世界情勢を読む

「11月8日の大統領選の結果敗北した者は、誰であれ翌日中にアメリカを立ち去って二度と戻ってこないよう求める」という内容の大統領令に、オバマ米大統領が署名したそうだ。理由は、今回の大統領選によって生じた国民の間の分裂を、すこしでもやわらげたいということらしい。ともあれ前代未聞のことなので、この情報に接した時、筆者は悪い冗談ではないかと思ったほどだが、どうやら冗談ではないらしい。

Swamp of Crazy

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最近バラク・オバマの言動が過激になっている。先日はプーチンを罵って「お前は間抜けなロバだ」とか「くされちんぽ」だとか、普通なら聞くに耐えない言葉を発したが、今度はドナルド・トランプをさして、「Swamp of Crazy(きちがい沼)からやってきた」と罵った。

プミポン後のタイ

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タイの国民統合のシンボルとして絶大な影響力を持ちつづけて来たプミポン国王が死んだ。普通なら憲法の規定にしたがって速やかに王位継承の儀となるところだが、その王位継承が当分延期されることとなった。軍事政権の説明では、ヴァジラロンコン皇太子から、当分は喪に服したいので王位継承を延期したいとの申し出があったとされているが、その真偽を巡っては様々な憶測が流れているようだ。日本のメディアではそれを取り上げるものがないので、主に欧米系のメディアを通じて知るほかはないが、ここではそんな憶説の幾分かについて取り上げてみたい。

テレサ・メイの国家主義的傾向

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EU離脱問題の混乱がきっかけでキャメロンの後継者に収まったテレサ・メイ(写真、Economist から)だが、その政治的スタンスはいまひとつ明確ではなかった。その彼女が10月5日の保守党大会で、自分の政治スタンスを明らかにした。それは一言で言うと国家中心主義ともいえるようなものだ。

Alt-Right:新しい右翼運動

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Alt-Rightの Alt は Alternative の略だ。だから Alt-Right とは、もう一つの選択肢としての右翼、新しい右翼運動とでもいったらよいのだろう。アメリカではこの右翼が最近すさまじい勢いで台頭し、ドナルド・トランプを支持しているという。トランプの破竹の勢いの影には、彼らの運動が多分に影響しているらしい。

権力に立ち向かう少女

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写真(ロイターから)の男女が見つめ合っているように見えるのは、互いに愛し合っているからではない。そうではなく睨み合っているのだ。1973年にチリで起きた軍事クーデターに抗議する集会が先日サンティアゴで催されたが、これはその折に目撃された光景。抗議集会には大勢の機動隊員が投入されたが、その機動隊員に向かって集会に参加した少女が、抗議の意思を表明するために睨みつけたというのである。それに対して機動隊員も睨み返したが、暴力沙汰に発展することはなかったという。

アメリカの北朝鮮空爆

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読売(9月18日発ウェブサイト記事)によれば、アメリカ政府の政策決定に強い影響力を持つ政策研究機関「外交問題評議会」が、オバマ後の新政権を対象に、北朝鮮への空爆を勧める呼びかけを行ったそうだ。北朝鮮が核兵器の小型化と弾道ミサイルの技術を向上させていることへの強い危機感が反映されているとのことだ。もしもアメリカの新政権がこの提言通り北朝鮮の空爆に踏み切れば、東アジア情勢は一気に液状化するだろう。

オバマ米大統領やローマ法皇をえげつないことばで罵っているドゥテルテ比大統領。その過激さは一向に弱まる様子がない。今度はASEANサミットに参加するために訪れたビエンチャンで、現地のフィリピン人社会の会合の席で、先日のミンダナオでのイスラム過激派のテロに言及し、言葉がすべったのかどうか、ミンダナオのイスラム過激派たちに向かって、お前たちを生きたまま食ってやる、と宣言した。

フィリピンのドゥテルテから「売女の倅」と罵られたオバマが、プーチンに面と向かって「お前は間抜けなロバだ"Everyone here thinks you're a jackass"」と罵ったそうだ。日本のメディアで取り上げているのはいないようだが、欧米のメディアではちょっとした騒ぎになっているようだ。というのも、オバマはこの言葉をプーチンとの共同会見の席上で吐いたからだ。それだけではない、各国のリーダたちを引き合いに出して、世界中の誰もがお前のことを「くされちんぽ」と思っているぞ"Ask Angela Merkel. Ask David Cameron. Ask the Turkish guy. Every last one of them thinks you're a dick"、とまで罵ったというのだ。

ドゥテルテ比大統領の政治的な後悔

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フィリピンのドゥテルテ大統領は、先日オバマ大統領を a son of a whore と言って罵ったが、すぐさまそれを撤回すると表明した。ドゥテルテのこの発言にさすがのオバマも腹をたて、ビエンチャンのASEANの席で予定されていた米比首脳会談をキャンセルする騒ぎになったために、アメリカとの関係悪化を恐れて撤回した模様だ。

ノーブラはフランスの良き伝統か?

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フランスの多くの自治体で、イスラム教徒の女性にイスラム風の服装をやめさせる動きが広がる中、海辺のリゾート地では、イスラム風水着ブルキニの着用を禁止する動きが世界中の注目を浴びた。これについては、フランスの法廷もやり過ぎだとの判断を示したほどだが、内務大臣のヴァルスはそう思っていないようで、ブルキニ着用の禁止を続けるべきだと鼻息が荒い。ただ、国務大臣という要職についている手前、むやみやたらとブルキニ禁止を叫ぶわけにもいかないと思ったか、ブルキニがいかにフランスのよき伝統と反しているかについて強調した。

ロシアが北方領土を返すとしたら

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安倍晋三総理大臣がロシアのプーチン大統領と会談し、北方領土の返還を含む平和条約の締結に向けて交渉を加速することで一致し、今年中には日本で両者の会談を行うことで合意したというので、日本のメディアには、あたかも北方領土の返還が現実味を帯びて来たかのように伝えるものもある。その通りだとしたら大いに結構なことだし、もし安倍晋三総理が北方領土の返還に筋道をつけることができるのなら、日本の歴史に大きな足跡を残すことになるだろうと筆者も思う。しかし、ことはそう簡単ではない。日本のメディアには、現実と希望的観測をごっちゃにする点で、一部の政治家と変わらぬ者があるが、現実をわきまえぬ希望的な観測は、ただの幻想に終わるだけだ。

トランプとプーチン

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写真(EPAから)は、リトゥアニアの街角に描かれていた落書きだ。アメリカの大統領候補ドナルド・トランプとロシアの大統領プーチンが抱き合ってキスしている。二人の表情からは愛の恍惚が感じられる。この二人は、この絵から見る限り、相思相愛の間柄に見える。

ドナルド・トランプの等身大ヌード像

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これは、ニューヨークのユニオン・スクエア・パークに突然出現したドナルド・トランプの等身大ヌード像。設置したのはINDECLINEというアナーキスト団体で、ニューヨークのほかサンフランシスコ、ロサンゼルス、クリーブランド、シアトルの目抜き通りにも設置したそうだ。突然の怪物の出現に、通りがかった人々は大騒ぎ。ブロンドの毛が生えたトランプの股倉を指さして、オオマイゴッドと叫んだり、この像と一緒に記念撮影した人もいた。

アメリカにおける原住民(インディアン)の虐殺を追跡したベンジャミン・マッドリー(Benjamin Madley)の著作「アメリカン・ジェノサイド(An American Genocide)」が、驚きを以て受け止められている。この本は、1846年のカリフォルニアのアメリカへの編入から1873年までの二十数年の間に、カリフォルニアで起きたインディアン虐殺の実態についての記録である。この期間にカリフォルニア内のインディアンの数は15万人から3万人にまで劇的に減った。そのほとんどは、白人によって虐殺された。虐殺した者は、自警団から州兵、そして連邦政府軍にまでわたる広範なタイプの人々だったが、中心になったのは自警団と州兵だったようだ。

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麻薬犯罪者の殲滅を訴えて比大統領に選ばれたドゥテルテ(写真はAP)。五月九日に就任して以来わずか三か月の間に、殺害した麻薬犯罪者の数は600人とも1000人ともいわれる。それらのほとんどは、裁判手続きなしに、問答無用で撃ち殺した。こうした手法を国際世論は、尋問してから撃つのではなく、撃ったあとで尋問するものだと言って批判している。撃ったあとでは大体犯人は死んでしまうわけだから、尋問も糞もないのであるが。

米共和党(GOP)は、ドナルド・トランプを大統領候補に選んだものの、ここにきて彼を大統領にしないことを目的に団結する動きが強まってきた。トランプの主張は、共和党が掲げる保守主義の理念からあまりにも逸脱しているばかりか、共和党のエスタブリッシュメントにとっては危険思想である、という認識が次第に強く共有されるようになったことが背景にある。

クーデターで成立したタイの軍事政権が、憲法改正案を国民投票にかけたところ(8月7日のこと)、過半数の賛成票を獲得して成立した。この改正案は、上院の権力を強化しながら、その任命権を軍部にほぼ全面的に付与しているので、現在の軍部主導の政権運営をほぼ永久化する反民主的なものだとして、国際的な評判は悪かったのだが、タイの国民は民主主義よりも国の安定を望んだとして、一定の評価も成り立たないわけではない。

デンマークへの移民を希望して入国を試みたイラン人5人がデンマーク当局に身柄を拘束されたあげく、所持していた現金の一部(合計8万クローネ分)を没収されたそうだ。デンマークでは、移民が1万クローネ(約15万円相当)を超える現金を所持している場合には、限度を超える額を没収できるという法律が施行されたばかりで、これはその適用第一号ということらしい。

英国のEU離脱が意味するもの

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英国で行われていたEU残留か離脱かをめぐる国民投票の結果、EU離脱派が多数を占め、英国がEU離脱の道に踏み込むことが決定した。世界中には早速論評の嵐が吹き荒れ、それに釣られるかのように経済指標も乱高下した。日本でも自称評論家たちがわけのわからぬ言説をまき散らしている。これらはみな事態の深刻さを素直に反映したものだ。これについて筆者は、ほとんど意味のない寄与をすることをわきまえながらも、とりあえず自分自身の感想を、後々の参考という意味を含めて、書いておきたい。なにしろ世界史に残るような重大な出来事だ。ひとことくらい言わずにはすまない。

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