日本の政治と社会

安倍政権の菅官房長官が、沖縄県の翁長知事と話し合いの場を持った。これまで、翁長知事側からの呼びかけに全く答えず、無視し続けて来た安倍政権が、何故突然、自分の方から話し合いを呼び掛けたのか、大方の日本人は奇異に感じたことだろう。だいたい、こういうケースで、政権が急な心変わりをする時には、その影にアメリカ政府の意向が働いているというのが、経験的な法則のようなものだったわけだが、今回もそれに当てはまるようだ。というのも、菅官房長官は、この話し合いで実質的な成果が出ることを期待していたようには見えないからだ。ただ単に、話し合いの場を持って、沖縄の意見も聞いた、ということにしたいという目論見が、透けて見えてくるのである。

いわゆる「残業代ゼロ」法案を、安倍政権が閣議決定した。安倍政権は、この法案をなんとか成立させたいようで、法案にまつわるマイナスイメージの消去に躍起になっている。その一つが、この制度を、「成果に応じて賃金を支払う新たな制度」として、あたかもいいことづくめのように言い張るレトリックだ。

お笑い芸人爆笑問題の太田光が、ラヂオのトーク番組で、安倍晋三総理をとりあげ、バカだ、バカだ、と連呼したというので大騒ぎになっているらしい。安倍晋三を愛する人々は、これを反日的行為だとして、その売国的犯罪性を大いに非難しているようだ。もしも、安倍晋三総理が、太田光の言うようなバカでないのなら、この非難は一定の意味を持つかもしれない。しかし、安倍晋三という男が、太田光の言うように、本当にバカだったら、どうなのか。そんなつまらないことを考えさせることが、起こった。

朝日が「保守派の論客」のためにコラムを用意した。とりあえずその第一稿が4月3日の朝刊に載ったので、興味深く読んだ。そのコラムは保守思想家を標榜する佐伯啓思氏の「異論のススメ」というもので、デビュー作として「本当に『戦後70年』なのか」と題する小論を起稿している。

新聞調査会が面白いアンケート調査結果を発表した。最も有名な日本人は誰だと思うか(真っ先に思い浮かぶ日本人の名前は何か)という質問にたいして、欧米では昭和天皇、アジアでは安倍晋三という名が返って来たというのだ。

米紙ワシントン・ポストが、安倍総理へのインタビューの全容を、3月18日付のコラムで紹介した(David Ignatius's full interview with Japanese Prime Minister Shinzo Abe )。安倍総理が4月に訪米し、上下両院合同集会で演説する事態を前に、安倍総理の発言がどのようなものになりそうか、事前にチェックしておきたいという趣旨のようだ。

三年ほど前に「共食い」で芥川賞をとった作家田中慎也の新作「宰相A」がベストセラーになっているそうだ。題名が暗示しているように、この小説はある国の宰相、つまり首相の言動をテーマにしているのだが、その首相というのが、誰が読んでも安倍晋三のことだとピンとくる。その安倍晋三が、この小説の中では、全体主義の権化のように描かれているというので、日頃安倍晋三の言動に、親愛の感情を覚えている者も、忌避の感情を覚えている者も、こぞって関心を掻き立てられるということらしい。

辺野古の問題を巡り、沖縄の翁長知事が、埋め立て作業に関連する岩礁破砕許可の取り消しを打ちだしたところ、安倍政権は、行政不服審査法にもとづく審査請求をする方針を採用、併せて知事の移設作業停止指示を取り消すことを求めた。しかも、いつ出るかわからない採決が確定するまでの間、指示の効力を止める執行停止の申し立てを、所管官庁に行わせた。

いわゆる従軍慰安婦を巡る過去記事の一部を朝日が取り消したことを受けて、安倍政権とその取り巻きたちは、朝日に償いを求める一方、国際社会に対しては、そもそも従軍慰安婦問題なるものが存在しなかったかのような主張をしている。だがその主張は、なかなか思うような効果を上げていないようだ。先日は、従軍慰安婦についての記述を抹消するよう、アメリカの教科書会社に申し入れて断られたところだが、今度は、イギリスの大手メディアであるフィナンシャルタイムズが、中国人女性が日本軍によって、組織的にレイプされていたという話を流した(China's 'comfort women'By Lucy Hornby  )。

先日、自民党の某女性国会議員が、国会審議での与党へのヨイショ質問の中で、八紘一宇を礼賛する発言をしたと聞いた時には、どうにも笑えないものを感じたものだが、質問者と与党とのやり取りが、今の安倍政権の体質を象徴しているようで、あまりにもしらけて見えるので、あえて物言う気にもならなかった。だが、ことが深刻な割に、たいして問題にもならず、大手メディアも大きく取り上げる様子がない。こういう風景を見せられると、なんだか唇さびしい気分になるものだが、当の発言を厳しく批判した人もいたことが最近わかって、少しは安心した次第だ。

安倍政権による、超憲法的というか脱憲法的というか、要するに憲法が想定しないような動きが加速度的に進んでいる。集団的自衛権の法理に基づく自衛隊の武力行使への前ノメリな動きは、その最たるものであろう。安倍政権は、これを合理化するのに、「普通の国」という理屈を持ち出している。普通の国のあり方というのは、憲法以前の、普通の国のあるべき状態をあらわしたものなのだから、あたかもそれは、憲法を超越する論理だと言わんばかりである。

日本国の安部晋三総理大臣にとって、ドイツのアンゲラ・メルケル首相の訪日はいったいなんだったのか。民主主義を標榜する国の首脳同士の関係にしては、両者のやりとりは、ちょっとぎこちないものになった。メルケル首相は、歴史認識や原発再稼動についての安部総理の姿勢を、間接的ながら批判するような言い方を繰り返し、安部首相の面子をつぶすような印象を振りまいた。それに対して安部首相は、大事な相手とあって正面から反発するようなことは慎んだが、内心面白くなかったに違いない。その証拠に、両者が自然な握手をしたという、この手の行事にとって肝心なパフォーマンスが、和やかな雰囲気の中で交わされたという印象がまったく伝わってこない。
安倍晋三総理大臣とその取り巻き連中による「歴史修正主義」の動きが、欧米のメディアに疑念を呼び起こしている。この疑念は、さまざまな形で表明されているが、その一つとして、過去の日本の帝国主義的な拡大政策と、今日の安倍晋三総理の歴史認識との関連について考察したものを紹介したい。Centennial lessons for Abe from the '21 Demands'by Jeff Kingston Japan Times  

日本にも対外スパイ組織を整備したいとする動きが安倍政権にあるとする記事をロイターが載せている (Abe administration considering creating MI6-style spy agency 。この記事は、この組織がイギリスのM16をモデルにしているのでは、と推測しているが、まだそんなに具体化はしていない、と断っている。

自民党の某女性代議士で農林水産政務官の要職にある人が、同僚男性代議士と「不倫」をしていた現場を週刊誌にすっぱ抜かれて、ちょっとした騒ぎになっている。この女性代議士は56歳の熟年女性つまり熟女であって、相手の男性が49歳の年下で、しかも既婚だというのが、面白おかしく取り上げられた理由らしい。この女性代議士は、自分の行為を軽率だったとして謝罪し、そのすぐあとに、身体の不調を理由に入院したそうだ。

厚労省の、派遣労働を担当する現職の課長が、「派遣は期間が過ぎたら使い捨て、モノ扱いだった」と発言し、物議を醸している。この課長は、ただ本音を述べたつもりのようだが、それにしたって人を馬鹿にした話だ。派遣労働者と雖も人間だ。人間としての尊厳を備えている。それをモノ扱いして恥じない制度を、ほかならぬ行政の直接の担当者が推進する、というのは、どう見ても狂った世界の眺めと言うほかはない。

英紙タイムズといえば、世界中に現存するメディアの中では最も古い伝統を誇る。論調は保守的である。そのタイムズが、現在日本を訪問しているウィリアム王子に触れ、王子がNHKを訪問する予定でいることに、批判のコメントを出している。

文官統制を規定している防衛省設置法12条を改正して、文官統制を廃止する動きについて、メディアから意見を求められた現職の防衛大臣が、これによって文民統制はかえって強化されると答えたそうだ。なぜそうなるのか、また、この規定の歴史的意義をどう考えるのか、という質問に対しては、この大臣は答えをはぐらかした。その理由が振るっている、この法律ができた時には、自分は生まれていなかったので、そんなことは知らないというのだ。

安倍政権の某閣僚が、国の補助金を受けていた企業から寄付を受けていた問題を追及されて、大臣の椅子を棒に振ったばかりだというのに、今度は某環境大臣と某法務大臣に同じような疑惑が持ち上がっている。どちらも、国から補助金交付を受けていた企業から、かなりの金額の寄付を受けていたことが発覚した。この問題について追及された某環境大臣のほうは、自分はその企業が国から補助金交付を受けていたことを知らなかったのだから、政治資金規正法に違反することにはならず、したがって違法な行為を行ったわけではないと釈明し、それを受けた安倍晋三総理も、本人は知らなかったと言っているのだから、これは違法ではないと擁護した。

皇太子が、55歳の誕生日にあたってなされた発言を巡って、大手メディアがそれをどのように報道したか、池上彰氏のコラム「新聞ななめ読み」が取り上げている。このコラムは、とりあえず朝日を主な対象としているので、まず朝日の報道ぶりを紹介している。朝日は、皇太子の「戦争の記憶が薄れようとしている」との認識を示したうえで、「謙虚に過去を振り返るとともに、戦争を体験した世代から、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切」と話されたと伝える一方、日本国憲法についての皇太子の発言について触れていないと指摘している。

Previous 3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13



最近のコメント

アーカイブ