学海先生の明治維新その三十

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 王政復古のクーデターが起きて討幕派が政治の主導権を握ったのは十二月九日のことであった。その情報の第一報が学海先生の耳に届いたのは十四日のことであった。この時点では情報はまだ断片的だった。学海先生の日記には、
「去る十日、長・防等入京の命あり、官位如故。九門の警衛を薩・土・芸・尾・越前とともに命ぜられて、既兵端を開くべきの形勢あり。将軍家危うきこといふべからず。忠節を存ずるものはすみやかに登京すべしとなり」とある。
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スタンリー・キューブリックはスピルバーグと並んでSF映画の草分けと言われ、スピルバーグとは親しく付き合っていた。そのスピルバーグが宇宙人との平和な共存をテーマにしたどちらかと言うとソフトな映画を作ったのに対して、キューブリックはハードな暴力を好んで描いた。1971年の作品「時計じかけのオレンジ」はキューブリックの暴力映画の代表というべきもので、少年の暴力とそれを巧みにコントロールしようとする権力の野望を描いている。

セクハラ罪という罪はない、と言ったのは放言居士として知られる麻生太郎副総理兼財務大臣だが、彼の盟友である安倍晋三総理大臣は、これを安倍内閣の公式見解としたそうだ。内閣が閣議でそう決定したわけだから、世の中のセクハラ亡者たちは、今後胸を張ってセクハラが出来ると喜んでいるだろう。セクハラは罪にはならないんだから、安心してセクハラが出来るというわけだ。

美人観蛙戯図:河鍋暁斎の美人画

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幕末から維新前後にかけては美人画の浮世絵が流行ったこともあって、暁斎は美人画を多く手掛けている。結構需要があったのだろう。ほかのジャンルの絵同様、美人画にも戯画の調子が感じられる。そこが暁斎らしいところだろう。

荷風の狂歌論:江戸芸術論から

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江戸芸術論中狂歌を論ずる一文の冒頭を荷風は次のように書いている。「一歳われ頻りに浮世絵を見る事を楽しみとせしが其の事より相関連して漸く狂歌に対する趣味をも覚ゆるやうになりぬ」と。つまり荷風は狂歌を浮世絵と関連させて見ているわけである。両者は互いに切っても切れない縁にある。それが荷風の受け取り方だった。

ロンドンでYMCAを聴いたこと

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歌手の西城秀樹が亡くなった。享年六十三というから筆者よりも六つも若い。自分より若い人が死ぬと、今度は自分の番かと思ったりもする。年をとるとはそういうことなのだろう。

度重なる放言・暴言で世間を騒がし続けている麻生太郎副総理兼財務大臣が、また放言をしたというので世間を賑わしている。今度は自分が率いる派閥の政治資金集めのパーティで講演した際に、「暗いヤツを選ぶか、頭の悪いヤツを選ぶか、だったら、おなかの悪いヤツが一番いいぐらいじゃねぇか」と言ったそうだ。この発言は、2012年に行われた自民党総裁選に関連したもので、「暗いヤツ」は石破茂、「頭の悪いヤツ」は石原伸晃、「おなかの悪いヤツ」は安倍晋三の各氏をさすそうだ。

オック岬:スーラの点描画

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1885年の夏、スーラはノルマンディーに滞在して、そこの風景を描くうちに、点描法の試行を行った。「オック岬」と題したこの絵は、その成果である。スーラがこの作品を通じて行おうとしたのは、色彩を個々の色の点の集合として表現することであったが、この絵をよく見ればわかるように、まだ本格的な点描画とは言えない。ブラシを横に掃いたようなタッチが目立つことから、この時点では、点描画というよりは、洗練されたバレイエ画法と言った方がよい。しかし、ここで点描のこつをつかんだスーラは、グランド・ジャット島の描きなおしの作業を通じて、点描法をさらに洗練させてゆく。

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1979年のアメリカ映画「エイリアン(Alien)」は、SFホラー映画の古典的作品だ。太陽系以外の惑星で遭遇した生物体が人間の宇宙船に乗りこんで、船員たちを次々と襲撃して殺すというもので、不気味な生物に襲われる人間の恐怖を描いている。この生物が人間とは全く異なった形状・性質を持っているというのがミソだ。太陽系以外の生物で人間と対抗できるようなものは、人間に似たいわゆる異星人あるいは宇宙人として表象されるのがそれまでの常道だったが、この映画の中の異星生物は、卵生で恐竜のような形状をしているにかかわらず、人間を恐怖支配するほどの知性を持っているとされている。人間が恐竜に狩りされるといったイメージを喚起するわけで、そこが見ているものになんともいえない恐怖心をもたらすのである。

米朝対話と日本

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今回米朝対話へ向けての機運が高まったことについて、トランプはこれを、米側による最大限の圧力に北朝鮮が屈した結果だと言っている。日本の安倍政権もその見方を共有し、日本を含めた国際社会が最大限の圧力をかけてきた成果が現れたもので、今後もその圧力を弱めるべきではないと主張している。

エドモン・ジャベスはエジプト育ちのユダヤ人であり、詩人である。だからジャベスを論じようとしたら、ユダヤ人とは何か、詩人であるとはどういうことか、について論じることになりがちだ。それに加えてエジプト的なものも問題になるだろう。デリダがこの短い論文のなかで言及しているものそういうことだ。デリダは冒頭から次のように宣言するのだ。「ジャベスがわれわれに告げようとするのは・・・書くことの誕生と情熱としての或るユダヤ思想に関することである。それは書くことの情熱であり、文字と愛と忍耐力であり、その主題はユダヤ人なのか、あるいは文学そのものなのか、を言うことのできないものである」(阪上脩訳)と。

ガザのホロコースト

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アメリカがエルサレムに大使館を移転したことがきっかけでパレスチナに緊張が高まり、ガザの住民がイスラエル軍に攻撃された。死者は六十人以上、負傷者は二千七百人以上と言われ、近年では最大規模の犠牲が出た。テレビ報道等で流れてくる映像を見ると、生まれたばかりの子どもまで標的になっているこの虐殺は、ホロコースト以外の何物でもないと感じさせられる。

学海先生の明治維新その廿九

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 学海先生が兵制改革に携わったと言ったが、それにはそれなりの背景があった。十一月二日に幕府は諸侯八十四家に江戸城内外の警護を命じた。佐倉藩は雉子橋の警護を命じられた。それには浪士が江戸市中に放火して庶民を不安に陥れようとしているとの噂が市中に流れたために、庶民の不安を鎮めるという意味もあった。そしてその陰謀の陰には薩摩藩ら討幕勢力の動きがあると広く信じられていた。そこで親藩・譜代を中心に兵を江戸に集めて討幕勢力の動きに対抗したわけである。しかし諸藩がばらばらに行動するより一致して行動する方が有効だ。そのためには諸藩の兵制を統一して、できれば一元的に運用した方がよい。そういう判断があって兵制改革の議論が起こったわけなのであった。
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アメリカ映画「2001年年宇宙の旅(A Space Odyssey)」は、宇宙を舞台にしたSF映画の古典である。未だに人気があるというから映画としては非常に長い生命を保っていることになる。人類の夢を物語っているからだろう。

官僚劣化

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中央公論の最新号(2018年6月号)が、「官僚劣化」と題して、最近の日本の官僚たちの不祥事に代表されるような官僚の劣化について特集している。かつては日本という船の舵取り役として自他共に認め、認められていた日本の官僚が、何故ここまで劣化してしまったのか。何人かの論者が、それぞれの視点から分析している。それを読むと、首相官邸が強くなったために、相対的に各省の力が弱くなり、それに伴って各省の官僚統制力が弱まって、官僚たちが直接官邸のほうを向いて仕事をするようになったとか、かつてはどんな官僚も持っていた国家国民のために働いているという気概が薄くなり、もっぱら自分自身の出世の為に働く自分本位で小粒な官僚が増えたとか、いろいろな指摘があって面白い。

北海道人樹下午睡図:河鍋暁斎の仏界画

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河鍋暁斎は、妖怪や地獄の絵と並んで、極楽往生の様子も描いた。「北海道人樹下午睡図」と題するこの大作は代表的なものだ。普通の釈迦の涅槃図とは異なり、遊び心が込められている。その遊び心は、涅槃に午睡の字を当てているところにもうかがえる。この絵は釈迦ならぬ北海道人が樹下に昼寝をしている様子を描いているのだ。

井上達夫の憲法改正私案には徴兵制の規定が盛り込まれている。その趣旨を井上は、徴兵制によって戦力の濫用を防ぐためだと言っている。「志願兵制だと、志願する必要などないマジョリティたる国民が無責任な好戦感情に駆られたり、政府の危険な交戦行動に無関心になりやすい。無謀な軍事行動に対してすべての国民が血のコストを払わなければいけないとなると、国民は軍事行動の監視と抑止の責任をもっと真剣に引き受けることとなる」というわけである。

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「ラ・グランド・ジャット島の日曜日」は、スーラにとって大展開をもたらす作品になったばかりか、ヨーロッパの絵画史に転機をもたらすものとなった。この作品によって、点描画がほぼ完成された形で示され、人々はこの絵に、印象派に続く新しい時代の夜明けを感じたのである。

学海先生の明治維新その廿八

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 徳川慶喜が京都で大政奉還を上表したのは十月十三日であるが、江戸の学海先生にその情報が伝わったのは二十日のことだった。この日は諸藩の留守居仲間の親睦会が春南冥の家で予定されており、先生は朝方そこへでかける前に、京都で大事件が起こり郡山や松代の諸藩がつぎつぎと上洛していると聞いた。南冥の家につくと北沢冠岳から更に詳しいことを聞かされた。将軍が自らの不徳を恥じて政権を朝廷に奉還したというのだ。先生はこれを聞いて大いに驚き、席を立とうとしても足腰が立たないほど狼狽した。

テルマエ・ロマエ:人気漫画の映画化

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「テルマエ・ロマエ」は、人気漫画を映画化した作品で、いかにも漫画天国といわれる日本らしい作品だ。ローマ時代の公衆浴場設計家であるルシウスが現代日本との間を往復して、日本の温泉のアイデアをローマに適用して人気を博したあげく、皇帝ハドリアヌスから高い評価を受けるというような、荒唐無稽ではあるが、面白いアイデアを描いたものだ。

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