会津黄門景勝(魁題百撰相):月岡芳年の血みどろ絵

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会津黄門景勝とは、上杉景勝のことである。景勝の父長尾政景は上杉謙信の武将であったが、景勝が九歳の時に死亡。その後景勝は謙信の養子として仕えた。そして謙信が死ぬと、その家督相続を巡って上杉景虎と激しく対立。武田氏や北条氏を巻き込んだ相続争いの末に勝利し、上杉氏の家督を相続した。そんな具合で景勝の前半生は血にまみれていた。

この絵の中の景勝はまだ若々しいので、前半生の時期の景虎を描いたのだと思われる。その時期の景勝は景虎との間で死闘を繰り返していたので、この図柄はそうした死闘のひとつをテーマにしたものだろう。

景勝は武将の首に見入っている。この武将が誰かははっきりしないが、おそらく景虎かその重臣だと思われる。誰であっても、景勝の血にまみれた半生を想起させるものに違いない。

(明治元年<1868> 大判)






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