
2023年の映画「ソウルの春」は、1979年10月26日に起きた朴正熙暗殺事件(10・26事件)から、全斗煥による粛軍クーデタ(11・12事件)成功までの、韓国現代史の一齣を描く。この時期は二重の意味で重要な意義をもつ。一つは独裁者の死によって一気に民主化の機運が高まったこと。その機運を、チェコでかつて起きたプラハの春にたとえ、ソウルの春と呼んだ。それがこの映画のタイトルになっているわけである。もうひとつは、不在となった権力をめぐり、軍内部に大規模な内紛がおき。それが粛軍クーデタにつながった。そのクーデタの成功で、全斗煥らが権力を握り、軍政の復活をもたらす。
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