
「葛秋草図屏風」は、「月に秋草図屏風」とも呼ばれている。図柄のなかの葛に重点を置くか、月に重点を置くかの違いによる。月の印象のほうがやや勝っているようにも見えるが、その月に覆いかぶさるように繁っている葛のほうもなかなかの存在感だ。
金地を背景にして、月は寒々とした青で表現され、葛のほうは水墨で表現されている。その葛のまわりに地味な色合いの秋草がまとわりついているように見える。
平凡な構図だが、全体的によくまとまっており、余白の使い方も含めて、結構独創的な絵になっている。
(紙本金地着色 六曲一隻 139.5×309.0㎝ 旭光学 重文)
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