森力丸(魁題百撰相):月岡芳年の血みどろ絵

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森力丸は、蘭丸、坊丸とならんで森三兄弟として知られ、ともに織田信長の小姓をつとめた。天正十年の本能寺の変では、信長の脇に従い、最後まで戦って討ち死にした。享年十五歳であった。

この絵は、本能寺の変の際の力丸の戦いぶりを描いたものだろう。討ち取った敵の首級を二つ袈裟懸けにして持っているが、その首の主はいかにも強そうに見え、それらを討ち取った力丸も、年齢を感じさせないほどの勇士として描かれている。

実際には、力丸は明智型の武将四王天又兵衛によって、槍で突き刺されて死んだ。この絵では力丸が槍を抱えて、勇ましく敵をにらんでいるふうに描かれているわけだ。

(明治元年<1868> 大判)






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