日本の政治と社会

西村大臣が、政府のコロナ対策に非協力的な飲食店に対して酒類の販売をやめるよう酒販売業界に指示したところ、販売協会は大いに反発し、その撤回を求めた。その勢いがあまりにも強烈だったので、さすがの西村大臣も撤回に追い込まれた。それと並行して西村大臣は、銀行業界に対しても同趣旨の指示を出したが、これも大きな反発に直面して撤回を迫られた。

安倍晋三元総理が、五輪開催へのさまざまな批判にいらだつあまり、「反日的な人が五輪開催に強く反対している」と言って、五輪開催への批判者を反日分子であるかのように攻撃したと伝えられた。これについては、日頃の安倍晋三の本音がそのまま出たものであり、多くの人々が早速その出鱈目ぶりを非難しているので、小生がそれ以上言うこともないのだが、ただ、こうした安倍晋三の態度に、「我はすなわち国家なり」といった幼稚な尊大さを改めて感じたので、一言しておきたい気分になった。

五輪期間中に終電の時間を遅らせるとJRが発表した。お客様には時間を気にせず深夜まで五輪を楽しみ、安心してどんちゃん騒ぎをしてくださいと言っているようなものだ。JRは一民間会社であり、国民の命を守ることより、自分の利益を優先するのはIOCと同じで、別に不自然ではない。国民の命を守るのは政府の責任だ。その政府が、五輪最優先モードになっているから、JRの今回のこの方針は政府の意向に従ったものともいえる。だからJRだけを非難するいわれはないと言ってよい。

菅内閣が、イギリスのアストラゼネカ社から購入したコロナワクチンを、先般の台湾に続きインドネシアに供与するそうだ。このワクチンは、折角確保したものの、色々な事情で使われずにいたものだ。理由は大きく分けて二つある。一つは副反応が強いこと、もう一つは効果が限定的なことだ。じっさいイギリスでは、このワクチンを国民に打ったところ、初期のタイプのものには威力を発揮したが、新たな変異株には十分対応できていない。その結果イギリスが目下インド型の変移ウィルスに見舞われて、ロックダウンを余儀なくされていることは周知のことだ。

コロナ対策ではことごとく後手に回り、しかも国民の命より五輪開催を優先するかのような菅首相に厳しい非難が向けられている。ジャーナリストの田原総一郎が最近首相と話した時の印象では、五輪開催はどうしてもやめるわけにはいかない、その理由はIOCの強い要求があるからだといって、自分自身の指導力には全く何らの責任を感じていない様子だったらしい。

五輪開催によってコロナウィルスの感染が広がることについて、天皇が懸念を表された旨のことを宮内庁長官が発表したところ、加藤官房長官が早速反応し、それは宮内庁長官の個人的見解であって天皇の言葉ではないという趣旨の発言をした。

菅首相がG7で東京五輪の開催を約束してしまったことで、いまや五輪ありきのモードに染まってしまった。一時は、五輪よりも国民の命を優先するとうそぶいていた菅首相も、いまでは五輪最優先で、五輪を成功させるために、国民はすべてを投げうって協力しなければならない、と言わんばかりの変節ぶりである。専門家の意見は何のその、国民の不安も蹴飛ばして、ひたすら五輪の開催に向ってひた走っている。しかも、一時は、やるにしても無観客だと言っていたものが、いつの間にか有観客になり、その規模も会場あたり数万人単位まで膨れ上がりそうだ。そんなことをすれば、コロナ感染が爆発し、大勢の国民が犠牲になるのは見に見えている。だがそれを、コロナ司令塔の最高指揮官である菅首相は見ようとしない。ハーメルンの笛吹き男よろしく、国民に死の行進を強いているようなものだ。菅首相がそうだから、大会組織委員会はいうに及ばず、政府の担当閣僚を含め、五輪マフィア全体が先頭にたって、イケイケドンドンの空気を醸し出している。そうした状況を評して、識者の中には「玉砕五輪」と言う者もあるし、中には「殺人五輪」と言う者もある始末だ。

新型コロナの感染は、いまやインドが中心だ。公式発表では、これまでに36万人が死亡したとされるが、実際には130万人とも180万人ともいわれている。インド型変異ウィルスと呼ばれるものがその原因だ。日本でもこの変異ウィルスによる感染が報告されている。7月中頃には、イギリス型を抜いて、主流になるだろうと予告されている。

朝日の今日(6月11日)の朝刊に、元陸将へのインタビュー記事が載っていた。元陸将とはいえ、2015年まで現役で、退官後も自衛隊の防衛政策にかかわってきたというから、自衛隊の制服組の本音を代弁していると思われる。そんな人物の意見に小生は剣呑なものを感じたので、見過ごすわけにはいかなかった。

今日(5月23日)の朝日の朝刊が、対中政策をめぐる安倍政権内の暗闘ともいうべきものを分析した記事を載せていた。安倍政権の対中政策には一貫しないところがあって、政権発足直後は露骨な対中包囲網を目指し、いわば敵対路線をとっていたものが、次第に融和的になっていって、ついには、習近平を国賓として迎える話にまで激変した。対立(敵対)から協力へと、180度の政策転換であった。

コロナ第四波と言われる危機的状況の中で、大阪の状況が突出して危機的だ。感染者や死亡者の人口当たりの割合が、東京などほかの大都市に比べて異常に高い。その理由は、例えば高齢者が多いからだとか色々言われているが、基本的には大阪の行政を担ってきた維新の会による政策の失敗と言ってよい。つまり人災ということだ。

先日、那覇の公有地にある孔子廟をめぐる訴訟への最高裁判決が出た。その概要を新聞で読んだ小生には、よく納得できないものがあった。孔子廟がたっている公有地を無料で貸し出すのは違憲だとしながら、孔子廟そのものの撤去は求めていなかったからだ。そこで一部の新聞は、土地の使用量さえ払えば違憲にはならないと解釈していたが、それでは孔子廟自体は違憲ではないということになる。いったいどういう法理になっているのか、疑問が残ったのである。

目下世間を騒がせている首相の長男がらみの官僚接待問題を、かつて世間を騒がせたノーパンしゃぶしゃぶ接待以来の過剰接待だとする見方が流行っている。ノーパンしゃぶしゃぶ接待というのは、平成10年に起きたもので、大蔵担当の銀行員が大蔵省の役人たちを過剰に接待していたというもの。ノーパンの女性がエスコトートしてくれるというもので、接待される側は皆鼻の下が伸びたばかりか、自分たちの首も寒くなったというものだった。この問題がきっかけになって、大蔵省は金融部門を切り離され、財務省と金融庁に分割された。

コロナ騒ぎの中で一番流行った言葉は「自粛警察」だろう。小生はこの言葉で、普通の人間が正義を振りかざして隣人を取り締まろうとする動きをイメージしていた。ところが実際はそんなに生易しいものではないようだ。昨夜NHKが新宿歌舞伎町における飲食業の実情を特集していたが、それを見ていて、かれら歌舞伎町の飲食業者たちが怖れているのは、取り締まりにあたる当局と、それと一体となった警察だということが伝わって来た。つまり本物の警察がかれらを脅かしているというわけである。

東京五輪まであと半年に迫った。だがコロナ騒ぎは終息するめどが立っていない。やっとワクチンが実用化されたが、世界中にいきわたるのは当分先のことだ。日本でも接種がいつ本格化できるか、(河野太郎大臣によれば)めどがたっていないという。そういう状態で、菅首相は五輪の開催に依然前のめりの有様だ。

菅政権がコロナ対策の推進を目的として関連法案の改正を打ち出した。目玉になるのは、事業者がお上の命令に応じなかった場合の過料と、入院を拒んだ者への刑罰だ。前者の過料については、小生にも理解できないわけではないが、後者の刑罰については、全く賛成できない。

日頃小池都知事に厳しい意見を述べている元都知事の舛添要一が、コロナ騒ぎをめぐる小池都知事の対応ぶりを批判して、権限があるのに行使せずに、都民や政府に責任を丸投げするのでは、馬鹿でも都知事がつとまる、と強く批判した。これを読んだ小生は、その馬鹿には、そう言っている本人も含まれているのではないかと思った次第だ。

いわゆる「桜を見る会問題」に関して、支持者を集めての宴会に安倍事務所側が経費の一部を補填していたことが明らかになった。この問題については、安倍前総理は一貫して、そのようなことはないと明言してきたわけで、事実との食い違いが浮かび上がった形だ。安部前総理は、補填したのは秘書の一存でしたことで、自分は一切知らなかったと言い抜けるつもりのようだが、いかにも見え透いたやり方に見える。

菅首相がいわゆる「ゴーツー」事業を、一時的ではあるが、全国一律に中止すると決定した。ついその前までは、引き続き実施すると明言しており、その根拠として、旅行による移動はコロナの発生と結びついていないと言っていたのだが、それが急に中止の決定になったわけだ。その影には菅政権への劇的な支持率低下という事態がある。政権発足時には歴代政権と比較して高い支持率を誇っていたものが、わずか三か月で、40パーセント前後の低い支持率へと変った。不支持のほうは五割に迫っている。このままだととんでもないことになる恐れがある。そうした懸念が今回の決定に結びついたと見える。

昨日(12月4日)の菅首相の記者会見をテレビで見ていて、思わずのけぞってしまった。コロナワクチンの開発の目途が見えて来たことを踏まえて、取材記者が「いつ頃摂取できるようになるか」と聞いたところ、「現時点で政府から予断をもってその時期を明確にすることは控えたい」と答えたからだ。

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