
山本薩夫の1961年公開の映画「松川事件」は、1949年に起きた国鉄列車転覆事件をテーマにした作品。この事件は戦後最大の冤罪事件といわれた。20人が起訴され、第一審では死刑の五人を含め全員が有罪となったが、最終的には全員無罪となった。そのことから仕組まれた冤罪といわれ、そこに国家権力の意思を見るものもある。この事件が起きた1949年ごろは、共産党や労働組合の影響力が高まり、革命を感じさせるような雰囲気もあったので、それをおそれた権力がつぶしにかかったのではないか、という憶測がなされたものである。
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