世界情勢を読む

今回のコロナウィルス騒ぎに対応して、米議会は超党派で2兆ドル(220兆円)にのぼる予算措置を講じた。この騒ぎで損害を被る企業に、保証金をばらまくという内容だ。しかしばらまきの対象には、トランプとその親族等(トランプ一味)が運営する企業は含まないと、わざわざ明記されているそうだ。これはトランプの、強く予想される悪行を予め封じようとする意図に出たものだと、ブルームバーグ等の米大手メディアは報じている。

新型コロナウィルスが世界中に蔓延する事態に発展している。感染者は十万人を超え、また死者は四千人に達したということだ。この事態を前にして、WHOの事務局長はパンデミックが現実味を帯びてきたと言っている。パンデミックの定義はかならずしも明確ではないらしいが、疫病の威力はともかく、世界中広い範囲で起きていることが要件となるようだ。今のコロナウィルスの状況は、その要件を満たしつつあるということらしい。

野球賭博でMLBを永久追放されたピート・ローズについて、トランプが名誉回復のうえ殿堂入りさせるべきだと主張しているというので、アメリカではちょっとした騒ぎになっているそうだ。アメリカではスポーツ選手に高いモラルを求める風潮があり、トランプの主張が通るかどうか、かなり悲観的といってよいようだ。

アメリカ上院によるトランプ弾劾裁判は、トランプへの無罪判決を出してあっけなく終了した。トランプはこれで自分の無実が証明されたといって胸を張っているが、ことはそう簡単なものではない。アメリカでは、裁判でクロがシロになること、つまり有罪があきらかなケースが無罪になることはよくあることで、これもその一例といえるのかもしれない。つまり、法形式的には無罪を勝ち取ったからと言って、不正を働いたという事実は消えないわけで、トランプには胸を張る資格はないといってよい。

民主党の大統領候補Pete Buttigiegのことを、小生は先日のこのブログでブッティジェグと標記したが、その後YouTubeなどで、ブティジェッジと発音されるということを知った。そのブティジェッジが、アイオワで開かれた全米最初の党員投票で、一躍フロント・ランナーに躍り出た。戦前の予想を覆すサプライズとして受け取られているようだが、老人ばかりがどんぐりの背比べをしていた状況が、これで大きく変わる可能性がある。もしかしたらトランプに勝てる候補になるかもしれない。

トランプがパレスチナ問題に関する中東和平案を発表した。発表の場にはイスラエルのネタニアフが同席したが、パレスチナ側は不在だった。その事態が象徴しているように、この和平案なるものは、イスラエルの言い分を一方的に聞いたようなもので、パレスチナ側は全面拒否の姿勢を見せている。たしかに、パレスチナ側の反発は理解できる。この案は、イスラエルによるこれまでの不法な入植をすべて認め、また、エルサレムを全面的にイスラエルに帰属させるなど、イスラエルの無法な占領にお墨付きを与える一方、パレスチナ側には「テロ(抵抗行為のこと)」の自重を促すものだ。要するに、パレスチナはこれまでに積み上げられて来た現実(無法なものだが)をすべて受け入れよと迫るものだ。

憲法改正を含めたプーチンの政治改革案がさまざまな憶測を呼んでいる。この改革案の骨子は、大統領の三選禁止と大統領の権限の制限だ。これが実現すると、プーチンは今後永久に大統領につけなくなる。現憲法では、大統領は連続して二期以上は出来ないとのみされているので、前回もそうだったように、一旦首相についたうえで、あらためて大統領に復帰するシナリオもありえた。それが出来なくなって、プーチンは今後二度と大統領になれなくなるわけだ。それは何を意味するのか、プーチンなりの立憲意識のなせるところか。それともなにか新たなことを企んでいるのか。

世界中を震撼させたウクライナ航空機の爆破は、イラン軍によるものだと明らかになった。アメリカのロケット攻撃と勘違いしたイラン軍が、ミサイルで迎撃したということらしい。それ自体に問題があるが、もっと問題なのは、この事態がイラン軍の実力を物語っているということだ。イラン軍は、イラクの米軍基地にもミサイルを命中させたが、軍事専門家によれば、命中の精度はかなりかなり高かったという。この二つを通じて、イラン軍の実力が、思っていた以上に高いということをアメリカは知らされたに違いない。

カルロス・ゴーンが日本を脱出してレバノンに逃れていたというニュースが入って来た時、大方の日本人は、日本という国がコケにされたと思っただろう。それに加えて、ゴーンが逃亡先で記者会見を開き、自分の無実を弁明したとあって、日本の司法当局は二重にくやしい思いをしただろう。なにしろ完璧に裏をかかれて逃げられ、国の威信を傷つけられたうえに、記者会見まで開いて言いたい放題なのに、自分たちにはなにもできることがないからだ。こんなに面目つぶれのことはない。

トランプの命令で、米軍がイラン軍の将軍を殺害したことで、一気に緊張が高まっている。全面戦争に発展する可能性さえ指摘されている。トランプはこの時期になぜ、このような冒険をしたのか。色々な臆説が流れているが、中には、トランプは自身に対する弾劾裁判から、国民の目をそらせようとして、この挙に及んだとする説もある。小生も、ありうることだと思う。

QAnonとその支持者たちのSNS上のメッセージに対して、最近トランプが頻繁にリツイートをしていることが話題になっている。QAnonというのは、2017年10月以降登場したSNSアカウントのことで、極右の立場からトランプを応援し、トランプの批判者を集中攻撃しているものだ。その極端でかつ暴力的な傾向から、FBIも「国内テロ組織」としてマークしているという。そんなものを何故トランプがリツイートして応援するのか。

先日安倍総理が、インドのモディ首相との間で予定していた首脳会談を中止したが、理由は治安が極度に悪化していることだと伝えられた。治安を悪化させているのは、インド各地で沸き起こっている政府への抗議デモだ。特に首都のニュー・デリーでは、デモの規模は大規模なものになっている。その理由は、モディ政権が進めているヒンドゥ・ナショナリズムというべき政策にある。この政策は、ヒンドゥ教徒を優遇する一方、イスラム教徒を差別するもので、差別された形のイスラム教徒が抗議デモとか暴動騒ぎを引き起こしている形だ。

アメリカの宗教勢力のうちでも最も規模の大きい福音派は、トランプのコアな支持層として知られている。歴史的にみても、福音派はアメリカの政治に大きな影響を及ぼしてきた。この宗派は、二・三十年ごとに宗教的な高揚を示し、そのたびごとに宗教親和的な大統領の誕生に寄与してきた。ロナルド・レーガンを大統領にしたのもこうした福音派の宗教的感情の高揚だったのであり、その宗教的高揚がトランプを大統領にしたわけなのだった。

先日トランプの発した大統領令が物議をかもしている。これはユダヤ人を人種に基づいて定義したもので、人種としてのユダヤ人の保護を目的としたものだと説明されているが、それについてほかならぬユダヤ人コミュニティが強く反発しているのだという。その理由は、この大統領令が、かえって反ユダヤ主義(Anti-Semitism)を煽るというのだ。なぜそうなるのか、小生にはわからぬことが多い。

イギリスで総選挙が行われ、ボリス・ジョンソン率いる保守党が、サッチャー時代以来の、地滑り的といってよいほどの勝利を収めた。これで懸案となっていたブレグジットが実現する運びになる。決められないイギリス政治が、やっと決められるようになったと歓迎する向きがある一方、ブレグジットによって生じる混乱を懸念する意見もある。いずれにせよ、ボリス・ジョンソンが勝利したという認識が支配的だが、小生などは、コービンの労働党がオウンゴール的な形で敗北したと見る方がよいのではないかと考えている。なにしろ労働党の負け方は半端ではないのだ。

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米誌TIMEが恒例のPerson of the Yearに、今年はスウェーデン人の16歳の少女グレタ・トゥンベリを選出した。彼女は、先日の国連集会の場で、地球の存続のために人類が立ち上がることを訴えて一躍世界の注目を浴びた。だが彼女のそうした活動は、急ごしらえのものだったわけではなく、何年も前から行ってきた活動の集大成だったということだ。つまり彼女は、年少にかかわらず、筋金入りの活動家なのである。その彼女を小生などは、今年のノーベル平和賞にもっともふさわしい人と考えていたが、最近のノーベル財団は、目がきかなくなったと見えて、彼女を選出することはなかった。TIMEが彼女を今年のPerson of the Yearに選出したことは、TIMEの良識を感じさせる。

世論調査で定評のあるアメリカの調査機関ピュー・リサーチ・センターが、中国の国家イメージに関する世論調査を世界34か国で実施した。それによれば、中国が嫌いだと答えたアメリカ人は60パーセント、同じく日本人は85パーセントだったそうだ。アメリカの隣国であるカナダでも、67パーセントの人が中国を嫌いだと答え、ヨーロッパ諸国でも中国のイメージは悪かった。スウェーデンは70パーセント、フランスは62パーセントの人が中国に否定的だった。

ネタニヤフが収賄罪など三つの罪状で起訴された。これに対してネタニヤフは強い対抗心を見せている。イスラエルの法律では、首相を含め公職者は、起訴されたら職を辞任しなければならない決まりになっている。しかしネタニヤフには、そんな法律を守る気はないようだ。自分に対する起訴をクーデタだと決めつけ、起訴した連中を逆に起訴してやると息巻いている。クーデタに対する対抗(カウンター)クーデタを起してやるというわけだ。

トランプ政権のポンペオ国務長官が、イスラエルによるヨルダン川西岸の入植地を容認する宣言を出した。これまでのアメリカの歴代政権が、ヨルダン川西岸のイスラエルによる入植活動は、中東和平にとって障害になるという姿勢をとってきたものを、トランプ政権がそれをひっくり返す形で、イスラエルの入植地を認めることは、将来的にヨルダン川西岸がイスラエルに併合されることを認めたと受け取られる。いうまでもなくヨルダン川西岸へのユダヤ人の入植は、イスラエルによるパレスチナ侵略の中核をなす不法行為である。それを容認することは、強盗に追い銭を与えるようなものだ。

米誌TIMEが、恒例の Next100(影響力ある100人) に、日本の政治家小泉進次郎を選んだ。理由は、日本憲政史上最長の在任期間を誇る安倍晋三総理大臣の後継者として、これからの日本をリードする存在だということだ。なんといっても日本は、まだ一流国の仲間と認定されているから、その指導者となるべき人物は、国際的に見ても影響力のある政治家と認定されるわけだ。

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