日本の政治と社会

安倍総理が衆議院の解散宣告を行ったことで、各政党は一気に選挙モードに入った。たとえ大義なき解散とはいえ、解散となれば次の選挙の準備をしなければならない。本来なら、野党第一党たる民進党などは、自民党にかわる政権樹立を目指して大いに奮闘しなければならないところだ。ところがその民進党が、ぱっとしないどころか、かなり深刻な不振にあえいでいる姿が伝わってくる。

安倍総理が衆議院の解散を表明したことを受けて、テレに各局がスタジオに招いて意見を聞いた。そのうち筆者が見たのはNHK(ニュースウォッチ9)とテレ朝(報道ステーション)だが、その場での安倍総理の言うことを聞いていると、日本の政治は自分一人が担っているのだという、いささかあきれた心意気が伝わってきた。

安倍晋三総理が、北朝鮮による危険な挑発に対して、国際社会が一体となって立ち向かうことの必要性を訴えた文章を、米紙に寄稿した。筆者はそれをニューヨークタイムズのWEB版で読んだ。ほかにも寄稿したメディアがあるのかもしれない。それを読むと、安倍総理の危機感が伝わってくる。北朝鮮は不誠実な国家であって、いかなる話し合いも効果を結ばないので、この際力づくで屈服させる必要がある。ついては国際社会のあらゆる国が、北朝鮮に抜け道を用意することなく、国連の決めた制裁を完璧に遂行すべきである、といった考え方が、ある種の熱意を以て伝わってくる。後日の参考のために、その全文を引用しておきたい。

トランプ政権の登場に促されて、アメリカでは極右白人至上主義が台頭した。これをアメリカのメディアは最近「Extremist(過激派)」と呼んでいる。過激派とは普通、イスラム原理主義運動とか、一部左翼の実力行使派をさしていう言葉だが、アメリカの白人至上主義者も、人種的に過激な言動を繰り返し、そのさまがいかにも人種原理主義を思わせることから、「「Extremist(過激派)」と呼ばれるようになったらしい。

島根県選出の代議士で、自民党の要職にある某氏が、北朝鮮の度重なる挑発に言及して、島根県はグアム島へのミサイル軌道上に位置しているが、かりに島根にミサイルが落ちても、それは意味のないことだと言ったことで、ちょっとした騒ぎになっている。マスメディアの多くがこの問題を取り上げて、某氏に発言の真意をただそうとしたのだったが、当の本人は、何が問題なのかわからない、といった反応を示している。そこがまたマスメディアによって面白おかしく脚色され、事態はいっそうこんがらがってしまったようである。

民進党の新しい代表に前原氏が選ばれた。氏は民主党時代に代表を務めたこともあり、党内では保守派の中心人物ということになっているらしい。筆者は、氏の政治家としての姿勢を詳細に分析したわけではないが、やはり保守派としてのイメージを強く受けている。そこで、民進党がこういう人物を担いで、自民党にかわる政権の受け皿になることができるのか、考えてしまうのだが、どうも世に伝わっている前原氏のイメージをもとに判断すると、自民党の対抗軸となるよりは、補完勢力となる可能性のほうが大きいような気がする。

金正恩の北朝鮮が、日本の上空に弾道ミサイルを飛ばしたことで、安倍政権はさすがに黙ってはいられず、何らかの対応を迫られている。しかし、安倍政権の日本としては、今のところ、国連に働きかけて、北朝鮮への圧力を高めてくれるよう要請することくらいしかできない。その圧力も、北朝鮮との貿易を国際社会として自粛することを呼びかけるくらいであるから、日本として独自にできることには限りがある、というかほとんど何らの影響をも及ぼしえないというのが実情だ。

北朝鮮が飛ばしたミサイルが日本の北海道上空を飛翔して、襟裳岬沖約1200キロの海上に落下した。このミサイルは中距離弾道ミサイル火星12とみられる。本日(8月29日)午前5:58に、ピョンヤン近郊に位置していた車両から発射され、6:06に北海道上空を通過、6:12に襟裳岬東方の海上に落下した。


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上の写真は、人形メーカーの久月がひな人形のモデルとして発表したものだ。ジャパンタイムズのウェブ版から引用した。右手が小池知事で、彼女と並んでいるのはなぜかトランプ米大統領だ。久月がどういうつもりでこんな人形を作ったのかわからぬが、第三者の目には、太平洋の両側にいるポピュリストが二人仲良く並んでいるように見える。小池知事としては、同じポピュリストならばフランスのマクロンと並べて欲しいと言うかもしれないが、これはこれでお似合いだ。

このところ安倍政権が、すっかり元気がないように見える。例のスキャンダルで支持率が激減したことにショックを受けたのかもしれないが、へこたれている場合ではないだろう。国際情勢は、北朝鮮の挑発などで緊迫しているし、いまこそアジアの大国としての日本の出番だというのに、すっかり影が薄くなっている。安倍政権は、北朝鮮の危機を解決するには、中国が北朝鮮への圧力を強化すべきだなどと、トランプと全く同じこと(他人事のようなこと)を言って、習近平の反発を食らっている。また、北朝鮮危機では最も緊密に連携しなければならない韓国との間でぎくしゃくした関係を続けている。その結果、北朝鮮に対して有効な対策が打てないでいる。要するに主体的な外交ができていないのだ。

昨日のこのブログ記事で、NHKによる731部隊の調査報道を取り上げたが、それは今日の権力によってタブー扱いされているらしい微妙なテーマを、NHKの現場記者が勇気を以てとりあげ、それをNHKが許したことにいささかの感慨を覚えたからだった。だが、ジャーナリズムにおけるこのような動きは、今日の日本のジャーナリズムでは、ますます見られなくなっているというのが、本当のところのようだ。

「日本ファーストの会」なるものが発足するというニュースを聞いて、国粋主義政党が発足するのかと思ったら、そうではないらしい。先日都議会選挙で旋風を引き起こした「都民ファーストの会」の国政版を目指すということらしい。

トランプ政権による北朝鮮先制攻撃が俄に現実味を帯びてきたようだ。そのことは、もしアメリカが北朝鮮への先制攻撃に踏み切るつもりならば、事前に日本政府に通知して欲しいと日本側から要望したとの情報が漏れてくることから、事態の深刻性が察知できる。日本は、アメリカが北朝鮮を牽制する目的で派遣しているカールビンソンを旗艦とする攻撃部隊に、海上自衛隊を参加させるようだが、そのことからも、日本政府がトランプによる北朝鮮先制攻撃を、可能性の高いものとして認識していることを伺わせる。

福島原発事故時の自主避難者について、彼らが故郷に帰らないのは自己判断・自己責任だ、と現職の復興相が言ったそうだ。これは、自主避難者に対する住宅支援の打ち切りについて、政府としては除染が住んだ地域には戻ってほしい、戻らないのは、その人の勝手であって、そこまで責任を負うつもりはないということを言いたかったらしいが、記者会見の席上、売り言葉に買い言葉のようなやり取りがあって、その挙句激昂して質問者を罵倒したことで、ちょっとした騒ぎになってしまったようだ。

安倍政権が、学校の道徳等の教材として、教育勅語を用いることを容認する(否定しない)方針を閣議決定したそうだ。安倍政権の復古主義的姿勢からして、彼等が教育勅語にノスタルジーを感じていることはこれまでも伝わってきたし、またその復権を目指しているらしいことも理解できないことではないが、何故いまのタイミングか、という疑問は残る。

いわゆる森友事件を巡って、森友の理事長が現職の総理大臣から、その妻を通じて100万円の寄付を受けたと証言したことについて、当該総理大臣はこれに強く反発し、「これだけ多額の寄付を私が行うことはあり得ない」と否定したそうだ。しかし事実を否定するのなら、単に「なかった」といえばすむことだ。それをわざわざ「あり得ない」というのは、聞く者の耳に異様に聞こえるのではないか。

この一・二年の間に、貧困な子どもを対象に食事サービスを実施する施設が増えているようだ。2013年に貧困児童対策の法律(子どもの貧困対策法)が施行されたのがその背景にあるとも指摘されている。実際、2013年には21しかなかったものが、今では300を超えているという。そういう施設は無論あった方がいいが、決して十分とはいえない。毎日サービスを実施しているのは少数だし、絶対数もまだまだ足りない。

高齢者について世界共通の厳密な定義があるわけではないが、いまの日本では一応65歳以上ということになっている。老人福祉の法体系は、65歳以上を高齢者として定義しているし、実際の社会生活においても、65歳以上の人を、本人も他人も高齢者として自任し遇している。筆者は今現在68歳であるが、こうした社会通念に従う形で自分自身を高齢者として認識しているし、他人も筆者を高齢者として遇してくれる。

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Smile now, cry laterとは、多少の意訳をすると、「あとで吠え面をかくな」ということだ。先日の安倍・プーチン会談の成果を皮肉っている。この会談で、安倍総理はプーチンにさんざんコケにされたうえ(安倍を長時間待たしたことや安倍からのプレゼントの申し入れを拒否したことなど)、肝心な北方領土問題に関しては、1956年の日ソ共同宣言以前の状態に戻ってしまった。誰が見ても安倍総理は全面敗北したわけだが、本人は機嫌よく笑って見せた(写真はAPから)。それを、今は笑っていられるが、後で吠え面をかくな、と警告しているわけだ。

安倍政権が高速増殖炉の原型炉である「もんじゅ」の廃炉を決定した一方で、高速増殖炉の開発そのものは今後とも継続すると表明した。「もんじゅ」を廃炉したあとは、高速増殖炉計画のより高次の段階である実証炉の開発にとりかかるというのだが、専門家ならずとも、これが支離滅裂な考えであることは容易に見分けられる。

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