勝利した翁長弔い合戦:沖縄知事選

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沖縄の知事選で、翁長前知事の後継者を任じる玉城氏が安倍政権の全面的支援を受けた候補者を破り当選した。この選挙を筆者などは、壮絶な死をとげた翁長市の弔い合戦と見ていたので、それが勝利するのを見て感慨深いものがある。

安部政権の支援を受けた対立候補者は、政権と仲良くし経済の発展を図ると言いながら、辺野古の基地問題については一言も触れなかった。目くらまし戦法をとったといえるが、そんなこざかしい戦法は通じなかった。それほど沖縄の人々が基地問題について怒っており、その怒りを体現していた翁長市の後継者としての玉城氏を選んだということだろう。

沖縄の基地問題は非常に根深いものがある。この問題を解決するには、目先のことばかり見ていたのでは進まない。日米同盟の従属的な性格を正しく認識したうえで、日本として望ましい外交のあり方を確立しなければならない。そうしたうえで、日本がとるべき軍事的な政策を明確にし、そのなかで基地問題を位置付けなければならないだろう。

膠着状態にある北方領土問題も、日米同盟と緊密にからんでいる。安倍政権は、日米同盟の現状を変えないままで日ロ関係の改善と北方領土問題の解決が可能だと国民に思い込ませようとしているが、国民はそれほど愚かではない。日米軍事同盟の現状を前提にすれば、日ロ関係が抜本的に改善する見込みがないことくらいわかっているし、ましてや北方領土問題の解決などありえないことも知っている。

知らないふりをしているのは安倍晋三とその仲間くらいだ。一方では、米国の奴婢として振る舞いながら、その米国の最大の敵であるロシアとも仲良くしようというのは、正気の沙汰とはいえない。わかっていてそんなことをしているのか。それともわからないでそんなことをしているのか。どちらにしても、確固とした外交理念があるようには見えない。

その無定見さが、いままで沖縄の人々を苦しめて来たと言ってよい。それに対して沖縄の人々が、あらためてノーを突き付けた、というのがこの選挙の意義だろうと思う。





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