20世紀に成立した社会主義諸国は、いずれもマルクス主義を標榜し、マルクスの経済思想を具体化したと主張した。マルクスは、資本主義後の経済システムのあり方を詳細に示したわけではないが、私有財産の廃止と財産の共同的な所有及び協同組合的な経済運営などをほのめかしていた。ソ連型といわれる社会主義経済システムは、マルクスのほのめかした考えを、私有財産の廃止と財産の国有化および国家による計画経済という形で具体化した。しかしそうした経済システムは、一時はうまく機能するように見えたが、結局は破綻して、市場経済システムに復帰する動きを強めた、というのが大方の了解になっている。つまり、国有企業を中心にした計画経済はうまく機能しないという了解が、資本主義諸国を中心にして強化されているわけである。
最近のコメント