「かわゆらしさう」は、子どもを抱く母親を描く。かわゆらしさう、というのは、子どもの様子がかわゆらしそうなのか、それとも子供を抱く若い母親の様子がかわゆらしいのか、どちらともとれるようだ。
実際母親に抱き着く子どもはかわゆらしい表情をしているし、その子供を抱く若い母親も子どもがかわゆらしいあまりに目を細めている表情がかわゆらしい。
その母親は胸元をはだけ、そこに子供をすっぽりとくるむように包み込んでいる。しかも母親は自分の肌に子どもの肌を押し付け、スキンシップを楽しんでいるように見える。
(明治二十一年<1888> 大判錦絵)
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