佐久間大学は戦国時代の武将。もともと織田信長の弟信之の家来であったが、信之と信長の喧嘩が起ると優勢な信長方に寝返った。その後桶狭間の戦いの際には、その前哨戦の戦いで戦死した。主君を捨てたということで、あまり評判の良くない武将といってよい。
その評判の良くない武将を、芳年がどういうつもりで取り上げたか。よくはわからない。
この絵の中の大学は、敵の首を手に持って、首からしたたり落ちる血を啜っているように見える。このシリーズの絵の中でも、ひときわ血なまぐささを感じる一点である。
(明治元年<1868> 大判)
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