中国の改憲をうらやむ人々

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習近平政権が中国憲法を改正して国家主席の任期を無期限としたことに対して、アメリカのトランプ大統領が早速エールを送って祝福した。これで習近平は中国の終身支配者になることができて、おめでとうというわけだ。そのエールの言葉は例によってツイッターでつぶやかれたが、それはトランプの本音だろうと多くの人が思っている。

トランプは同じ独裁的な指導者として習近平に親近感をもっているのだろう。できたら俺も合衆国憲法を改正して終身大統領になり、できれば大統領を越えて皇帝になりたい。そうなった暁には合衆国の国名も変更して「トランピア王国」とでもしたい。そう思っているのではないか。

習近平の今回の成功をうらやましがっている人がもう一人いてもおかしくない。その人は日頃自国の憲法を変えたくて仕方がないのだが、なかなか思うようにいなかいでいらだっている。そこで習近平のように簡単に憲法を変えられたらどんなにか素敵か、そう思っても不思議ではない。

トランプが合衆国憲法を改正してトランピア王国を作れる可能性はゼロと言ってよいだろう。アメリカ合衆国の人々は、たしかにトランプのような人間を政治指導者に担ぎ上げたが、トランプに売り渡したのは自分たちの持っている票だけであって、良心の自由と独立まで売り渡すつもりはないと思っているだろうからだ。

一方、もう一つの国も、最高政治指導者の個人的な信念を簡単に実現させてくれそうはない。彼の望みどおりのことを実現させてやったら、どんなことをしでかすか不安だと思っているだろうからだ。

アメリカももう一つの国も、中国とは違って、政治指導者が国民を簡単には操れないように出来ている。そこがトランプなど独裁的な傾向が強い政治指導者には癪の種なのだろうが、その国に生きている人々にとっては、自分たちの自由と独立を守るための担保のようなものだ。





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