っても仕方がない。

ドナルド・トランプが初の国連演説で北朝鮮を激しく攻撃し、完全破壊を辞さないと述べたことで世界を震撼させた。北朝鮮を完全に破壊するとは、どういうことか。2400万の北朝鮮人を皆殺しにすることだろうか。多くの人がそう危惧したと思う。アメリカは1600発以上の核弾道を持っていると言われるから、それらをすべて北朝鮮に打ち込めば、たしかに北朝鮮は人っ子一人生き残らない焦土と化し、完全破壊されると思う。またトランプならそれをやりかねないと思っている人が多いだろう。

アメリカの歴史をテーマに数々のドキュメンタリー映画を作成してきたケン・バーンズが、ベトナム戦争をテーマにした長編のドキュメンタリー映画「ベトナム」を制作した。その公開に先立って、試写会がワシントンのケネディ・センター・オペラ・ハウスで催され、ジョン・マケインやジョン・ケリーといった、ベトナム・ヴェテランの政治家も参加した。

アメリカにとって今年は巨大ハリケーンの当たり年だ。すでにハーヴィーがテクサスに甚大な被害を及ぼし、イルマがフロリダを直撃した。フロリダには、ドナルド・トランプをはじめ、地球温暖化を拒絶する大物たちの別荘が集まっている。そこで彼らは、自分の別荘に影響を及ぼしているハリケーンが、地球温暖化の影響によるものだとの言説が広がることに憂慮を示している。ハリケーンが、地球温暖化の影響だとしたら、日ごろの自分たちの主張にとって、非常に都合が悪いからだ。

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アウン・サン・スーチーからノーベル平和賞のはく奪を求める運動が、国際的な広がりを見せているそうだ。英紙ガーディアンの記事によれば、アウン・サン・スーチーからノーベル平和賞のはく奪を求める陳情活動が、ノーベル賞財団に向けて為されている。その理由は、ノーベル賞財団は、自らが付与した平和賞に、受賞した人間が値し続けているかどうか、確認する責任がある。そして、当該の人物が、受賞の意義を著しく逸脱した場合には、それを取り消す必要がある。アウン・サン・スーチーの場合には、まさにこの取り消し事由に該当する。何故なら彼女は、ロヒンギャの人々を相手に行われている虐待に目をつぶっているばかりか、政府軍への攻撃を理由に、ロヒンギャ全体があたかもテロリストの集団であるかのようなことを言っている、というのである。

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上のイラストは、ジャパンタイムズのWEB版から引用した。現在の米朝関係の特徴をよくあらわしている。トランプのほうでは、腰の二丁拳銃に両手をかけながら、相手に向かって、「武器を捨てろ、もう一度言う、武器を捨てろ」と叫び、言われた金正恩のほうは、ソウルに原爆を落とすふりをしている。

トランプが、アリゾナの元保安官で刑事訴追を受けていたアルパイオを恩赦したことについて、ポール・クルーグマン教授は、ニューヨークタイムズのコラムの中で、これはアメリカ流ファシズムの始まりだと批判している。アルパイオのやった行為が、メキシコからの移民を不当に拘束し、彼らをコンセントレーションキャンプ(アルパイオ自身の言葉)へぶち込み、そこで拷問まがいのことをやったことからすれば、その行為の残虐性はナチスの強制収容所と大差ないし、ファシズムと言ってもよい。それを大統領のトランプ自ら礼賛し、法の支配の原則を無視して、アルパイオに恩赦を与えたわけだから、クルーグマンの危惧も一理あると言えよう。

一昨日(8月22日)アリゾナ州フェニックスで行われたトランプ派の集会で、トランプが今まで以上の情熱を込めて吠えまくった。その吠えぶりが、アメリカ大統領に期待される威厳をあまりにも逸脱しているばかりか、狂気じみてもいたので、共和党の議員たちの中にも、トランプをマッドマンと受け止める人が続出しているらしい。

日本の安倍政権が、教育勅語を学校教育に復活させることに前向きだが、いまのところあまり成果は上がっていないようだ。例のスキャンダルが逆風になって、教育勅語を使って遮二無二国民教導を推進しようとする姿勢が胡散臭い目で見られているからだろう。

大物の評判を伴って鳴り物入りでホワイトハウス入りしたスカラムッチが、さっそく物議を醸している。それを見ると、大物という感じは伝わってこない。むしろどこにでもいるチンピラを思わせる。もっともそのチンピラぶりが、彼のボスであるトランプの悪党ぶりと釣りあって見えるから、今のアメリカがいかにすさまじい状況になっているか、わかろうというものだ。

林望は、2012年1月に朝日新聞の北京特派員として赴任し、以後四年半中国を見続けてきた。その間に林が見た中国とは、習近平が権力基盤を固め、彼の強力な指導の下で、中国が国力を高めてきた時期にあたる。そうした中国を林は、「習近平の中国」と呼ぶわけだ。

先日、トランプ政権の閣議が公開されたが、その様子があまりにも異様だったので、世界中が驚かされた。というのも、閣僚たちが次々とトランプ大統領に向かって最大限の賛辞を捧げたその様子が、皇帝に対する臣下の忠誠のように見えたからだ。いまどき臣下が皇帝に忠誠を誓う国と言えば、先進国の間ではどこにもない。だから先進国のメディアは、この様子をこぞって、おもしろおかしく報道した。中には、トランプ政権を中国の習近平政権に譬え、どちらも皇帝への個人崇拝を皇帝自らが強要しているとして、その異常さを比較しているものもある。英紙 Guardian の記事はその代表的なものだ。後日の参考のために、引用しておきたい。

イギリスで総選挙が行われ、事前の予測に反して、メイ首相率いる保守党が敗退した。敗退というのは、これまで単独で過半数を占めていたものが、過半数を割り込んだという意味だ。メイ首相が、単独過半数という財産を犠牲にしてまで、まだ三年も任期を残している下院を解散した理由は、自分自身選挙の洗礼を受けておらず、その点で正統性に疑問を投げられていることについて、選挙で過半数を取ることで、その正統性を得たいという思惑があったからであり、また、その選挙に勝つ自信があったということだった。ところが、そうした見込みに反して、メイ首相の保守党は過半数を割ることとなり、彼女の政権基盤は一層不安定になった。そのことで、彼女はわざわざやらなくてもすんだことをやって、自分の墓穴を掘ったとあざけられる始末だ。

トランプがロシアのラブラフ外相らとホワイトハウスで会談した際に、ISにかかわる機密情報を漏らしたというので大きな騒ぎになっている。例によってオルタナ・ファクトが好きな側近たちが懸命にその事実を否定して、火消しにつとめているが、当の本人がそれを認めている。しかも誇らしげにだ。自分には、非常に貴重な情報が日々入ってくる、その情報をロシアの友人たちと共有したいというのだ。

トランプがFBIのトミー長官を解任したというので、ちょっとした波紋を巻き起こしているようだ。解任というと聞こえはいいが、要するに強引にクビにしたということだ。しかもその理由にいかがわしいものがある。トランプは、もっともらしい理屈を弄しているが、真の動機はFBIの操作妨害にあるとささやかれている。つまり、トランプのロシアスキャンダルを、FBIが追跡する動きを強めていることに対して、危機感を覚えたトランプが、長官の首をすげ替えることで、捜査の動きを骨抜きにしようと企んだ、というわけである。

フランスの大統領選は、マクロンがル・ペンに勝利した。この結果を、ヨーロッパで吹き荒れていた反EUの動きにブレーキがかかったと見るか、あるいはフランス人が極右政党へ権力をゆだねることを拒んだと見るか。いづれの見方をするにせよ、マクロンの圧倒的な勝利とはいえないという点では、一致するのではないか。筆者が見るにはこの選挙結果は、EUへの信認投票というよりは、極右のル・ペンに権力を渡すことの危険性に、フランス人がノーを突きつけたということではないか。

金正恩の挑発的な態度に頭に来たトランプが、もし金正恩が核実験をしたら許さない、その場合にはアメリカは北朝鮮に対して先制攻撃も辞さない、と言って、空母カールビンソンを旗艦とする海上攻撃部隊を北朝鮮に向かわせた、と発言したことで、世界中が大騒ぎになった。ところが、カールビンソンは北朝鮮に向かっていたのではなく、シンガポールを出航した後インド洋に向かい、そこでのんびり油を売っていることがわかった。それでまた世界中が大騒ぎになっている。いったい、どうなってるんだ、と。

どの国にも一つや二つ不都合な真実というべきものがある。フランスの場合、その最たるものは"Vel d'Hiv"だろう。これは第二次大戦中にフランスで起きたユダヤ人狩りの中でもっとも大規模なものだ。1942年の7月に、パリにある屋内競技場に13000人のユダヤ人が集められ、ナチスの強制収容所に送られた。そのほとんどは殺された。その内訳は、女性が約5900人、子どもが約4100人、男性が約3100人だった。

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