日々雑感

2 日本の戦争映画
 日本の戦争映画は、時期的に、戦時中、敗戦直後、講和以降に分けて論じるのがよいだろう。
以下は二月十三日に催された四方山話の会の席上、小生が「戦争と映画」と題して行った講演の記録である。

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平成もついに三十年目を迎えた。来年は五月に改元が予定されているので、一年まるまる平成なのは今年で最後ということになる。この節目の如き年に、筆者も満七十歳になる。正直この年まで生きるとは、十年前には思っていなかったので、ありがたいことなのか、情けないことなのか、よくはわからぬが、とりあえず命のあることを実感している次第だ。何事も命あってこそ、だ。

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TIME恒例の Person of the Year に,今年はセクハラ被害について公然と発言した女性たちを、「沈黙を破る人々 The silence breakers」と命名したうえで選出した。今年は、こうした女性たちが声を上げたおかげで、ハーヴィー・ワインシュタインとかアル・フランケンといった各界の実力者が相次いで職を失い、セクハラはかならずしも得になる行為ではないという通念を、改めてアメリカ社会に喚起した。それは本来なら当たり前のことなのだが、その当たり前のことが今までのアメリカでは当たり前でなかった。正義は踏みにじられ、悪がはびこってきたのだ。そういう憂うべきアメリカを本来の姿に立ち戻すうえで、彼女らの行為には偉大な意義がある、というのが選出理由である。

今年のノーベル文学賞を日系イギリス人のカズオ・イシグロが受賞したというので、日本中が大騒ぎだ。たしかにイシグロのノーベル賞受賞は素晴らしいことだし、彼にはその資格が十分にあると思う。筆者もすなおに喜びたいと思う。

九 正義と共通善
 ロールズの議論は、正義という上位概念を持ち込んだおかげで、自由に一定の制約があることを認めた。人間は誰でも自由を無制約に行使できるわけではない。自分だけ幸福になれば、他人のことには無関心でもよいといった考え方や、他人の犠牲のうえで自分の利益を図るといったことは許されない。何故なら、そういうことは正義に反しているからだ。この場合、ロールズが正義という言葉で意味しているものは、ほとんど平等ということに近い。人間は、能力の上では不平等に生まれてくるものだが、だからといって、差別されてもよいということにはならない。まして、能力以外の要素、たとえば人種とか思想信条とかによって、差別されてはならない。人間は、自分の意志でコントロールできない要素について差別されるべきではない。何故なら、人間は基本的には平等に作られているものであって、それを否定することは人間の尊厳を踏みにじるものだからだ。ここからしてロールズの正義論からは、人間の自由の行使は、他人の自由を踏みにじらない範囲に制約されるという考えが生まれてくるわけだ。
7 ケルゼンの自由主義的民主主義論
 民主主義と自由主義とは本来異なる概念であり、両者は必ずしも密接に結びつくべき必然性を持たないとするシュミットの主張とは対照的に、民主主義と自由主義とは、歴史的に密接に結びついてきたばかりか、理論的にも結びつくべき運命にあると主張する立場もある。ハンス・ケルゼンはその代表である。ケルゼンは、民主主義というものは、自由と平等を目的としており、定義からして自由主義と不可分のものであると主張した(ケルゼンの議論は「デモクラシーの本質と価値」に手際よく要約されている)。彼も、議会主義が必ずしも民主主義と必然の結びつきをもたないとする点ではシュミットと一致するが、しかし彼のいう議会は、民主主義を実現するための一つの手段として観念されており、シュミットの言うような意味での、自由主義のための機関ではない。
5 シュミットによる自由主義批判
 議会主義と、その基盤となる自由主義についてこのように整理したうえでシュミットは、自分自身の立場を明らかにする。それを簡単に要約していうと、権力の集中と国家の役割の拡大というものである。

3 シュミットの民主主義論
 ここでテクストの「現代議会主義の精神的状況」を踏まえながら、シュミットの民主主義論がはらんでいる問題について考えてみたい。
 四方山話の会の平成廿九年九月の例会で、筆者は「民主主義と正義」をテーマにして、一時間ほど話をした。以下はその際に用いた原稿である。このテーマを筆者が選んだ理由は、本文にも触れているとおり、近年民主主義という言葉が安易に使われ、その結果人々が民主主義について鈍感になっているとの危惧を抱いたことによる。そこで、民主主義という概念の内包と外延を明らかにすることで、民主主義についての人々の認識を曇りのないものにしたい、そう願ったわけである。その際にシュミットを議論の手がかりにしたのは、シュミットが民主主義を以て独裁を基礎づけたことで、民主主義の問題点を逆説的に解明したと考えるからだ。以下、筆者の議論の内容を五回にわけて紹介したい。

かつて勝海舟は、咸臨丸に乗ってアメリカまで旅し、当地の人々と歓談を交わす中にも、日本は西洋諸国よりあらゆる面で遅れているが、ひとつだけ自慢できることがある、それは女が間男をしないことだ、西洋の女は必ず間男をするが、日本の女は決してそんなことをしない、だから男たちは安心して公務に奔走することができる、という趣旨のことを述べたそうだ。

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久しぶりに晴れ間が出たので、デジカメを提げて長津川へ出かけてみた。先日、水路の下流で、例のカルガモの親子が九羽揃って泳いでいるところを見たので、今日もまだいるかもしれないと期待しながら出かけて見たのだった。ものの本などによると、カルガモのヒナは孵化して二か月後に独り立ちし、それを契機に母子関係を清算するとあったので、今年の五月初めに孵化したこのヒナたちも、それぞれ独り立ちして、めいめいどこかへ去ってしまったのだろうと思っていた矢先に、親子全員揃っているところを見たので、非常に懐かしい気がしたものだった。

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筆者の家の近くの水路で初めてカルガモの親子を見たのは、ちょうど二か月前のことだった。孵化したばかりと思われる雛が八羽、母親のそばにくっついて、必死になって生きようとしていた。そのカルガモは、いまではすっかり母親と同じ大きさになった。ものの本によればカルガモは、孵化して二か月で自立し、飛翔できるようになるというから、この子たちが独り立ちする日は近づいているのだろう。

明日六月十九日から同二十八日までの十日間、小生はドイツに旅行します。ついてはその期間中、当ブログの更新を休止しますのでご了承ください。なお、旅行中の見聞等については、帰国後別途記事にして、当ブログ上で報告する所存ですので、どうかご期待ください。

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先日(六月六日)、しばらく見かけなかったカルガモの母子を久しぶりに見てうれしくなったことを紹介したが、その後再びカルガモの姿は杳として知れなくなった。最近は雑草が生い茂っていることもあって、その姿を見るのが困難になったせいだろうか、そんなことを思いながら、昨夜などは家人にそのことについて話したら、もう大きくなってどこかに飛んで行ってしまったのではないの、と言われたのだが、雛はまだ飛べるほど成長していないようだ。それに、前述したように、この水路は上流にも下流にも結構大きな落差があって、雛には超えるのが難しい。

いつものように長津川公園を散策し、調整池の土手をジョギングして疲れた体をベンチで休める。いつもだと鳩が沢山寄ってくるところだが、最近はその姿をめっきり見かけなくなった。このことで不審な思いをしていることは、先日のブログで書いたところだ。今日は、鳩の代わりに雀の夫婦が寄って来た。

筆者の家の近くにある長津川公園の水路でカルガモの母子を始めて見たのは、五月の連休の最後の日だった。それからちょうど一か月がたった。実はこの数日、この母子の姿を見なかったので、どうしたのかと心配していた。この水路は、上流側にも下流側にも結構大きな段差があって、雛がそれを超えるのは至難のわざだと思われるから、それらの段差に挟まれた百メートルほどの狭い境域がこの親子の生活圏のはずなのだが、その生活圏のどこにも見かけなかったので、果してなにがこの母子に起ったのかと、かなり深刻に心配していたのであった。

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先日(五月五日)、筆者の家の近くにある長津川の水路でカルガモの親子を見かけたことを紹介したが、あれ以来筆者は毎日のように彼らを観察してきた。出会って以来たった十日しかたたないが、雛は大分成長したように見える。今日は彼らが草むらで休んでいるところを見て、カメラにその姿を収めた。ご覧のように、母親を囲んで八羽の雛たちが気持ちよさそうに日向ぼっこをしている。

先日、筆者の家の近くにある長津川調整池公園で一冬を過ごした鴨が、桜の花が散るのを見届けて、北の方へ去っていったことを紹介したが、今日(五月五日)、いつものようにその公園を散歩していたら、いきなり三羽の鴨がけたたましい声を上げながら、小生の目の前を飛んで横切った。三羽のうち一羽は、そのまま目先の溜池に下りて行ったが、残りの二羽は反対方向へ向きを変えて飛び去った。その姿を見た筆者は、飛び去った鴨の一部が舞い戻ったかと思って、それにしても変な話だと思いつつ、散歩を続けた。

先日、筆者の家の近所にある長津川調整池公園に桜が咲いた光景を紹介したが、その桜が昨日来の嵐ですっかり散り果てた。それと共に、昨日まで見られた鴨が一羽残らず見えなくなった。おそらく北の方へ去って行ったのだと思う。桜の花が散るのを見届けて。

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