
2009年のギリシャ映画「籠の中の乙女(Κυνόδοντας ヨルゴス・ランティモス監督)」は、ディストピア風の不条理劇である。ディストピアは、国家社会単位の現象であるが、この映画の中では、家族がある種のディストピアとなっている。父親だけが外界との接点を持っており、妻と三人の子供たち(娘二人と息子一人)は屋敷の中に閉じ込められた状態で、外界のことは何も知らない。子供たちは年頃なので、性欲を感じる。そこで父親は女をやとって、息子の性欲を満足させてやるが、娘のほうは放置したまま。娘たちは互いをなめあったりして性欲を発散するのだ。
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