日本の政治と社会

「クリーンなタカよりダーティなハトのほうがまし」という言葉が、一時メディア界ではやったことがあると聞いたことがある。おそらく田中角栄のような政治家を念頭においたものだと思う。田中角栄は、とかくダーティなイメージがつきまとっていたが、国際関係をめぐっては、平和主義者であって、中国との和解をすすめるなど、国際協調の精神も感じさせた。

昨日(10月4日)の朝、ラヂオでスペイン語講座を聞いている最中、いきなり臨時ニュースのようなものに切り替わって、講座が中断された。何事かと思えば、北朝鮮が日本に向かってミサイルを発射したので、Jアラートなるものを発出したのだという。Jアラートというのは、北朝鮮のミサイル発射を対象にしたもので、5年前に始めて発出された経緯がある。その際は、北朝鮮の発射した短距離ミサイルが北海道の上空を通過し、襟裳岬の沿海に落下したというので、その軌道上にある北海道がアラートの対象となった。ところが今回は、アラートの対象は北海度から青森県にかけての地域と、伊豆諸島及び小笠原だという。北海道と伊豆諸島とは方角が違うので、その両者に発出されたということは、ミサイルが二発発射されたのかといぶかったものだ。

安倍晋三元首相の国葬があった日(9月27日)、小生はパソコンが壊れてしまい手持ちぶさただったせいもあり、その様子をテレビ中継で垣間見た次第だった。パソコンが壊れた理由は、ウィスキーのハイボールをぶちまけてしまったこと。そのためハードディスクがクラッシュし、BIOSが駆動しなくなってしまった。こうなると、もうお手上げである。重要なデータのいくつかは前日にバックアップをとっておいたので、全滅にはいたらなかったが、それでも今年分の日記とか備忘録的なデータが消滅してしまった。そういうわけで、国葬を見て感じたことを、当日中にブログに載せることができなかった。だが、あたらしく取り寄せたパソコンが二日後には届いたので、今日(7月29日)には、こうしてネットにアクセスすることができるようになった。

岸田政権が発足して以来、小生は表立っての批判を差し控えてきた。岸田政権に大きな期待を寄せているわけではないが、安倍晋三やその亜流に比べれば、ずっとましだろうと思い、当面は彼に政権をゆだねて余計なことは言わないようにしようと考えたのだ。だが、最近の彼の振舞いを見ていると、そうした期待が裏切られたと感じざるを得ない。その理由は二つある。一つはかれの独善的な傾向が目立ってきたということだ。もう一つは、かれが鳴り物入りで喧伝した「新しい資本主義」の具体的な内容が見えてきたことだ。

コロナの第七波が爆発的な広がりを見せている。連日20万人から30万人の感染が報告され、いまや、世界でもっともひどい状況に陥っている。一時は、世界でもっとも感染が少なく、優等生と言われていた日本が、なぜこんなことになってしまったのか。その疑問に答えてくれそうな見解を、雑誌「世界」の最新号(2022年9月号)で読んだ。

雑誌「世界」の最近号(2022年8月号)が、「ジャーナリズムの活路」と題して、日本のジャーナリズムが直面している困難について特集している。一応、ジャーナリズム一般をテーマとしているが、中でも新聞の直面している状況に対して深刻な問題意識を持ったものにインパクトがある。そこでここでは、新聞を中心にして日本のジャーナリズムが直面している課題について、小生なりに考えてみたところだ。

いま公開中の映画「PLAN75」がちょっとした話題になっているそうだ。これは女性監督早川千絵さんの作品で、いわゆる不要老人問題を扱っている。不要老人という言葉は、決して異様な言葉ではない。なにしろ現職の総理大臣が、口をひん曲がらせながら、無用(不要)になった年寄りは早く死んでもらいたいと公言して以来、日本ではあちこちで声高に叫ばれるようになったからだ。

中央銀行の総裁は政治から中立であることが望ましいので、時の政権の気に食わぬからと言って、簡単に交代させるべきではない、というのが正論だ。だが、それには時と場合があると付け加えねばなるまい。中央銀行の総裁が、自国の貨幣の価値を毀損し続け、自国の経済を破滅に追い込むような場合には、速やかに交代させるべきである。

ゼンレスキーが日本の国会でも演説した。その様子をテレビが中継放送していたので、小生も聞いた次第だ。彼が日本の国会で演説することについては、反対の意見もあったようだが、いま世界中に鳴り響いている反ロシアの大合唱の中では、G7の一員としての日本には、この問題(プーチンのウクライナ侵攻という事態)に対して、不関与という選択はなかったように思う。

アメリカやEU諸国の対ロ制裁に同調するかたちで、日本も対ロ制裁に踏み切った。それに対してロシアが早速反発してみせた。これは日本によるロシアへの敵対行為であるから、ロシアも相応の反撃を行う。具体的には北方領土の問題や平和条約についての交渉をとりやめ、また、日本人による北方領土へのビザなし訪問や経済協力協議についても停止するというものだ。

プーチンに侵略を許しているウクライナの大統領ゼレンスキーが、西側各国に支援を求める活動の一環として、イギリスやアメリカの議会で、オンライン形式ながら演説した。演説の基本的な内容は西側諸国がウクライナの立場に立って対ロ参戦してほしいということだ。もし軍事的な活動ができないなら、せめて経済制裁を強めたり、ウクライナへの支援物資を増やしてもらいたい、と訴えている。

プーチンのウクライナ侵攻という事態を受けて、アメリカはウクライナ側に立って、ロシア包囲網を呼びかけているが、いまのところは、経済政策に踏みとどまり軍事的オプションは考えていないようだ。しかしアメリカという国にはわからないところがあって、国民の一時的熱狂が、大統領に対ロ宣戦を決断させないとも限らない。そうなった場合、日本も対ロ参戦を強いられる可能性がある。日本は果たしてどうすべきか。

プーチンのウクライナ侵略に対して、世界中の大部分が激しい非難をしている。この非難に日本政府も加わり、プーチンに対して主権国の侵略をやめよと言うのは理にかなっている。しかし、プーチン憎しのあまり、ウクライナに対して過剰な肩入れをしているのはどうか。政府とは別の次元で、ウクライナに対して支持を表明し、中にはウクライナの募集する外国人傭兵に応募したいという日本人もいる。こういう人たちは、日本とウクライナとの間の歴史的な遺産を十分わかっているのだろうか。

ウクライナをめぐってバイデンとプーチンが大げんかをはじめ、それにNATO諸国や日本もまきこまれるという構図になっている。これは、基本的には、プーチンの領土拡大の野望がもたらしたものだが、それにバイデンが悪乗りして、いたずらに危機を煽っているというのが実際のところだ。米民主党は、戦争マニアなところがあって、一定の間隔をおいて戦争に突き進んできた歴史がある。今回もその流れに乗ったものと思う。

雑誌「世界」の最新号(2022年2月号)が、「クルマの社会的費用」と題する特集を組んでいる。車の社会的費用とは、経済学者の宇沢弘文が1970年代に提唱した概念で、公害や安全などにかかわる費用を、その原因を作っている当事者に負担させるべきだという主張を含んでいた。そうした負担を宇沢は、社会的費用の内部化と呼んだ。その内部化の議論がその後、排ガス規制とか道路計画に大きな影響を与えてきたのであったが、近年は地球温暖化の問題が前景化し、それへの対策としてEV化が一挙に加速するようになった。この特集に収められた諸論文には、そうしたEV化のもたらす革命的な衝撃を取り上げたものもある。

安倍晋三元首相が、プーチンとの度重なる対話の中で、北方領土の問題について二島返還に舵を変えていたことを認める発言をしたというふうにメディア等で伝わってきた。これまで憶測に過ぎなかったことが、本人の発言で裏付けられたということだ。

ワシントンで開かれた日米韓の高官協議の場で、韓国が朝鮮戦争の休戦宣言を望む意向を示したことに対して、日本側はこれに難色を示したそうだ。日本は朝鮮戦争の当事国ではなく、その休戦について正式に発言できる立場にはない。にもかかわらず、その休戦に対して異議を唱えるのはどういうわけか。

立憲民主党の枝野代表が、今回の総選挙における事実上の敗北の責任をとって辞意を表明した。理由はつまびらかではないが、敗北の責任を追及する党内の声に、嫌気がさしたということらしい。それが事実なら、いかにも民主党の後継政党らしさを感じさせる。

岸田政権が分配重視の政策を打ち出している。とくに、子育て世帯や生活困窮者の所得補償を中心として、労働者の賃金の底上げもしたいと言っている。スローガンは、「分配なくして成長なし」だ。小泉政権以来の新自由主義路線は、「成長なくして分配なし」といっていたから、その正反対のように思われるが、よくよくみると、どうもそうではないらしい。

雑誌「世界」の最新号(2021年11月号)は、入管問題をサブ特集として取り上げている。先日名古屋の入管施設で、入所者のスリランカ人女性が死んだことがきっかけで、入管問題が世間の関心を呼んだことを踏まえたものだろう。その女性の死をめぐる事実関係の検証を中心に、日本の入管行政の遅れた体質を批判的に検討している文章が寄せられている。

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