2013年1月アーカイブ
山田洋次監督作の映画「東京家族」を見た。この映画を山田監督は、おととし(2011年)の秋に公開する予定で準備を進めていたところ、3.11が起きた。そこで、3.11に何も触れないまま映画作りを進めてしまったら悔いを残すことになるだろうと考えた監督は、いったん映画作りを中断し、シナリオを書き直し、キャストも変更して、改めて映画作りをした。その結果がこの「東京家族」となった。
筆者にとってのアルチュール・ランボーは、少年詩人としてのランボーだった。彼がまだ十代の若さで詩を作ることをやめ、忽然と姿をくらました後のことについては、殆ど何も知らなかった。三十七歳になった彼が、マルセーユの病院で片足を切断され、それから間もなく死んだということは知っていたが、彼が詩を捨ててから命を失うまでの間に、どんな生き方をしていたかは、ほとんど知らなかったのだ。
銀座の一角、数寄屋橋交差点の近くに小学校がある。泰明小学校だ。東京の小学校の中でも伝統のある学校で、卒業生には嶋崎藤村や北村透谷などがいる。開校したのは明治12年のことだが、現在立っている校舎は昭和4年に建てられた。いわゆる震災復興学校といわれるものの一つだ。隣接する数寄屋橋公園は、避難場所として整備されたものだ。
昼食を食べ終わった後、箱根神社にお参りしようということになった。新年会を兼ねた旅行だから、初詣気分の延長だったのかもしれない。
未明隣室より漏れ聞こえてくる熟女たちの話声で目をさます。そのまましばらく布団のなかで温もっていたが、やおら飛び出すと浴衣姿で浴場に行き、湯につかった後髭を剃った。昨夜とは男女所を入れ替えてあったので、婦人用の小さな浴室だったが、これが四十二度のお湯しかないとあって、体が十分に暖まらない。中途半端な温まりようで部屋に戻り、テレビなどを見ているうちに、M女が食事の用意ができましたよと言って迎えに来た。
投宿先は大和屋といって、宮ノ下温泉の一角にあるが、これが簡単にはたどり着けないようになっている。渓流の流れている谷間の底にあって、そこに行くには温泉街の道端からゴンドラに乗って下りて行かなければならないのだ。そのゴンドラというのが、いかにも頼りなげで、いつ落ちても不思議ではないといった代物なのだった。我々はそのゴンドラに恐る恐る揺られながら、旅館のある谷底へと降りて行った次第であった。
スタートした社会保障改革国民会議の席上、麻生太郎副総理が終末期医療について意見を述べた中で、「さっさと死ねるようにしてもらうとか、いろんなことを考えなければいけない」などと発言したそうだ。麻生さんはまた、終末期の患者を「チューブの人間」と表現し、「私は遺書を書いて、そういうことはしてもらう必要がない。さっさと死ぬから、と書いて渡してある・・・いい加減死にてえなあと思っても、とにかく生きられますから、なんて生かされたんじゃかなわない。しかも、その金が政府のお金でやってもらっているなんて思うと、ますます寝覚めが悪い」といったそうだ。
豊穣たる熟女たちとともに、新年会を兼ねて箱根に一泊旅行をした。宮ノ下の堂ヶ島温泉というところに宿をとり、ロープウェーに乗って芦ノ湖まで足を延ばし、できれば旧街道を歩きたいなどと、なかなか欲張りな計画を立てたのだったが、あいにく旅の直前に大雪が降って、とても登山道を歩く騒ぎではないということなので、出来る範囲で、無理なく歩こうという心つもりで出発した次第だった。
大鵬と言えば、筆者のような団塊の世代の日本人にとっては、少年時代の憧れの力士だった。12勝3敗の好成績で衝撃的なデビューをしたのが昭和35年の初場所。そのとき筆者は小学校の五年生だったが、彗星のように現れたこの力士に日本中が盛り上がったのを覚えている。その後順調に出世を重ね、柏戸とともに相撲界をリード、柏鵬時代と言われる相撲の黄金時代を演出し、自身三十二回の優勝を達成した。この記録はいまだに破られていない大記録だ。いかに偉大な横綱だったかが良くわかろうというものだ。
これは、新しい東京駅の北口を描いたものだ。かつて、改装前の東京駅を全く同じ角度から描いたことがあった。それと見比べると、どこがどのように変ったのかがよくわかる。
今年のMLBにはホール・オヴ・フェイマーが一人も誕生しなかった。1996年以来のことだという。1996年の場合には大物がいなかったという事情があったようだが、今回は違う。文句ない大記録を打ち立てたあのバリー・ボンズとロジャー・クレメンスが選出対象になったにもかかわらず、彼等も基準を満たす投票数が得られなかったのだ。それだけではない、マーク・マグワイアやサミー・ソーサといった大物も、いまだ選ばれれてはいない。いわゆるドーピング問題が彼らの頭上に漂っているせいだ。
十字架を担うキリストの像を、ボスは少なくとも3点描いているが、その最後のものがこの絵である。ボスの最高傑作と言ってよい。
ホビットといえば、児童文学の傑作だ。筆者も昔読んだことがある。それが三部作として映画化され、その第一部「思いがけない冒険」が上映されるとあって、早速見に行った。非常に面白かった。
「今夜で、ちょうど一年なんだ。今夜はぼくの星が、ぼくが地球に落ちてきた場所の真上にくるんだ。
「ねえ、蛇のことも、待ち合わせのことも、星のことも、夢の中の出来事なんじゃない?」
王子は、この質問には直接答えないで、こう言った。
「大事なことは、目では見えないんだ」
井戸のそばに、石でできた古い壁の廃墟があったんだ。次の日の夕方、飛行機のところから戻ってくると、王子がその壁の上に、脚を垂らして座ってるのが見えた。何かを話してるみたいだった。
「覚えてないの?」と王子は言った。「ここじゃ、ないよ」
誰かが答えたようだった。王子はそれに反論したんだ。
「わたったよ、その日だってことは。でも、それはここでじゃないんだ」
隆興元年(1163)五月に鎮江府通判に任命されて陸游は翌二年に当地に着任したが、その翌年乾道元年(1165)七月には隆興府(江西省南昌)通判に転任し、同二年(1166)四月にはついに職を免ぜられ、郷里の紹興西郊に新築した家に引きこもることになった。それ以降、乾道六年(1170)閏五月に新任地夔州(四川省)に向けて出発するまでの4年ほどのあいだ、陸游は浪人生活を送った。
澳門の歴史市街地区にある建物の中でもっとも美しいとされるのが、この聖ドミニク教会だ。ポルトガル風のファサードがチャームポイントになっている。
この数年間における惑星発見のスピードには著しいものがある。当初は新しい発見があるたびにビッグニュースになったが、最近はそうでもなくなった。と言うのも、惑星と言うものは、当初考えられていたほどに珍しいものではなく、我々の天の川銀河に限っても夥しい数の惑星の存在が明らかになってきたからだ。一番最近の研究は、天の川銀河には数百億、最大1千億の惑星が存在することを突き止め、そのうちの100億以上が地球と同じような岩石型の惑星であるということを明らかにした。
會津の女傑として知られる山本八重の生涯をテーマにしたNHKの大河ドラマ「八重の桜」が始まった。筆者はかねてから期待していたので早速見た次第だ。初回早々に會津城攻防の場面が出てきて、男装した八重が鉄砲を撃つシーンもあったりして、この先なかなか面白くなりそうなことを予感させた。
「聖アントニウスの誘惑」の右翼画は、美女に化けた悪魔が聖アントニウスを誘惑するシーンを描いている。木のウロから裸体をむき出した女が聖アントニウスに向かって、ウロの中に入って来るように誘っている。木の上には赤い布がかぶせられ、その脇では魔女が化け物に酒を注いでいるが、これは愛の館のパロディなのである。
築地の初セリが行われ、227キロの青森県大間産まぐろ一本がなんと1億5500万円で落札されたそうだ。昨年は一本5600万円の高値を記録し世間をあっといわせたところだが、今年は一気にその三倍を記録したわけだ。
安倍内閣の顔ぶれを見ると、党の重鎮や中堅を交え、実務能力に配慮した安定感のある布陣だというイメージを与えている。5年前に内閣を組んだときには、自分に近い者で固めて「お友達内閣」などと批判された。今回はそのことを教訓にして、少しでも国民の支持を得られるような内閣を作りたい、という安倍さんの気持ちが伝わってくる。
「人間て」と王子は言った。「列車に乗り込んでも、何を探しにいくのか、わかってないんだ。ただ無闇に、騒ぎ回ってるだけなんだ」
そうして、こう付け加えた。
「てんで、無意味だよ・・・」
巨大な鼻で知られるフランス人俳優ジェラール・ドパルデュー(Gérard Depardieu)氏が、このたびロシアの国籍を取得し、晴れてロシア人になることができたそうだ。これで、フランスの高い税金から逃れて、稼いだ金を存分に自分のために使うことができる。氏はそういって、ロシア人になれたことを喜んでいるという。
長崎が、香港、モナコとともに世界新三大夜景に選ばれたことで、多くの観光客が長崎を訪れているそうだ。筆者も、稲佐山の上から長崎の夜景を眺めたことがあるが、山と海をバックに広がる市街地の夜景が何とも印象的だったのを覚えている。
この正月、香港では、香港政府のトップで親中派の梁振英(Leung Chun-ying)行政長官の辞職と民主主義の拡大を求める大規模な抗議デモが行われた。デモの発端となったのは、梁振英氏が建築法規に違反して自宅を増築したことが発覚したことだった。半年前に行われた長官選出選挙の際には、自分自身が対立候補の違法建築の事実を厳しく批判していただけに、その無節操ぶりが香港市民の怒りを買った形だ。
澳門の旧市街には古い建築物が集まっていて、世界遺産に登録されているものもいくつかある。その旧市街の中心部がセナド広場。広場を囲んで様々な建物が並んでいるが、これは民生総署といって、ポルトガルの澳門支配の拠点となった役所だ。
日本の自治体にはアメリカ型の大統領制が採用されているというふうに、一般的には理解されているので、アメリカの統治システムは、日本の自治体のそれに似ているのだろうと思いがちだが、実はこの二つは重大な点で異なっている。ひとつは、日本では議会が首長を不信任でき、これに対して首長は議会を解散できるのに対して、アメリカの場合には、両者は相互に不信任することができず、あくまでもそれぞれ法定の任期を全うすることになっていること。もう一つは、日本の首長には議案の提出権があるのに対して、アメリカの場合には、法案を提出できるのは議会だけであり、大統領は法案に賛成できない時には、拒否権を発動しうること。この二点である。
所謂財政の崖(Fiscal Cliff:増税と政府歳出カットのダブルパンチ)を巡って交渉を続けてきたオバマ大統領と議会との間で妥協が成立し、最悪の事態は回避されたと伝えられた。それにしても、きわどい妥協だった。崖の裂け目が開く日の前日の、それも夜に入ってからのことだ。まず上院で可決し、下院ではその翌日以降に採決される見通しだという。法案の取り扱いをめぐって、大統領と議会がこれほど鋭く対立したのは、近年まれなことだ。
毎年元日にはその年の干支を水彩画で描いてホームページにアップするのが習わしになっているので、今年もその例に従いやってみた。今年の干支は蛇である。蛇と言うのは、形からして絵になりにくい。だから敢えて絵にしようと思うと、このように多少の工夫をしなければならない。その工夫が果して実を結んだかどうか、その評価は読者にお任せしたい。
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