「聖アントニウス」中央画面の右下部分には、いかにもボスらしいリアルな化け物たちが描かれている。そこは水溜りになっていて、水は中央部分にぽっかりと口を開いた穴を通って、地下へと流れ込んでいる。ということは、ここが地獄の入り口三途の川である可能性を示唆している。
2012年12月アーカイブ
インドのニューデリーで先日発生した集団レイプ事件には、インド事情に詳しくない筆者などには、わからないことが多すぎる。まずこの手のレイプ事件が、インドでは珍しくなく、事件が起きたニューデリーでは、女性は常にレイプの危険にさらされていると報道されていることが一つ。もう一つは、この事件を契機にして多くのインド人がデモンストレーションに立ち上がり、この事件をめぐる政府の微温的な対応に、ノーをつきつけていることだ。
リチャード三世といえば、シェイクスピア劇に出てくるキャラクターの中でもとびきり迫力ある人物像だ。そのとびきりさと言うのは、自分にとって邪魔になりそうな人間を殺しつくした残虐さにおいてである。リチャード三世はまた、歴史上に実在した人物でもあった。彼は1483年から1485年までの約2年間、イングランドの国王として君臨していたのである。
「へびつかい座ゼータ星(Zeta Ophiuchi)」は、本来ならシリウス並みの明るさをもつ星のはずだが、周囲にただよっている星間塵のために光をさえぎられて、あまり明るくはみえない。その姿をスピッツァー宇宙望遠鏡が撮影した。(上の写真の中央:NASAから)
ヴィクトリアピークは標高552メートルの山で、香港島では最も高い山だ。ここからは香港の市街が一望でき、夜景見物の名所ともなっている。この絵は、その展望台の様子を描いたものだ。
写真(APから)は、オハイオ州のコロンバス動物園で暮らすローランド・ゴリラのコロ。このメスのゴリラは、このたび56歳の誕生日を迎えたが、これは世界中の動物園で暮らすゴリラの中では最年長なのだそうだ。ゴリラの平均的な寿命は、野生の場合には40-50年と云われているから、彼女は非常な長生きゴリラだといえる。
NHKスペシャルが特集していた番組「日本国債」を興味深く見た。いまでは磐石の信用力を誇るといわれる日本国債だが、その信用がいつまでも続く保証はない。実際に国・地方合わせた日本の政府部門による借金は1000兆円、そのうち日本国債の割合は700兆円あまり、国の一般会計予算の8年分に達する。こんなに巨額の借金をしている国は、先進国では日本以外どこにもない。
「聖アントニウスの誘惑」の中央画面は、アントニウスにとって人生最大の試練の場となった地下墓地での光景を描いている。画面やや右手に地下墓地に入っていく入り口が描かれ、その前に(画面のほぼ中央に)跪いてこちらを、つまり絵を見る人に表情を向けているアントニウスが描かれている。その周囲には画面全体にわたって、アントニウスにとって試練となった様々な出来事が描かれている。
アメリカ映画「レ・ミゼラブル」を見た。ロングランを記録したミュージカルを映画化したもので、原作はヴィクトル・ユーゴーだ。その原作を筆者が読んだのは、小学生の時。「ああ無情」と題された児童向けの翻訳書を図書館から借りて読んだことを覚えているが、ジャンバルジャンが心を入れ替えたにも拘わらず、警察に追われ、逃げ回るところが印象に残っている。ミュージカルの方は見たことはないが、聞くところによれば、原作をかなり忠実に再現しているということだ。そしてこの映画は、そのミュージカルの舞台をほとんどそのままスクリーンに移し替えたものだという。
「こんんちは」と商人が言った。
その商人は、喉の渇きを静める錠剤を売っていたのだった。それを週に一錠飲むと、水を飲む必要がなくなるのだった。
今年(2012年)の秋に中国華南地方を旅したとき、何枚かのスケッチを描いて、帰国後水彩画に仕上げた。これはその一枚、香港島を描いたものだ。
韓国の大統領選が行われ、与党セヌリ党の朴槿恵(Park Geun-hye)女史が勝利した。投票率は51.6パーセントで、民主統合党の文在寅(Moon Jae-in)の得票率48パーセントをわずかに上回った形だ。これには色々な見方があるが、両候補の政策にあまり違いがなかったので、国民は安定を優先させたのだろうという見方が強いようだ。
中国の新興宗教「全能神」が社会不安を煽り立てているとして、当局が取り締まりを強化しているそうだ。新華社通信によれば、最近一週間で、青海省で400人の身柄が拘束されたほか、福建、広東、四川、湖北、江蘇などで計100人を超えた。
三連祭壇画「聖アントニウスの誘惑」は、数あるボスの聖人画の傑作であるのみならず、生涯の画業の集大成と言ってもよい。テーマの解釈と言い、画面構成と言い、豊かな色遣いと言い、ボスの特徴と言うか、長所がことごとく盛り込まれている。
「こんにちは」と転轍手が答えた。
「ここで何をしてるの?」
「旅人達の行先を、千人単位で選んであげてるのさ」と転轍手は答えた。「旅人達を乗せてる列車の方角を、右にしたり、左にしたりしてね」
東京駅が、5年間に及ぶ復元工事の結果、開業時の姿で蘇り、今年(2012年)10月1日にオープンしたというので、しばらくたってから出かけてみた。この絵はその時のスケッチをもとにした水彩画だ。
NASAの天文学研究チームが、ハッブル宇宙望遠鏡のもたらしたデータをもとに、観測史上最古の銀河を観測したそうだ。7つあるそれらの銀河のうち、最も古いものは、今から133億年前、ビッグバンから3億8000万年後にできたと考えられる。残りの6つも、ビッグバン後6億年までの間にできたと考えられるという。
ロシア議会(ドゥーマ)で売春合法化にかんする議論がなされているそうだ。目下のところその是非について論議するというもので、即法案議決と言うことではないらしいが、合法化についての同意が広がれば、法案化され、場合によっては国民投票を経たうえで、実施される可能性があるという。
三日目(12月3日)は、日田の町を散策して後大分空港に戻るというのんびりしたコースだった。それ故出発時間にも余裕があった。そこで、昨夜入らなかった露天風呂にも浸かることにした。まだ夜明け前だったので、暗い中を名残の月を眺めながら湯に浸かった。夜が明けていれば、阿蘇の連山が目前に見えるということだ。
聖アントニウスは、3世紀半ばから4世紀半ばにかけて、エジプトに生きていた聖人だ。その生涯については、司教アタナシウスが「聖アントニウス伝」としてまとめたところだが、それによれば、聖アントニウスは悪魔の誘惑との戦いを経て、偉大なキリスト者としての評判を確立し、晩年は多くの弟子と共に、修道院的な生活を送ったということになっている。それ故、聖アントニウスは修道院の創設者とも目されている。
黒川温泉の街は渓流が削った深い谷の底に展開している。我々はその谷を登ったところの高台に建っているホテルに投宿した。三愛高原ホテルといって頗る眺めがよいのが売りだという。我々が着いたのは午後四時頃で、まだ日が沈むには間があり、雨も止んでいたのだが、生憎風景を眺めることはできなかった。空はまだ厚く閉ざされたままだったのである。
「どうせなら、同じ時間にあったほうが良かったね」と狐は言った。「たとえば、君が午後の4時に来ることがわかっていたら、三時から僕は嬉しくなり出すだろう。時間が四時に近づくにつれて、僕のうれしい気持ちは強くなる。四時になるとぼくは、そわそわして、飛びあがるかも。そんな儀式が必要だよ」
「儀式って何?」と王子は言った。
「それも、忘れられてしまったことだけど」と狐は言った。「それは、一日を他の一日から、一時間を他の一時間から、区別させるものなんだ。たとえば、ハンターにも儀式があるとするよ。ハンターたちは、毎週木曜日に、村娘とダンスする習わしになっている。だとすれば、木曜日は特別の日だ。その日には僕は、ブドウ畑まで安心して散歩できる。もしダンスをする日が決まってなければ、それぞれの日には違いがなくなり、僕も安心して休めなくなる」
ちびっこ王子が狐と出会ったのは、その時だったんだ。
「こんにちは」 と狐がいった。
「こんにちは」 と王子は丁寧に返事して、後ろを振り返ったけれど、なにも見えなかった。
「ここだよ、リンゴの木の下だよ」と狐はいった。
「誰だい、君は」と王子はいった。「とってもかわいいけど」
「狐だよ」と狐はいった。
「こっちへ来て、いっしょに遊ぼうよ」と王子は狐に言いかけた。「ぼく、とても悲しいんだ」
「君と遊ぶわけにはいかないよ」と狐は言った。「人間と仲良くすることはできないから」
「そう、ごめんね」と王子はいったけど、しばらく考えた後で、「<仲良くする>って、どういう意味?」と付け加えた。
二日目(十二月二日)は、六時に起床して朝風呂を浴び、朝餉を喫して後、八時頃ホテルを辞す。しかして湯布院温泉の一角にある金鱗湖なるところに立ち寄る。水中より温泉が湧き出るという。たしかに水面から湯気が立ち上っている。湯気は水面からのみならず、山の中腹からも勢いよく立ち上っている。このあたりは、山腹と言わず、水中と言わず、いたるところから温泉が湧き出ているようである。
例のあひるの仲間たちと九州へ紅葉を見に行こうということになり、一時は五・六羽で宮崎・鹿児島の温泉巡りをしようというところまで煮詰まったのだったが、結局なんやらかんやらでおじゃんとなり、その代わりに都合のつく者同士でこじんまり行こうということになった。参加したのは筆者のほかに横・今の二子、行先は湯布院・黒川温泉プラス高千穂峡というコースだ。今子が幹事役になって設定してくれた。筆者はただ乗っかるだけである。
先日の中国共産党大会で新しい指導部に選ばれたメンバーは、来年3月の全人代(中国の国会に当たる)で任命されることによって、正式に国家機関のポストにつけることになっており、したがって現在は待機状態にあるといってよいが、実質的には、すでに新しい指導者として動き出している。その中でも内外から最も注目を浴びているのは李克强(Li Keqiang)だ。
新橋駅で下車した我々は、首都高速の高架下にある「土風呂」と言う店に入った。若者向けの居酒屋だが、老人老女にも十分楽しめる店だ。それぞれの席がパーティションで仕切られ、個室感覚なのがよい。今どきは、こうした半プライベートな感覚が大いに流行っているのだという。
パトモスの聖ヨハネは、「ヨハネによる黙示録」の著者である。新約聖書の中で、予言的な性格が強いこの著作は、福音書はじめ新約の他の著作とは、大きな対照をなしていると捉えられてきた。
でも、長い時間、砂や、岩や、雪を突き抜けて歩いているうちに、ついに一本の道に出会ったんだ。その道の先には、人間の住んでいる場所があった。
イスラエルのネタニヤフ政権が、ヨルダン川西岸へのユダヤ人入植地拡大方針を打ち出した。国連がパレスティナをオブザーバー国家として認定したことに対する報復措置だというのがもっぱらの見方だ。イスラエルは1975年にも、国連がシオニズムを強く批判したことへの報復として入植政策を拡大したことがあったが、今回はその時の状況とよく似ている、と専門家は見ている。
昼食後鎌倉駅から江ノ電に乗った。熟女たちは電車の窓から海が見たいという。そこでもし海が見えたら、見えるはずの方の窓に熟女たちを案内した。しかし海が見えないうちに、電車は目的地の長谷についてしまった。みなさん残念でしたね。
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