日本の政治と社会

オウム関連の死刑囚十三人のうち、教祖麻原彰晃こと松本智津夫はじめ七人に死刑が執行された。このことは海外にも大きな反響を呼び、日本の死刑執行制度に批判の声もあがっているようだ。批判の論拠は、死刑は残酷な制度であり、前時代の野蛮さを引きずっているものであるから、文明化された国においては認められるものではない、というものだ。実際いまどき死刑を執行している国は、日本とアメリカの一部の州に過ぎないのだから、日本がいかに野蛮な国であるかを物語っている。日本人が西洋並みに文明人と思われたいのなら、死刑などという野蛮な制度は即刻やめるべきだ、というのが大方の論調である。

セクハラ罪という罪はない、と言ったのは放言居士として知られる麻生太郎副総理兼財務大臣だが、彼の盟友である安倍晋三総理大臣は、これを安倍内閣の公式見解としたそうだ。内閣が閣議でそう決定したわけだから、世の中のセクハラ亡者たちは、今後胸を張ってセクハラが出来ると喜んでいるだろう。セクハラは罪にはならないんだから、安心してセクハラが出来るというわけだ。

度重なる放言・暴言で世間を騒がし続けている麻生太郎副総理兼財務大臣が、また放言をしたというので世間を賑わしている。今度は自分が率いる派閥の政治資金集めのパーティで講演した際に、「暗いヤツを選ぶか、頭の悪いヤツを選ぶか、だったら、おなかの悪いヤツが一番いいぐらいじゃねぇか」と言ったそうだ。この発言は、2012年に行われた自民党総裁選に関連したもので、「暗いヤツ」は石破茂、「頭の悪いヤツ」は石原伸晃、「おなかの悪いヤツ」は安倍晋三の各氏をさすそうだ。

今回米朝対話へ向けての機運が高まったことについて、トランプはこれを、米側による最大限の圧力に北朝鮮が屈した結果だと言っている。日本の安倍政権もその見方を共有し、日本を含めた国際社会が最大限の圧力をかけてきた成果が現れたもので、今後もその圧力を弱めるべきではないと主張している。

官僚劣化

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中央公論の最新号(2018年6月号)が、「官僚劣化」と題して、最近の日本の官僚たちの不祥事に代表されるような官僚の劣化について特集している。かつては日本という船の舵取り役として自他共に認め、認められていた日本の官僚が、何故ここまで劣化してしまったのか。何人かの論者が、それぞれの視点から分析している。それを読むと、首相官邸が強くなったために、相対的に各省の力が弱くなり、それに伴って各省の官僚統制力が弱まって、官僚たちが直接官邸のほうを向いて仕事をするようになったとか、かつてはどんな官僚も持っていた国家国民のために働いているという気概が薄くなり、もっぱら自分自身の出世の為に働く自分本位で小粒な官僚が増えたとか、いろいろな指摘があって面白い。

北朝鮮をめぐって劇的な変動が起きている中で、安倍晋三はなんとか存在感を保とうとして必死になっているようだ。いままで放置してきた拉致問題を、急に持ち出したのもそのひとつのあらわれだろう。ここで拉致問題を表面に出すことは、少なくとも国内向けには一定のアピールになる。実際拉致被害者の家族団体は、安倍晋三が急に拉致問題に熱心になったことに期待しているし、大方の日本人も悪くは受け取っていない。

北朝鮮をめぐる国際関係がドラスティックに変化していく中で、安倍政権は後手後手どころか、蚊帳の外に閉め出されているかのような状態だ。このままではみっともないと思ったのだろう、安倍晋三は大向こうに対して強がって見せ、このたび北朝鮮が軟化したのは、我々(つまり安倍晋三自身)が見せてきた圧力の方針に北朝鮮が屈服した結果だなどと、およそ説得力のない言訳をしている。

一時は破竹の勢いを誇り、自民党総裁三選も間違いなしと思われていた安倍晋三が、ここに来て急速に勢いを失ったばかりか、破滅に向かって進み始めたような印象を与える。最近のNNNの世論調査で支持率が20パーセント台になったのがそれに拍車をかけて、小泉前首相などは安倍の三選はないばかりか、安倍政権は長くはもたない。早ければ今国会の終了とともに終わりになるだろうと言った。それに呼応する形で、自民党内には安倍後をにらんだ駆け引きが本格化してきた。そういう光景を見せられると、安倍政権の終焉もあながち夢ではないと思わされる。

先日親しい友人たちと昨今の日本のメディアについて話していたところ、日本の新聞は、いわゆる西山事件を契機にして権力に対して卑屈になり、権力を刺激しそうな記事を自主規制するようになったという話が出た。あれがきっかけで新聞社全体が権力の攻撃にさらされた上に、経営まであやうくなっていったことを目にして、権力と正面から対立するのはうまいいき方ではない、そういうふうに新聞各社が思うようになった。日本のこれまでの状況からすれば、新聞が権力と立ち向うなど、朝夢のごときものと受け取られてきたわけである。新聞は自ら直接権力に立ち向う代わりに、週刊誌にそれをやらせた。そして週刊誌の報道によってある事件が国民の関心を引くようになったところで、おもむろに権力追求の戦線に加わる。それが自己保身を踏まえた日本の新聞のやり方だった。そんなふうな議論になったものだ。

モリカケ問題と並んで安倍政権の頭痛の種になっているのが自衛隊の日報問題だ。こちらはモリカケ問題のような疑獄性はないように思われるが、事態の深刻性は比較にならない。なにしろ防衛庁が組織をあげて、国民に対して欺瞞的な行動をとってきたのである。野党の諸君はこれをシビリアンコントロールの問題と位置付けているが、問題の本質を全く理解していないと言うべきである。シビリアンコントロールとは、軍(自衛隊)が政治の監視を受けることを意味するが、今回明らかになったのは、軍(自衛隊)が政治の監視を無視しているばかりでなく、国民全体を愚弄していたということだろう。

先日舞鶴での大相撲の巡業中、地元の市長が挨拶の途中土俵の上で倒れた。その時何人かの女性たちがすばやく土俵に上がって、倒れた市長に応急処置を取ろうとした。ところがそれを見た行司が、女の人は土俵から下りてくださいと叫んだ。その様子は、現地にいて目撃した人がYOU-TUBEで流したこともあって、あっという間に全世界に拡散した。その結果、世界中から寄せられた大方の反応は、日本はいまだに男尊女卑がまかり通っている野蛮な国だというものだった。

盤石な政権基盤の上に立って、無敵の荒野を行くが如き勢いだった安倍晋三総理に、一塊の暗雲が垂れ込めてきたようだ。その要因は、いわゆる「もりかけ問題」をめぐって新たな事態が起こり、安倍総理に対する国民の目が厳しくなったことだ。直近の各社の世論調査では、安倍政権の支持率は30パーセント台前半まで落ちた。

無子高齢化

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少子高齢化の傾向に警鐘を鳴らす意見が聞かれるようになって久しい。しかしこれからの日本が直面するのはそんな生易しいものではない。子どもがおらず、老人ばかりがやたらに多い「無子高齢化」社会がやってくるという意見も出て来た。雑誌世界の最新号(4月号)は、そんな意見を取り上げている。

2020年度から始まる新しい大学入学共通テストに民間試験を活用する方針が文科省から出されている。これに対しては、その公正さに各方面から疑問が出されている。時に国立大学関係者は強い疑問を抱いているようで、東京大学の如きはこれを合否判定に使わないという方針を出した。旗振り役の文科省としては、面子にもかかわることなので、なんとか協力させようと躍起になっているようだが、ことは学生たちの将来を左右する問題だ。慎重にやってもらいたいものだ。

所謂森友問題をめぐって、財務省の公文書改ざんが明らかになって、当時の理財局長某が国会に対して嘘をついていたことがわかった。このことを大方の識者たちは、国民への裏切り行為だとか民主主義の破壊だとか言って批判している。また野党の諸君は某理財局長はもとより、その上司である麻生財務大臣兼副総理の責任とか、安倍総理の責任について云々している。ところが麻生副総理には、そういう批判はまったくこたえないようだ。

確定申告の期限が近付いてきたので、家人から手続きするようにと書類一式を渡された。見ると、医療費控除を申請するのに、領収書を添付していない。領収書がないよと言ったら、今年から添付する必要がなくなったのよと言う。そこで国税庁のホームページで確認したところ、医療費の明細を記した書類があればよく、領収書の添付は必要ないということがわかった。

安倍政権が所謂働き方改革の目玉である裁量労働制の拡大について、法案の撤回に追い込まれた。安部首相はこの間ずっと強気だったが、何故急に撤回に追い込まれたのか。法案の趣旨説明の根拠とされるデータがあまりにもでたらめで、これを根拠にしている限り国民の不信を買う一方だと判断したためだろう。

一昨日(一月三十日)のこのブログで、トランプの登場を促したアメリカの福音主義者たちについて触れたが、宗教運動が政治を動かす事例は今回のトランプの登場に限らず世界の至る所で起きてきたし、また起きる可能性がある。日本の安倍政権の登場もある意味ではその一つの例と言える。

安倍総理がバルト諸国と東欧の計六カ国を訪問して長期的な関係強化を訴えた。これは、とりあえずは中国包囲網つくりの一環としての意味を持たされているようだが、長い目で見れば対ロ攻撃の拠点つくりに結びつけられる可能性もある。

日立がイギリスの原発事業に乗り出すにあたり、日本政府がこれを全面的にバックアップする方針を安倍政権が打ち出したそうだ。バックアップの内容は多岐にわたるが、ポイントは日立への融資に日本政府が事実上の債務保証をつけるというものだ。これは具体的には一兆一千億円にのぼる日本側の融資について、政府系の日本貿易保険が全額保証するというもので、この事業が破綻した場合には日本国民の負担でリスクを肩代わりすることを意味している。このスキームの策定に当たっては、アメリカの原発事業で深刻な打撃を受けた東芝が先例となっているようだ。

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