W杯サッカー、日本チームの健闘ぶりを見る

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W杯サッカーのロシア大会は日本チームが活躍したおかげで、暑い夏を吹き飛ばしてくれた。日頃スポーツ観戦にはほとんど無縁な筆者も、日本チームの試合がある時間はテレビの前にくぎ付けになった。テレビ放送は毎回深夜に行われたので、おかげで寝不足になった。しかし日本チームがいい試合を見せてくれたおかげで、寝不足もなんのその、という気分になれた。

今回は大会直前に監督の交代劇があったりして、チームの成熟度に疑問がもたれもし、なにかと批判を浴びることが多かったが、日本チームはそうした批判を吹き飛ばして、いい試合を見せてくれた。なにせ、日本チームの前評判は、世界ランキングが61位と、出場チームの中でも最低の評価だったので、大方は日本は無様に敗退するだろうと思っていたのではないか。それが予想に反していい試合を見せてくれたわけだ。

予選の三試合では、いづれも格上の相手と戦い、三戦目では敗れたものの、第一線ではコロンビアに勝利し、第二線ではセネガルを相手に、二度もリードされながら二度とも追いつき、貴重な引き分けを得た。この引き分けがきいて、日本は予選リーグを突破できたわけだ。

第三戦目のポーランド戦では、負けていながら試合を放棄したようなパス回しを行い、それこそ世界中から非難・中傷を浴びたが、西野監督はそんな非難に悩みながらも、決勝トーナメントに出場することにこだわった。そんな西野監督の意気込みに圧倒されたのか、それまで西野中傷にうつつをぬかしていた日本のメディアも、西野ジャパンの応援に回らざるをえなかった。

それはおそらく、西野ジャパンに期待をかけているほとんどすべてといえる日本人の熱狂に、無節操なメディアが圧倒されたということだろう。西野ジャパンはそんな国民の熱狂に応え、さらに我々を熱狂させてくれた。しかも夜中から夜明けにかけての、人間が普通ならもっとも無気力になる時間帯においてだ。

対ベルギー戦は日本時間三日未明の三時にキックオフということだったので、サッカーファンの皆さんはどう試合に臨むかについて、大いに悩んだと思う。夜から目を覚まし続けたままで試合に臨むか、それとも一寝した後で試合に臨むか。筆者の場合には、夜の十時頃にいったん布団にもぐり、三時ちょっと前に目を覚まして試合に臨んだ次第だった。

ベルギーは世界ランキング三位の評価で、日本よりずっと格上のチームだ。常識的には日本が勝つ可能性はほとんどないと言ってよかったが、日本は予想外の健闘をした。世界最強といわれる攻撃陣をかわし、前半は双方無得点のまま互角に戦い、後半では二点を先取した。この時にはさすがの筆者も、夜中であるのを憚らず手を叩いて喜んだものだ。しかし地力でまさるベルギーが猛烈な反撃に移り、ついに日本のディフェンスを突き破って三点目を挙げた。それも後半のアディショナルタイムでのことだ。

この流れからも見えてくるように、日本ははるかに格上のチームを相手に互角に戦ったと言って過言ではない。

日本チームが実力以上に戦えたことの背景には、日本チームを日本人の監督が指揮したことが働いていると筆者などは考えている。ハリルから西野へのバトンタッチをめぐっては、心ない連中から色々悪口を言われたりもしたが、やはり優勝を狙うほどのチームはどこも自国人が監督をしているのが当たり前のことであって、日本もやっとその当たり前のことができるようになったということを、今回の事態は我々日本人に知らしめてくれたのではないか。今後ともワールドカップのチームは、自国の監督が引き続きつとめるという伝統を、今回のことを契機に確立してもらいたいものだ。





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