世界情勢を読む

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シリアで8月21日に使われた毒ガスについて調査していた国連の専門機関は、これをサリンだったと断定した。サリンは非常に高い殺傷能力を持つことから、化学兵器禁止条約によって製造・保有が禁止されている。今回の調査では、誰が使用したかまでは判明しなかったが、もし使用者が判明すれば、そのものは明らかな戦争犯罪者ということになる。

オバマ大統領がシリアのアサド政権に対する制裁について振り上げたこぶしを一旦ひっこめ、アサド政権が保有する化学兵器を国連の全面的管理下に置くというロシアの提案を受け入れたことについて、賛否様々な意見が世界を巡っている。一方では、オバマ大統領がプーチンの提案を受け入れたことを評して、オバマはプーチンにシテやられたのだと、否定的に突き放した見方をする者がいるかと思えば、オバマは無用な軍事行動路線を引っ込めて外交的な解決を優先させたのであるから、むしろ褒めてやるべきだとする見方もある。

今日(9月16日)付朝日の朝刊が「豪、米戦略の最前線」という見出しで、米豪両軍の共同軍事演習の模様を伝えている。オーストラリア東海岸の無人島タウンズエンド島を舞台にした訓練で、オーストラリアの一部が仮想敵国カマリアに侵略されたという想定で、カマリア軍の撃退と航行の自由を目指した活動を展開するのだという。

「毛沢東の大飢饉(Mao's Great Famine)」で知られるオランダ生まれの中国革命研究者フランク・ディケッター(Frank Dikötter)が、中国革命研究の第二弾「解放の悲劇(The Tragedy of Liberation)」を刊行した。筆者はまだ読んでいないが、Economist の書評によれば、中々の力作で、中国革命について有益な情報が得られるようだ。

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今年のG20はロシアのペテルスブルグで開かれた。ホスト役のプーチンにとって最大の懸案はシリア問題、ということで、アメリカが表明しているシリアへの軍事制裁を巡って激しいやりとりが行われた。その結果何かが決まったかと言うと、何も決まらなかった。対立が明確化したというだけだ。

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ロシアでは今年の6月にアナクロニスティックな法律「同性愛取締法」が成立したところだが、その後、法律は想定していた以上の社会的効果をあげ始めているようだ。同性愛に敵対する民間団体による同性愛者への迫害が全国的なレベルで起きているのだ。今やロシアでは、同性愛者であることは、命にかかわることになりつつあるらしい。

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イギリス下院がキャメロン首相の提出したシリア介入案を否決したという報道を聞いて、聊か考えさせられた。首相の提案が否決されたということは、与党側のかなりな数の議員が反対票を投じたということだ。日頃からイギリスの政党は党議拘束が厳しいのだろうと勝手に思っていた筆者などは、イギリスの政党が意外と議員の自主性を重んじていることに感心させられたのだった。

先日シリアでおきたとされる毒ガス攻撃について、アメリカはこれをアサド政権の仕業だと断定して、懲罰的な軍事制裁を加える姿勢を強めている。これには当初イギリス、フランスの両政府も同調し、仮に国連安保理事会の決議なしでも、攻撃は可能だと息巻いていた。しかしその後、イギリスでは、下院がシリア攻撃を否認したため、キャメロン首相は俄にトーンを落とした。またフランスも国民の反対を考慮せざるをえなくなりつつある。当のアメリカにしても、シリア攻撃を支持する世論は9パーセントしかないという報道もある。要するに、アメリカのシリア攻撃については、国際世論からも、国内世論からも強力な支持が期待できない状況に陥っている。

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上の絵は、たったいま官憲から押収されたもの。サンクト・ペテルブルグの美術館に展示されていたもので、作者はロシア人画家のコンスタンチン・アルトゥニン氏。ご覧のとおり、プーチンとメドヴェージェフと思われる人物が、女性用の下着を着て並んで立っている絵だ。二人とも表情は男のままのいかつさだが、それが女性らしい装いとミスマッチを引き起こして、何ともユーモラスな効果を演出している。

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東京のコリアンタウン新大久保などで、在日韓国・朝鮮人に対して日本のレーシスト団体が行っているヘイトスピーチが問題になっているが、同じような現象はドイツでも起きているようだ。ただ、あちらの方は旧植民地からの在留民ではなく、国内に流入して来る難民を対象にしたものらしい。

エジプトでは、クーデター暫定政権がクーデターに反対する勢力を武力制圧する一方、2011年のエジプト革命によって権力から追放されたムバラク前大統領を、釈放する方針だと伝えられた。ムバラクはいくつかの容疑によって訴追されていたが、彼を訴追していた政治勢力がいなくなったわけだから、釈放するのは当たり前という論理なのだろう。

先日、TIME誌の記者がカイロの虐殺事件を取材中、地元の自警団から取材妨害を受けたことについて、このブログでも紹介したところだが、日本の朝日新聞の記者も、同じような妨害を受けたということだ。(8月19日朝刊記事)

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「気違いに刃物」という言葉がある。凶暴な人間に武器を持たせたらとんでもないことになるという意味だ。しかし、人殺しに権力を持たせるともっとひどいことになる。刃物なら影響の範囲は限定されるが、権力は無限定に悲惨な影響を及ぼす。いまのエジプトがまさにそうした事態にある。権力を手にした人殺したちが、その権力を振りかざして、同国人を殺しまくっている。

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今回のカイロにおけるモルシ支持派への攻撃には、クーデター政権の武装部隊と並んで反モルシ派の民間人が広汎に参加したと見られる。彼らは自警団を組織したうえで、クーデター政権と結託して「人民委員会」と自称し、モルシ派のデモ隊への攻撃に加わったようだ。

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軍隊が国民を殺すのだから虐殺としかいいようがない。いま、エジプトで起きている事態だ。26日夜から27日未明にかけては、カイロやアレクサンドリアなど各地で、親モルシ派のデモに軍隊が襲い掛かり、70名もの人々が殺された。これで、7月3日に起きたクーデター以来、軍隊に殺された人の数は、数百人に達したとされる。

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先日材木泥棒の容疑で懲役5年の実刑判決を食らったアレクセイ・ナヴァーリヌィ(Алексей Навальный)が、一夜明けた翌日、前日判決を受けた同じ法廷で、釈放の決定を言い渡された。しかも、前日有罪を主張した同じ検事が裁判官に対して釈放の請求を行ったというから、世の中のゴシップ好きを大いに驚かせた。いったいどうなってんの、というわけだ。かくいう筆者も、これには驚かされた一人だ。

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英国王室のウィリアム王子とキャサリン夫人との間に生まれたローヤルベビーの名前がジョージと決まった。エリザベス女王の父君で、先代の英国王ジョージ6世にちなんだとも伝えられている。ところで、歴代の英国王の名前は、ジョージの外ヘンリー、エドワード、リチャードといった少数の名前に集中する傾向がある。それはどういうわけか。

モーター・シティと言われ、かつてはビッグスリーが本拠を置いていた米中西部の大都市デトロイトが、財政破たんから、連邦破産法9条の適用を申請した。負債総額は180億ドル(日本円で約1兆8000億円)に達し、自治体の破産としては過去最大規模になる。

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ブログでプーチンのロシアを批判し続け、反プーチン・デモの先頭にも立ってきたアレクセイ・ナヴァーリヌィ(Алексей Навальный)への判決が下った。訴追そのものは、反プーチン・デモに対するものではなく、経済犯罪とされるものだが、この犯罪なるものについて、ナヴァーリヌィは材木の取引に関して国有企業に不利な契約を結ばせ、損害を与えたとして、懲役5年の実刑判決が言い渡されたのだ。

筆者は法律の専門家ではないが、それでもコモン・ロー(Common Law)とシビル・ロー(Civil Law)の区別くらいはつく。簡単にいえば、コモン・ローはイギリスの法システムを現す概念で、シビル・ローはヨーロッパ大陸系の法システムを現す概念だということだ。世界的な視野からすれば、シビル・ローが優勢で、イギリスのほか、カナダやオーストラリアなどイギリスの文化の影響を強く受けた国以外には、殆どの国がシビル・ローを採用している。日本ももちろんそうだ。

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