2013年2月アーカイブ

英誌エコノミストが、千葉刑務所を例に挙げて、日本の監獄の特異な点について強調している。イギリスでは監獄と言えば、うるさくて、きたなくて、暴力的というイメージが強いが、日本の監獄は、静かで、清潔で、秩序正しく、まるでスパルタの復員戦士の施設を思わせるというのである。
アンチノミー(二律背反)に関するカントの議論は、理性概念としての理念(イデア)を論じるときに人間が陥りやすい罠について、その原因とそれが生じる必然性のようなものについて論じたものである。先に取り上げた誤謬推論や神の存在証明にまつわる議論と並んで、カント哲学のハイライトともいうべき部分である。

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エル・グレコ展が上野の都立美術館で開かれているというので見に行った。この美術館は老朽化のため改修工事が施され、昨年その工事が終わったばかりだそうだ。改修だから外観はそっくりそのまま引き継がれている。

「痴人の愛」などを読むと、谷崎潤一郎にはマゾヒズムの傾向があったのではないかと思わせられるところがあるが、実際谷崎にはそういう傾向があったとする者がある。谷崎好きの作家河野多恵子である。河野は谷崎を「心理的マゾヒスト」と呼んで、その傾向が一時期の谷崎文学を著しく彩ったと評している。

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テキサス州選出の共和党上院議員テッド・クルーズ(Ted Cruz)の極右的なパフォーマンスが話題になっているが、先日は同じ共和党員でありながら、オバマ政権の国防長官に指名されたチャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)に対して、公聴会の席上、彼の思想信条を巡って露骨な非難を繰り広げた。それがあまりにも異常だったので、共和党の同僚でさえ「はめを外している(out of bounds)」と批判したそうだが、雑誌ニューヨーカーの人気記者ジェーン・メアー(Jane Mayer)は、クルーズをかつての反共チャンピオン、ジョゼフ・マッカーシーに譬え、その姿勢に警鐘をならす一文をニューヨーカー誌上に投稿した。

「国家理性」の概念は、マイネッケが「近代史における国家理性の理念」の中で展開したものだ。それには、支配者が被支配者を支配・統合するための行動理念という側面と、国家の他の国家に対する場合の行動理念という、二つの側面があるが、丸山真男はそのうち、近代国際社会における、国家間の関係を律する行動理念としての側面を強調して、「近代日本思想史における国家理性の問題」という小論を書いた。(未完結ではあるが)

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ワシントン・ポストによれば、今ロシアではメドヴェージェフを標的にした侮辱や排撃のキャンペーンが流行っているそうだ。そしてそうしたキャンペーンを、プーチンは黙認しているという。そればかりか、プーチン自身メドヴェージェフを露骨に避けているともいう。これは、メドヴェージェフ失脚の予兆ではないか、というのである。この二人はつい最近まで大統領と首相を二人三脚のように努めており、いまはその役割を取り換えた状態で、双頭体制を継続しているわけだが、そこにひびが入りつつあるということらしい。

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晩年のデューラーは公開を前提とした自画像を描くことはなかったが、自分自身のスケッチはいくつか残している。これは、鏡に映った自分の裸体を描いたスケッチである。(1505年、紙にペンと筆、29.2×15.4cm、ワイマール、シュロス博物館)

安倍首相が米紙ワシントン・ポストと行ったインタビューについては、筆者も当該のワシントン・ポストの記事を読んでいた。それが中国に対してかなり挑発的に聞こえたので、ただでは済むまいと思ったところだったが、果して中国側からの激しい反応があった。ところが、その反応があった直後、菅官房長官が、ワシントン・ポストはインタビューの内容を正確に伝えていないと言い始めた。いったいどうなっているのだろうと、不思議に感じた次第だが、当事者のワシントン・ポストのほうは、そのことに関して、自分たちは正確に伝えたつもりだという趣旨の記事を、24日のWEB版に載せ、またインタビューの内容を英訳したものもアップした。ワシントン・ポストによれば、日本政府はこの英訳が間違っていないと確認したそうだ。

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増上寺を辞去した後、マラソンの様子を見ながら日比谷通りを新橋方面に歩いていったら環状2号線(通称マッカーサー道路)整備用地との交差点に差し掛かった。そこから虎の門方向を見ると、写真のような高層ビルが建ちあがりつつあるのが見えた。この道路は再開発手法で計画されているのだが、その中核となるのがこのビルだ。

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東京を描く市民の会の月例スケッチが芝増上寺で開催されるというので、集合時間の10時前に現地に出かけてみた。浅草線の大門駅で降りて、途中町の風景をカメラに収めながら解脱門に近づいていくと、何やら変った雰囲気が立ち込めている。聞けば東京マラソンが開催中で、解脱門の前の日比谷通りがそのコースになっているせいで、大勢の人が応援に駆け付けているのだという。筆者が解脱門の前にたどりついたのは、9時45分頃だったが、その時にはすでに、車椅子マラソンの先頭グループが折り返し点から戻ってきて、浅草方面に向かって疾走しているところだった。やがて、招待選手らからなる先頭集団が大きな塊となって通り過ぎて行った。

エミリー・ディキンソンの詩から「醸されていない酒(I taste a liquor never brewed)」(壺齋散人訳)

  醸されてもいない酒を
  真珠をくりぬいたジョッキで飲む
  ラインの酒樽の中にさえ
  こんな上等なアルコールはない

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シリアの内戦が泥沼化し、国家の崩壊が懸念されるようになってきた。これまでに死んだ人の数は7万人以上(一説には9万人以上)、行方不明者は数万人、アサド政権により拘束されている反体制派の国民は15万~20万人ともいわれる。また200万人が家を失い、国境を超えて亡命したものは100万人以上に上るという。まさに国としての体裁を失いつつあるといえる。

陸游が南鄭にいたのはわずか半年ばかりのことだが、その半年は中身の濃い時間だった。金との国境に近く、長安はすぐ目の前にある。陸游は、金の占領地に攻め入って、長安を取り戻し、宋を再興することを願っていた。それ故、毎日が緊張した日々だったのである。
サッカーやラクロスといったスポーツでは、女子の方が男子より脳震盪になる確率が高い。それには頭の大きさに比べた首の大きさや強さが関わっている。そんな研究結果を、スポーツ医学の研究グループがまとめたそうだ。

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安達が原の人食い鬼伝説を能にしたものを、観世流では「安達が原」といい、他の流派では「黒塚」という。両者をあわせると「安達が原の黒塚」となり、鬼の住処を表すというわけである。しかし伝説と言っても、古来あったものではなく、能が先にあって、其れが民間に広まったということらしい。

先日コンビニ大手のローソンが、安倍首相の賃上げ要請に応えるかのように、従業員の賃上げを発表して喝采を浴びた。筆者なども、こうした企業が増えることは、日本の景気の先行きにとって好ましいことだと思った口だ。しかし、その内容をみると、必ずしも褒められたものではないようだ。
カントが「純粋な理性の誤謬推論」と呼んだものは、「心」の問題についての人間の誤った考え方を批判するための概念装置である。「心」とは人間の精神の働きを統一しているものとして、我々人間にとっての根本的な理念であるといえるものなのだが、この理念に実在性を付与して、「心」が恰も自立した存在者としての実体であるかに考えることから、誤謬が生じる。カントはそうした誤謬をもたらす推論を「誤謬推論」と名づけたわけである。
谷崎潤一郎と佐藤春夫との間でなされたいわゆる「細君譲渡事件」は、大方の人にとっては、どちらかというと佐藤の方が谷崎の妻に横恋慕して、挙句の果ては略奪したのであり、谷崎は被害者だったのだと思っているのではないか。筆者なども一時はそう思っていた。しかし、実際にはそうではなく、これは何から何まで谷崎が意図的に仕掛けたことなのであり、谷崎の妻千代夫人も佐藤も、谷崎に振り回されたのだということが明らかになってきた。その辺を明らかにするとともに、千代をめぐる第三の男の存在についてもとりあげて追及したのが瀬戸内寂聴尼の「つれなかりせばなかなかに」という本である。
丸山真男は、日本は三度にわたって開国のチャンスを迎えたと言っている。(開国「忠誠と反逆」所収)室町末期から戦国時代にかけてがその第一、明治維新がその第二、そして昭和の敗戦がその第三である。「開国」と題した小論では、第二の開国たる明治維新について考察を加えている。

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1500年の年紀が記されたこの自画像は、デューラーが油彩で描いた最後の自画像である。そのすさまじいまでの迫力から、西洋絵画史上自画像の最高傑作とも呼ばれ、また、そこに込められた絵画外の意味についての様々な憶測を呼んできた。

エミリー・ディキンソンの詩から「手負いの鹿(A Wounded deer leaps highest)」(壺齋散人訳)

  手負いの鹿こそ最も高く飛び上がると
  猟師が話すのを聞いたことがある
  それは断末魔の痙攣なのだ
  それを草むらが静かに受け止めるのだ

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昨日(2月14日)ロシア中部チェリャビンスク付近に落ちた隕石は実は小惑星だった。NASAの分析によれば、この小惑星は直径が17メートル、重さが約1万トンあった。これだけ大きいから破壊力も相当なもので、地上20キロメートルで爆発した時点では、広島型原発の30倍に相当する500キロトンのエネルギー量を持っていたらしい。このエネルギーによって巨大な衝撃波が発生し、それが広範囲にわたる被害をもたらした。人的被害は千数百人規模に達するという。

南鄭での張りつめた日々を歌った詩からもうひとつ、「山南行」を紹介する。山南とは秦嶺山脈の南という意味で、南鄭の位置する漢中最奥地帯をさす。「行」とは「詞」の一種で、節をつけて歌うことを目的としたものだ。

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ロシア時間の2月15日朝(日本でも今日の午前中)、ロシア中部上空で隕石が爆発して多数の破片が飛び散り、数百人の人々が怪我をするという事態がおこった。ロシアのメディアによれば、ロシア中部チェリャビンスクの上空で、何らかの物体が爆発して破片が飛び散ったり、爆風が発生してガラス窓を割ったりして、数か所で被害がでたという。

政府の規制改革会議なるものが、今後検討すべき課題として約70項目をあげたそうだ。新聞報道によれば、その中には保険診療と自由診療との混合診療の拡大や、解雇規制の柔軟化なども含まれているそうだ。安倍政権の市場原理主義的な面が浮かび上がりつつあるといったところか。

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能「春日龍神」は、春日神社の龍神の口を通して、天竺の仏より日本の神の方が御威光があると、国粋主義的な主張を述べ立てたものである。すなわち、入唐渡天の志を抱いた明恵上人が春日神社にいとまごいにやってくると、宮森に化けた龍神が現れ、上人に入唐渡天の志を思いとどまらせようとする。その理由として龍神は、仏在世のときなら渡天の御利益もあっただろうが、仏が入滅したいまでは、この春日山こそが霊鷲山であり、春日野は鹿野苑、比叡山は天台山、吉野・筑波は五台山をうつしたものだからという。そして、入唐渡天を思いとどまるならば、自分が仏法の眷属を引き連れて、釈迦の誕生から入滅までの一代記を見せてやろうと約束する。

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レスリングといえば第一回目のオリンピックから演じられてきたもっとも伝統ある競技だ。なにしろギリシャ・オリンピックの時代から主要な競技種目であったわけだから、その伝統には悠久の歴史を感じさせるものがある。ところがこの伝統ある競技が、2020年の大会から除外される可能性が出てきた。

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今年(2013)71歳になるポール・マッカートニーが最新アルバム Kisses on the bottom でグラミー賞を受賞した。これまでに数えきれないほどの賞をもらい、メダルやトロフィーをキャビネットに収めきれないというポールだが、やはり新しい賞を貰えばうれしいという。

「純粋理性批判」の題名にある理性とは広い意味での理性を指している。即ち、感性、知性を含めた人間の思考と認識のすべてをカバーする精神作用としての理性である。これに対してカントは、理性という言葉を狭い意味でも使っている。狭い意味での理性とは、感性や知性とは異なる次元の精神作用を指す。感性や知性が人間の認識活動にかかわる能力なのに対して、理性は知性による経験的認識の成果を材料にしつつ、経験を超えた思考を可能にする能力である。
かつて丸谷才一は「卍」と「蓼食ふ蟲」とを一双の屏風に譬え、このふたつの作品が、形式的にも内容的にも深い関連を有していると指摘したが、筆者もまた同じ感を抱いてきた。筆者がこの二つの作品を相次いで読んだのは、かなり昔のことだが、以来、この二つを姉妹作品のように思いなしてきたのである。
安倍内閣が発足して2か月近くが経ち、国会論戦も始まった。そんななかで安倍政権はいまのところ右翼的なプロパガンダは自重して、経済の活性化に的を絞った動きをしている。そこがある程度効果を上げていると国民から評価されているようで、支持率は非常に高く、また海外の安倍政権を見る目にも好意的なものが多い。だが、それだからこそ、この政権をどのように受け取ったらよいのかと、非常なとまどいの源泉ともなっている。

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丸山真男のこの小文は、佐久間象山の故郷松代市で催された講演会での話の内容を文書にしたものである。佐久間象山について話をしてほしいと頼まれて話したわけだから、自分から積極的にテーマに選んだのではないといっているのだが、それにしては深く掘り下げた議論が展開されている。丸山自身、かねてから象山について深い関心を抱いていたことの現れなのだろう。

安倍政権が内閣官房に「領土・主権対策企画調整室」をもうけたことについて、ロシアのメディア「プラウダ(電子・英語版)」がそれを、中国、韓国、ロシアを敵に見立てたプロパガンダ戦争の遂行機関だと批判した。その上で、日本は反ロプロパガンダにうつつを抜かす暇があったら、両国間の関係改善に向けて、前向きな対応を取るべきだと主張している。Japan declares propaganda war on China, Korea and Russia By Sergei Vasilenkov

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アルブレヒト・デューラーが20代の青年時代に描いた油彩の自画像が3点存在している。いずれも有名な作品だ。どの絵も、まるでお見合い写真のように着飾り、つんとすました表情の自分自身(デューラー)を描いている。自画像であるから、当時の事情からして公開を予想しておらず、あくまでも個人的な目的のために描かれたものと思われるのだが、それにしては随分と手が込んでいるとの印象を与える。

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直径約45メートルの小惑星が、来週2月16日に地球に異常接近するという。この小惑星は2012DA14と呼ばれるもので、インド洋東部のスマトラ島上空を通過する際に、地球上空約2万7700キロメートルまで接近する見込みだそうだ。2万7700キロメートルと言えば、多くの通信衛星の軌道よりも内側にある。そこでこんなに接近して、衝突の恐れはないか心配になるところだが、カリフォルニア州ジェット推進研究所の専門家などによれば、地球に衝突することは勿論、地球の上空に浮かんでいる人工衛星にぶつかる可能性もないということだ。

エミリー・ディキンソンの詩から「成功(Success is counted sweetest)」(壺齋散人訳)

  一度も成功したことのない人にこそ
  成功はこの上なくすばらしく映る
  喉の乾ききった人こそが
  ネクタルのかけがいなさをわかるように

中国軍艦が日本の護衛艦に射撃用の管制レーダーを照射した問題について、中国側がどのような対応をするか注目されていたが、結局事実を全面否定するという態度を示してきた。事実を否定するのだから、日本側の言い分は根拠がないという主張になる。つまり、今回の日本側の指摘は悪質なでっち上げと言うことになり、日本側は根拠のない中傷を行うことで、日中間の対立を意図的に煽っていると逆に日本を非難する態度に出たわけである。
乾道八年(1172)3月、夔州での勤務が半年にもならないうちに、陸游は権四川宣撫使司幹弁公事という職に任命された。これにはちょっとした訳がある。

フクロウの首が自在に回転することは今までにも知られていた。最大270度の角度まで回転するそうだ。このことでフクロウの視野は広が130207.owl.jpg

り、捕食や防衛の能力を拡大することができる。何故そんな能力が身に着いたのか。そのわけをアメリカ、ホンズ・ホプキンス大学の研究チームが解明した。

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銀座八丁目の東側の路次の一角に絵のような建物が立っている。二階建ての低い建物で壁には一面蔦が絡まっているので、建物なのか、蔦のパフォーマンスなのか、一瞬何が何だかわからない気持ちに陥るが、これは古い歴史を持つバーなのだそうだ。その名はボルドー。蔦の間から、ボルドーの名を記した小さな表示板が覗いている。

カントは、認識が対象とすることのできるものは現象に限られるのであって、現象の背後にあってその源となっているとされる物自体については、認識することができないとした。しかしそのことは、物自体の存在そのものを否定することではない。物自体は存在するのかもしれないが、人間の認識能力を以てしてはとらえることができない。そういっているわけである。

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尖閣をめぐる中国の挑発行為が次第にエスカレートしている。昨年12月13日に初めて領空侵犯して挑発の度合いが新たな段階に入ったことを感じさせたばかりだが、最近もっとゆゆしい事態が発生していたことがわかった。今年1月30日に、中国の軍艦が日本の海上自衛隊護衛艦に向けて射撃用の管制レーダーを照射していたというのだ。また1月19日にも、中国の軍艦が海上自衛隊のヘリコプターに向けてレーダー照射と疑われる行動をとったともいう。

「卍」はほぼ同時期に書かれた「蓼食ふ虫」と比較されることが多いが、筆者はむしろ「痴人の愛」の延長上にとらえている。一人称のネトッとした文体、倒錯した恋愛感情、そして登場人物間の思惑のからみあいといった要素が、互いに共鳴しているように受け取れる。
いわゆるアベノミクスのわからないところのひとつに、一方ではケインズ流の積極財政を正面に掲げる一方、成長のためには規制緩和が必要だといいながら、いままで規制緩和に熱心だった学者たちのうち、市場原理主義者と目されるような連中が大手を振って復活していることだ。この連中はリーマンショックの犯人の片割れだと言われて、一時はエコノミックスの王道から追放されたかにみえたが、どっこいしぶとく生き残りを図っている。
豊下楢彦氏の「集団的自衛権とは何か」(岩波新書)は「安保条約の成立」の続編的な性格をもっているが、氏がこれを書いたのは2007年前半期のことで、その背景には当時の安倍政権(第一次)が主張していた集団的自衛権というものがあった。当時の安倍首相の主張は、「集団的自衛権を行使できない日本は"禁治産者"にも比されるべき国家であり、集団的自衛権を行使できるようになって初めて、日本は日米安保条約において"双務性"を実現し、米国と対等の立場に立つことができる」というものであった。こうした主張の中にひそむ問題点を明らかにし、日本として目指すべき外交のオルタナティブを示すことが、この書物での氏の当面の目的だったというのである。

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デューラーは8歳にして自画像を描いたが、その作品は失われて伝わっていない。現存するもっとも古い自画像は13歳のときのものである。それでも、少年の描いたものとは思えぬほど、完成度の高い作品であり、デューラーの才能の早熟さを物語っている。(紙に銀筆画、27.5×19.6cm、ウィーン、アルベルティーナ美術館)

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先日、人気ポップグループAKB48のメンバー峯岸みなみさんが坊主頭になって、なにかをしきりに謝罪している様子がテレビに映し出され、事情のわからない筆者などは実に異様に感じたものだ。謝罪の意思表示として頭を丸めることは、一部のマッチョの世界ではあると聞いていたが、まさか若い女性がそんなことをするとは思いもよらなかったからだ。女性が頭を丸めるのは出家するときだけで、それ以外のケースではありえないことだといってよい。そのありえないことが起きたわけだから、驚きも大きかったわけである。

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小津安二郎の「東京物語」と山田洋次監督の「東京家族」を比較する視点のひとつとして東京の風景の移り変わりというものがあげられよう。東京物語のほうは昭和28年頃の東京が舞台であるから、その時点の東京の風景を当然映し出している。それを東京家族が映し出した現代の東京と比較すると、いろいろ興味深いことに気づくだろう。

詩作を放棄した後のアルチュール・ランボーの半生の足取りについて、鈴村和成著「ランボー、砂漠を行く」をもとに整理してみた。

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山田洋次監督の「東京家族」を見たことがきっかけになって、そのもとになった小津安二郎の映画「東京物語」を見たくなり、さっそくDVDを取り寄せて、パソコンの画面で見た次第だ。この映画を最後に見たのはもう30年以上も前のことだから、細かいところは忘れてしまっていたが、大筋はまだ覚えていて、それが東京家族でもそのまま繰り返されているのが、改めてよくわかった。山田監督の小津作品への思い入れの深さがわかったといってもよい。

陸游が赴任した夔州は三峡の一角にあって、付近には白帝城がある。古来風光明媚で有名なところであった。杜甫が晩年の二年間ほどをここに滞在し、数々の名作を詠んだことはよく知られている。
環境庁が日本うなぎを絶滅危惧種に指定したそうだ。レッドリストと呼ばれる一覧表の中で、「近い将来に野生での絶滅の危険性が高い」とされる「絶滅危惧1B類」というのに指定したのだという。これは3ランクある絶滅危惧種のうち2番目に位置するということだ。

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かつて描いた銀座一丁目通りの風景を、描きなおしてみた。ティファニーの入ったビルの周辺の様子を描いたものだ。ところが先日この界隈を歩いてみたら、この絵にあるのとは大分異なった光景が展開していた。ティファニーそのものはまだあるのだが、ビルの外壁のデザインがすっかり変わってしまっていたのだった。

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