雲竜図:海北友松

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建仁寺本坊の障壁画のうち最も迫力を感じさせるのが「雲竜図」だ。玄関に最も近い礼の間を飾っており、北面には咆哮とともに雲間から姿を現した龍(上の図)が、西面にはそれを待ち構えるように対峙する龍が描かれ、両者あいまって並々ならぬ緊張感を醸し出している。どちらの図も四面づつの襖に描かれているが、北面のもののほうが上下の比率を大きくしている。

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これは西面の雲竜図。龍は四面の襖一杯に姿を広げて、勇壮に描かれている。こうした勇壮さを、当時の禅寺は好んだとみえ、禅寺の多くに雲竜図をみることができる。友松自身も、方々の禅寺のために龍の図を描いている。

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これは、西面の龍の部分を拡大したもの。左に向いた体から、頭部だけを右に向け、あたかも迫りくる相手に向って構えているような図柄である。

(紙本墨画 襖八面 北側186×133㎝ 西側198×187㎝ 建仁寺本坊 重文)






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