
イエジー・カヴァレロヴィチの1959年の映画「夜行列車」は、かれにとっての出世作であるとともに、アンジェイ・ワイダに続いて、ポーランド映画を世界に注目させた作品。ワイダの映画がいづれも高度な政治的メッセージを感じさせるのに対して、カヴァレロヴィチの映画にはそうした政治性はない。この映画「夜行列車」も、おそらくワルシャワから出発して北部の海岸へと向かう夜行列車に乗り合わせた人々の人間模様を描いている。乗客の一人が、自分はブッヘンヴァルトに四年入っていたと言うところが、唯一政治的なメッセージである。
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