日本の政治と社会

目下世間を騒がせている首相の長男がらみの官僚接待問題を、かつて世間を騒がせたノーパンしゃぶしゃぶ接待以来の過剰接待だとする見方が流行っている。ノーパンしゃぶしゃぶ接待というのは、平成10年に起きたもので、大蔵担当の銀行員が大蔵省の役人たちを過剰に接待していたというもの。ノーパンの女性がエスコトートしてくれるというもので、接待される側は皆鼻の下が伸びたばかりか、自分たちの首も寒くなったというものだった。この問題がきっかけになって、大蔵省は金融部門を切り離され、財務省と金融庁に分割された。

コロナ騒ぎの中で一番流行った言葉は「自粛警察」だろう。小生はこの言葉で、普通の人間が正義を振りかざして隣人を取り締まろうとする動きをイメージしていた。ところが実際はそんなに生易しいものではないようだ。昨夜NHKが新宿歌舞伎町における飲食業の実情を特集していたが、それを見ていて、かれら歌舞伎町の飲食業者たちが怖れているのは、取り締まりにあたる当局と、それと一体となった警察だということが伝わって来た。つまり本物の警察がかれらを脅かしているというわけである。

東京五輪まであと半年に迫った。だがコロナ騒ぎは終息するめどが立っていない。やっとワクチンが実用化されたが、世界中にいきわたるのは当分先のことだ。日本でも接種がいつ本格化できるか、(河野太郎大臣によれば)めどがたっていないという。そういう状態で、菅首相は五輪の開催に依然前のめりの有様だ。

菅政権がコロナ対策の推進を目的として関連法案の改正を打ち出した。目玉になるのは、事業者がお上の命令に応じなかった場合の過料と、入院を拒んだ者への刑罰だ。前者の過料については、小生にも理解できないわけではないが、後者の刑罰については、全く賛成できない。

日頃小池都知事に厳しい意見を述べている元都知事の舛添要一が、コロナ騒ぎをめぐる小池都知事の対応ぶりを批判して、権限があるのに行使せずに、都民や政府に責任を丸投げするのでは、馬鹿でも都知事がつとまる、と強く批判した。これを読んだ小生は、その馬鹿には、そう言っている本人も含まれているのではないかと思った次第だ。

いわゆる「桜を見る会問題」に関して、支持者を集めての宴会に安倍事務所側が経費の一部を補填していたことが明らかになった。この問題については、安倍前総理は一貫して、そのようなことはないと明言してきたわけで、事実との食い違いが浮かび上がった形だ。安部前総理は、補填したのは秘書の一存でしたことで、自分は一切知らなかったと言い抜けるつもりのようだが、いかにも見え透いたやり方に見える。

菅首相がいわゆる「ゴーツー」事業を、一時的ではあるが、全国一律に中止すると決定した。ついその前までは、引き続き実施すると明言しており、その根拠として、旅行による移動はコロナの発生と結びついていないと言っていたのだが、それが急に中止の決定になったわけだ。その影には菅政権への劇的な支持率低下という事態がある。政権発足時には歴代政権と比較して高い支持率を誇っていたものが、わずか三か月で、40パーセント前後の低い支持率へと変った。不支持のほうは五割に迫っている。このままだととんでもないことになる恐れがある。そうした懸念が今回の決定に結びついたと見える。

昨日(12月4日)の菅首相の記者会見をテレビで見ていて、思わずのけぞってしまった。コロナワクチンの開発の目途が見えて来たことを踏まえて、取材記者が「いつ頃摂取できるようになるか」と聞いたところ、「現時点で政府から予断をもってその時期を明確にすることは控えたい」と答えたからだ。

学術会議の人事に菅首相が介入した問題をめぐって、政権側では問題をすり替えて学術会議への非難を繰り返し、それに呼応する形で自民党が学術会議の政府からの切り離しを言い始めた。いまの学術会議は、自民党政権に批判的だから、人事への介入を通り越して、いっそその存在を抹消してしまおうというわけだ。

菅首相が学術会議の委員6人の任命を拒否した問題が、大きな騒ぎになっている。雑誌「世界」の最近号も、この問題を特集した。寄せられた意見はおおむね批判的で、中には菅政権の体質にファシズムの匂いを嗅ぎつけるものもあるが、小生がもっとも腑に落ちたのは、片山善博氏の見解だ。片山氏は、この問題を大袈裟には見ずに、単に菅政権の単純な手落ちとして見ている。

昨夜のNHKのニュース番組(ニュースウォッチ9)が菅首相をスタジオに招いてインタビューを行った。この日、菅首相は国会ではじめて所信表明を行ったので、それを踏まえて首相としての抱負を聞きたいという趣旨だったようだ。ところが、所信表明自体が内容に乏しいものだったこともあり、また首相本人も国民に向って抱負を語りたがるタイプでもないようで、インタビューのやりとりは退屈極まりないものだった。それには、菅首相を怒らせないようにとのNHKの配慮を感じさせられたくらいだ。

福島第一原発の核汚染水がいよいよ溢れそうになるというので、海洋放出する方針を政府が固めたようだ。環境基準以下に薄めた上で放出するから、環境への影響は無視できるほど少ないと政府は言っているが、風評被害を恐れる漁業者は大反対している。じっさい、いくら薄めた所で、絶対量は変わらないので、長期的に見ればなんらかの影響は避けられない。しかし、そんな影響を気にしていたら、いつまでも問題は解決しないので、見切り発車で海に垂れ流してしまおうという政府の甘い判断が伝わって来る。

中国公船が尖閣周辺の日本領海への侵入を繰り返している。あきらかに日本政府への挑発だ。中国は、日本の政権に交代があるたびに、その対中姿勢を見定める動きをしてきた。安倍政権が八年近く続いたことで、その長い間、そうした動きは表面化しなかったのだが、今回菅政権にかわったことで、この政権の対中姿勢がどのようなものなのか、見定めようというわけだろう。

自民党衆議院議員杉田某女の女性差別発言を問題視した団体が、自民党に対して、議員辞職を求める署名を提出しようとしたところ、自民党を代表して応対した幹事長代行野田聖子女史が、受け取りを拒んだという。その理由が面白い。わたしには議員を辞職させる権能が備わっていないので、受け取るとることはできないというのだ。

かくも長い間続いた安倍政権は、大部分をスキャンダル処理に明け暮れ、腰を据えて政策を実現することはできなかった。特に政権後半期はひどく、スキャンダル処理に明け暮れたといってよいほどだ。その処理の仕方がうまかったのかどうか、安倍政権は何とか安泰をたもった。そして安倍総理が辞職した直後には、国民の間からごくろうさまといった声が聞えたくらいだ。

日本学術会議の人事をめぐって、法に基づき学術会議側から出された推薦名簿のうちから、六人の任命を菅首相が拒んだことで、大きな騒ぎになっている。まず、菅首相の任命拒否に法律違反の疑いがあることと、菅首相が任命拒否の理由を説明せず、問答無用の態度をとっていることが、物議のタネになっている。

ジャパンライフ事件はこの国の無軌道ぶりの一端を見せつけた。未曽有の規模の詐欺事件ということもあるが、時の権力者が、その詐欺に何らかの形でかかわったという嫌疑が広くいきわたり、国全体が詐欺劇場の観を呈したものだ。

雑誌「世界」の最近号(2020年10月号)が、「攻撃する自衛隊」と銘打って、最近の自民党政権による好戦的な傾向を分析している。その動きの象徴的なものは、イージス・アショアの配置を断念するかわりに、敵基地攻撃能力の獲得を追求しようというものだ。イージス・アショアはもともと、敵からのミサイル攻撃の防御を目的したもので、あくまでも自衛のための措置と言っていたものが、積極的に敵国の領土内の基地を攻撃しようというのは、先制攻撃の要素が強いというべきであり、したがって自衛を逸脱したものと言わざるをえない。

自民党内の、猿芝居を思わせる権力闘争の結果、大方の予想通り菅前官房長官が新しい総裁、つまりこの国の首相になった。国民の多くは、この結果に異議を唱えていないということらしいが、ひとり複雑な気持ちを抱いている人々がいる。沖縄県の人々だ。菅新首相は、安倍前総理とかぶさる期間官房長官を務めてきたし、その立場から、沖縄の民意を無視して辺野古の米軍基地建設を進めてきた。首相になっても、その立場はかわらないだろう。むしろ、安倍前総理以上に、辺野古基地建設の推進に前のめりになるのではないか。沖縄の人々の大部分は、そう受け止めているのではないか。

各派閥の支持を受けて、菅候補の圧勝は間違いないと思われていたが、どうのその流れに変化が生じる可能性が出てきた。菅候補が、党・内閣の人事は自分の一存で決め、派閥の意向は無視すると発言したためだ。これには、二階派を除く各派閥は反発するはずだ。菅候補の勝利は各派閥の支持があってこそだ。その支持は当然、見返りとセットになっている。その見返りである人事をめぐって、派閥の意向を無視するとあっては、派閥として菅候補を支持するモチベーションがなくなる。そんなわけで、菅候補の独断的な姿勢に反発した派閥が、岸田候補に鞍替えする可能性はゼロではなくなった。

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