是枝裕和の2019年の映画「真実(La vérité)」は、是枝がフランスに招かれて、日仏共同制作として作った作品。かつての大女優が、女優としての末路を迎えるというような設定だが、その大女優とは、この映画の主役を務めたカトリーヌ・ドヌーヴであることは、その女優の名がドヌーヴのミドル・ネームであるファビアンヌであることからも、見え見えになっている。だからこの映画は、カトリーヌ・ドヌーヴへのオマージュとして作られたといってよい。この時ドヌーヴは76歳になっており、年齢相応の衰えを感じさせもするが、肉体の衰えを気力でカバーしてなおつりがくるといった演技ぶりを見せてくれる。彼女の娘役を務めたジャクリーヌ・ビノシュは55歳になっていたが、こちらは実際の年より老けて見えた。
最近のコメント