あひるの新年会

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あひるの新年会を例の新宿駅西口の居酒屋で催した。この日集まったあひるは、えかきあひること小生のほか、ミーさんあひる、オーさんあひる、シズちゃんあひる、ヨコちゃんあひる、イマちゃんあひるの計六羽でした。少尉あひるは体調が悪いとの理由で、アンちゃんあひるは家事多忙との理由でそれぞれ欠席した。家事多忙とはどういうことかねと聞いたところ、アンちゃんあひるは奥さんあひるが働きに出ていて、旦那のアンちゃんあひるが家事万端を担当しているのだそうです。

この日小生は、先日ロシアで買い求めた鳥打帽をかぶって行ったのだが、それを見たシズちゃんあひるが格好いいわねといって褒めてくれた。それってハンチングっていうんでしょ、というから、これはロシアではレーニン帽といって人気があるんだ。レーニンが生前愛用していたのでレーニン帽っていうわけさ、と答えたところだ。

みなさんお久しぶりですね、ちょうど一年ぶりだ、全員元気なのがなによりです。ところで去年はとうとう旅行に行きそこなってしまいましたね。そう挨拶をしたところが、秋口にいくつもりだったのが、シズちゃんあひるが帯状疱疹をわずらい、計画の見込みが立たなくなって、結局ボツになってしまったとのこと。今年は是非行きたいものですねと皆でささやきあった次第であった。

ヨコちゃんあひるとイマちゃんあひるは去年の四月から新しい仕事についているそうだ。ヨコちゃんあひるは前の仕事をやめてから二年間のブランクを経て、イマちゃんあひるは一年間のブランクを経ての再就職だそうだ。シズちゃんあひるはあいかあらず同じ仕事についているとのこと。彼女は小生より年長なのだが、来年も引き続きつとめてほしいと上司から言われたそうだ。帯状疱疹も治ったことだし、ここで家に閉じこもってしまうのもなんだと思って、もう一年やることにしました、とシズちゃんあひるがいうので、体が動く間は働いた方がいいかもね、と小生は彼女の決心を応援したのだった。

その彼女は、つい最近厳島神社の能舞台を見に行ったそうだ。例の老人クラブと一緒かいというと、老人クラブはないでしょ、みなさんまだまだ元気溌剌ですよと言い返された。その老人クラブで、来月能の大会を開きますから、あなたさまもおいでになったらと誘われたが、いまさら幽霊が出て行くのもなんだから、どうも気が引けますねと躊躇する様子を見せたところだ。

六羽いるなかでヨコちゃんあひるだけがバリっとした背広を着ている。ほかのアヒルたちは、小生も含めて、みなラフないでたちだ。そのヨコちゃんあひるは小生のロシア紀行を読んだといって、色々興味を示した。ロシア紀行を読んでくれたのはうれしいが、小生としては去年書き上げた小説を是非読んでほしい、そういってシズちゃんあひるのスマホの画面にその小説のポータルサイトを表示させたのであった。するとシズちゃんあひるは是非読んでみますという。ミーさんあひるは、それはパソコンでも読めますかというので、もちろんパソコンでも読めますから是非読んで下さいと勧めた次第だった。

あひるの仲間のことだから、あまり堅苦しい話はしない。それでも新聞を賑わせているような事柄はおのずから話題にのぼる。なかでも話題になったのは、例の統計不正だ。これがあまりにお粗末なので、みなさん日本の役人の劣化ぶりを嘆いたのだったが、小生はやや違った見方を披露した。この問題は役人ばかりが悪者にされているが、実は役人にも被害者たる一面がある。というのもこの数年のうちに、統計を担当している役人が、従来六千人以上いたのが二千人以下に減らされている。その減らされた人数で従来と同じ仕事ができるわけはないので、おのずからどこかで手を抜かなければならない。その結果がああいうことになったんだろう。だから、当事者の役人ばかりを責めるのは片手落ちではないのかね、とこれは役人を進んで擁護するつもりではないが、役人ばかりを責め立てて悦にいっている日本人の支離滅裂ぶりを指摘したところであった。

また某女性都知事の仕事ぶりも批判の的となった。この女性都知事が、平気で公約を破ったり、弱い者いじめみたいなことが好きなのが、あひるのみなさんの肝にさわるようなのだ。あの人は、あんなに大きな顔をして威張りくさっているとみなさんがいうので、あの人の顔の大きさというか、だだっ広さは、生来のことらしいねと小生は感想を述べたのであった。

ところで、この六羽のなかではミーさんアヒルが一番の年長ですが、今年でおいくつになられますか、と問うたところ、今年で傘寿になりますという。それは大変おめでたいことです。お見受けしたところ非常に丈夫に見えますので、おそらく百歳以上生きるのも夢ではありますまい。そういったところがミーさんあひるは恐縮して、百まで生きるのが目出度いことなのか、どうなのか、私には俄かにはわかりませんという。でも自分がいわゆる終期高齢者の仲間入りをしつつあることは実感できます。そういうから、小生は高齢者の区分について私見を述べた。それは政府がいう後期高齢者に続いて、八十五歳以上を末期高齢者、百歳以上を死に損ないとするものであるが、それを披露したところが、死に損ないとはきつい言葉ですねと反発された。

ともあれ、昨年はミーさんあひるのおすすめに従って、乳頭温泉郷への旅行計画をたてたところ頓挫してしまったので、今年は是非実現しましょうと皆で話し合ったところだ。





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